イチオシレビュー一覧

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サザードン迷宮に、一匹のユニークモンスターが誕生した。(本文より)

ボス部屋から出られず、冒険者達に倒されれば時間をおいてリポップする。新しい個体は前の個体とは違う。故に成長することも経験を引き継ぐこともないはずのモンスター、ミノタウロス。

そのはずだったミノタウロスがボス部屋を飛び出し、強敵を求めて迷宮を彷徨う。

「辺境の老騎士」等で有名な支援bis 様によって綴られる闘いの物語。

ミノタウロスは「迷宮の王」になれるのか?

運命的な出逢いに彩られた大河物語

自分にとって最高峰(イチオシ)の作品です。
読んで良かったと思えた作品は、これまでいくつもありましたが、『迷宮の王』に関しては、出逢えて良かったという読後感すらありました。数多の作品を揃える”なろう小説”の中で、この作品に出逢えたことはまったく幸運でした。
この作品の特筆すべき点は、物語のその技巧的な構成にあるといえるでしょう ― 主人公が入れ替わりながら物語が進み、彼らの様々な出逢いが描かれ、場面が立ち変わり折り重なり合いながら、物語に"深み"を与えていきます。あなたが読み終わったときには、しかし、物語はまったく迷走することなく、はじまりから終わりまで一筋に繋がっていることが解るはずです。
どの登場人物もストイックに描かれていて、そのことがこの作品に凛品を醸し出しています。
百聞は一読にしかず。ぜひ多くの方に『迷宮の王』を読んでいただきたいです。

本編は35部だが中身は長編英雄譚

  • 投稿者: 芥 朱文   [2019年 05月 31日 21時 03分]
ある日、迷宮にミノタウロスのユニークモンスターが現れました
めちゃくちゃ強いミノタウロスは、冒険者も迷宮ボスもなぎ倒し、迷宮を乗っ取って「迷宮の王」になりました
めでたしめでたし

では終わらない、人と魔物と神様が織り成す英雄達の壮絶な物語
ミノタウロスに関わる多くの英雄たちの生き様が、心に焼きつき鮮烈な印象を残す

物語は迷宮から始まり、中盤に差し掛かる辺りで迷宮を飛び出して街から国家の問題へ、更には世界や神々の話にまで広がり、最終的に1人の英雄へと収束する
数多くのキャラクターが登場し、それぞれが影響を与え合い、見えなかった繋がりや思惑が1つ1つ明らかになって行くにつれ、心の靄が見事に晴れていく

不思議な世界観とキャラの人間臭さ、設定の作り込み、しっかりしたプロット、類稀な文章力
35部という短さに収まっている事が1番の不思議

2019/1に書籍化と聞いて再読

ダンジョン小説が好きなら読んで欲しい作品

  • 投稿者: 山鳥はむ   [2018年 11月 04日 10時 00分]
 ダンジョンモンスターであるミノタウロスがメインとなっている物語。2011年に掲載開始された頃はまだ珍しい部類であったように思う。今こそ見直すべき作品と推薦する。

 ゲームのダンジョンのようにシステムチックな表現は人を選ぶかもしれないが、昨今のなろう小説におけるステータスの氾濫と比べればさして気にする部分ではない。

 この作品の真骨頂は泥臭いほどに現実味が溢れる戦闘描写であり、時に盾さえ凶器となる荒々しい闘争が心を躍らせてくれる。

 初めから最強、敵は間抜けばかり、などの生ぬるいお話に飽きたなら、生と死の狭間で戦い抜く戦士達の物語を読んでみて欲しい。熱い戦いとはこういうものだと思い出させてくれることだろう。

やっぱり王道はいいですね!

  • 投稿者: 退会済み   [2017年 11月 18日 14時 02分]
管理
弱くとも這い上がって強敵を打ち倒して征く!
他者より強く、他者より先へ、他者より上へ!
奪い、習い、鍛え、その身を強者へと鍛え上げていく。
ただし他の小説と違うのは、主人公はミノタウロスだったのです。

唯の一体のミノタウロスが、より強力な好敵手を求めて迷宮内を駆け巡ります。
冒険の果てにミノタウロスが何を望み、何を手にするのか、是非読んでみてください!

