迷い仔ユラン

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投稿者: 髙津 央  [2015年 09月 18日 21時 36分] ---- ----
良い点
 ふんわりほのぼの穏やかな話なのに、何故か、読んでいる内に体温が上がってくる不思議。
 もっと寒い時期に読めばよかったと思いました。お話全体があたたかいからなんでしょうね。
 「小さな神」のハッピーエンド版……? いえ、状況は全然違うんですが、なんとなく。
 「迷い子ユラン」はお話の底にやさしさがあって、その上に辛い状況が乗っているからか、嫌われキャラが登場しても、嫌な感じがしませんでした。行いは許せないけど、まぁしょうがないか、みたいな。

 状況は非常に厳しいのに、それに対して誰に恨み言を言うでもなく、淡々と受け入れる村人たち。
 諦念の中に、なんとかしなくては……と言う意思は失くさず持ち続けていて、それが希望に繋がっているからでしょうか。
 だから、状況を変えるちっちゃい「犬神様」が迷い込んだことで、じわじわ動き出したのかなぁと思いました。

 強いみんなに埋もれていたユラン。自分の強さを知らなくて、守る対象を見つけて、はりきる姿が健気で可愛いです♪
 でもなんとなく、その、居場所を失わない為に必死な感じが、ちょっと痛々しかったり。
 異能のマレビトが来て、その一人の力で一気に大逆転する訳ではない、地に足の着いた流れと決着も、流石だなぁと思いました。
一言
 でかわんこの悲しき宿命(笑)
 大きくなって、村人に引かれるシーンで、「動物のお医者さん」のハムテルとチョビのプロレスごっこを思い出しました。
 本人たちは無邪気に遊んでいても、「あ! 犬が人を襲ってる!」呼ばわりされるレベルの大きさ、強さが、頼もしくも物悲しい。
風羽洸海    [2015年 09月 18日 23時 25分]
ご感想ありがとうございます。
いぬよこせぇぇぇの一念で書いたものですが、お口に合いましたようで何よりです。
個人サイトの方もご覧くださったのですね、恐縮です。言われてみればあの話とちょっと共通するものがあるような…。

寒村の生活環境と精神性、色々と考えて頂けて嬉しいです。この話は絶対にシビアな絶望を持ち込まないぞと決めて書いたので、結果としておっしゃるような「やさしさの上に辛さ」「諦念の中にも希望」のような雰囲気になったかなと思います。

でかわんこ、傍目にはちょっと怖いですからねー。犬耳ついてる程度の獣人ならともかく、ほぼまんま狼ですから……ミカに怒られて尻尾垂れてる体たらくなんですけど!(笑)
でもまぁ本人はなんだかんだで幸せに暮らしただろうと思います。だいたいいつもご機嫌わんこ。

ありがとうございました!
投稿者: みにら  [2015年 06月 09日 14時 57分] ---- ----
良い点
さわやかにふんわり纏まっていて、読後感が幸せです。
一言
もふもふパワー充填です。
ユランのかわいさに、嫌な隣人までメロメロです。
私もメロメロです。
今にも潰れそうな村に、一過性ではなく、持続的な希望をもたらした犬神様の遣い。
周囲の人間たちの努力もいいですね。
サダン少年(家族でみんな同じ名前というのも笑った)の決意にぐっときました。
都から帰ったらミカと結婚するのかしら? と思っていたら、まさかの妻子連れ帰還。
ちゃっかりさんめ!
でも、外から人を入れるっていうのは大事ですね。

ツォルイさんは、「女神の柩」の継承者さんよりずいぶんこなれていますね。
ちょっと違うタイプも見れて新鮮でした。
風羽洸海    [2015年 06月 09日 16時 50分]
読了・ご感想ありがとうございます。
もふもふ充填していただけて何よりですもっふー!

なにせ神様とか言ってもわんこですからね……あんまり頼れないというか、むしろこっちが頑張らなきゃみたいな(笑)。
サダン少年は最後どうするかなと考えながら書いていましたが、嫁取りする歳で町に出たら当然色々あるだろうなぁ、ということで、人口増に一役買ってもらいました。めでたしめでたし~。

ツォルイについては依り代の違いもありますが、本来の継承者はああいう大らかで明るい性格がベースにあります。柩の時は役目のストレスでぎこちなかったという…。
ともあれ、お付き合い下さってありがとうございました!
投稿者: 霧原真  [2015年 06月 07日 02時 18分] ---- ----
良い点
獣人もふもふを堪能できました。素晴らしいもふをありがとうございます。

物語の閉じ方が素晴らしいと思いました。
語るべきものはすべて語られ、それでいて読み手に委ねる部分も残されているという印象を受けました。

いろいろな意味で「ほっとできる」作品です。
登場時には嫌な小悪党の典型のように見えたサダン一家が、物語が進むうちに変化していくところなどが、とても好ましく思えました。
特にサダン少年の成長ぶりが、素晴らしかったです。
一言
田舎の寒村の暮らしぶりがしっかりと描かれていて、リアリティがありました。貧しさ・大変さがあるからこそ、ユランの存在によってもたらされたもの(物質的なもののみでなく精神的なものも)が際立つのだと感じました。

強者に頼り、ひたすら守られるのではなく、自分たちの力でやっていくための道標として「犬神様」を慕う、というところに収束したのが、なんといっても安心できるところです。

最終的にユランがどのような選択をしたのかは語られず、読者の解釈に委ねられています。
その選択はおそらく「善きもの」「幸福なもの」であったのではないかということが窺い知ることができ、幸せな気持ちでラストを迎えることができました。

そしてラストで聞き手となる若い娘ですが、おそらくは「女神の柩」のあの方ですよね?
風羽洸海    [2015年 06月 07日 11時 31分]
ありがとうございます、もふもふ堪能して頂けて何よりでございます!

いぬよこせぇぇで始めてしまったので、どのあたりまで書いてどう閉じるか悩ましかったのですが、適度なところでふんわりと締めくくれたようで一安心です。

サダン一家も、もふもふの癒しパワーには勝てなかった…(笑)

限界集落で外の世界との行き来もなく、“終わり”を肌身に感じながら暮らすのと、外界に開かれていて将来に安心感があるのとでは、言動や生き方も変わって来る…と、そんな部分も含めて書きましたが、読後にほっとして頂けて良うございました。

最後の役人はお察しの通り、彼女です。これからあっちに行ってしまうのであります…。


ありがとうございました!
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