ライトなのに重厚なファンタジー

  • 投稿者: きんかん   [2013年 02月 07日 02時 50分]
流行りのゲーム世界観設定をひねってみました系かしら、と思って軽く読み始めたところ、裏切られました。

確かに随所にライトで馴染み深い設定が散りばめられていますが、全体の持つ雰囲気はどちらかと言えば重厚です。
ミノタウロスの戦いと成長の物語を軸に、様々な登場人物の視点で歴史が展開されてゆき、話を追うごとにそれらがリンクしていく過程に、ぐいぐい引き込まれます。

なにより、散々広がった物語をきちんと完結まで収束させる作者の手腕が素晴らしいです。
良い読後感をありがとうございます。おすすめです。

頂きに上り詰めた王の物語

地下迷宮の王となったミノタウロス。

権力にも金銭にも興味を持たず、強き存在との戦いにのみ興味を示す孤高の王。
王たる事を示す為に力を振るい、あまたの強敵との戦いに飢え、強者との戦いにのみ興味を持つ。

頑なな信念と飽くなき闘争心を持つ迷宮の王は新たなる闘争を望み、日々迷宮の奥底で強者を待ち続ける。

あたかも約束を守る一途な武人のように。

ファンタジーというジャンルの中でキャラクターの個性を際立てつつも、主役である怪物のミノタウロスに人の読者が感情移入出来る傑作。
軽めのファンタジーとは言えないが、ファンタジー物が好きならば一読する価値はある。

この作品には多くの小説の中で描写が端折られてしまっている、登場するキャラの生物としての感情と本能が凝縮されている。

一読の価値があるので、未読の方は是非お読み頂きたい。読んで後悔はしないはずです。

ありがちなドタバタでしょ?

  • 投稿者: Lay   [2013年 01月 31日 18時 11分]
なろうの中でもファンタジー恋愛を好んで読んできました。
読み尽くした感があったので、たまには違うものを…と思い手ヲダシマシタ。


きっと、ありがちなドタバタでしょ?
と、思ってよんだら全然違う。
物凄く重量感のある、本物でした。

面白いので、あっという間に読みました。
主人公?たちの代替わりで多少わかりにくい所がありましたが、内容が濃いので気になりません。

いやー
いいモノ読んだぜ!

王道ファンタジー

  • 投稿者: クロトア   [2012年 12月 02日 06時 13分]
ソードワールドシリーズが好きなら、読んでみて間違いなし。
「小説を読もう」の数ある作品で、他の方に間違いなくお奨めできる作品です。
一言でいうならまさに王道と言えるファンタジー作品だと思います。
完結していることもあり、読み終わった後の充足感
それに書籍化されたら読めなくなっちゃうかもしれませんよ
まだ、読んでない貴方、ぜひぜひ読んでみてください。

迷宮たる物語 王道たるファンタジー

  • 投稿者: 在形 直   [2011年 09月 28日 23時 51分]
……詩情にあふれ、迸るイメージがあった。

子供の頃に感じた 雨の景色、空の色
子供の頃に感じた 路上の色、建物の影
雲の隙間から漏れた光の先に、何かがあると信じていた頃の
そう空想が身近だった頃の世界がソコにあった。

かつて古代の人々が世界に見ていた景色のような
……まるで神話の景色

ああ、ファンタジーとは世界なのだ。
ファンタジーとは現実に倦み忘れてしまった あの時の瞳を取り戻すツールなのだ。

この物語ではRPG的表現も使われているが、それは物語を軽いものにせずに、むしろ深みをもたらしている。
初めてファンタジーを読んだ時の、初めてRPGをした時の、、異世界へのあこがれがあった。

魅力的な世界観、魅力的な主人公達、大河の様な物語の流れ。
作者は物語の迷宮を間違わずに、通るべき道筋を選びゆくように見えた。
……それはまるで王道を通るかのように。

ぜひ読んで欲しい。
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