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その発想は無かった
投稿者: 三月兎    [2012年 04月 25日 (水) 01時 05分 10秒]
やられました。
この作品世界には、世のファンタジーライトノベルにあたりまえに登場するアレが(まだ)ありません。
でも、アレが登場するまでにはこんな時代があったのかもしれない、いやきっとあったはず。
主人公は強いけど最強ではなく、むしろ老いを感じつつあるかつての英雄ってところも渋いですね。
正直、普通に出版されてておかしくないレベルだと思います。
『日雇いクエスト』のレビュー
投稿者: 浅丼健一    [2012年 02月 10日 (金) 22時 36分 55秒]
ファンタジー。首府に流れ着いた伝説の斥候が、冒険者とは名ばかりのごろつきを集めてギルドを作ろうとするが、そこに貴族や冒険者たちの勢力の思惑が絡んで……という内容。巨大な伝説のあとの小さな(?)物語、という感じがポイントになっていると思います。
まず、この小説を語る上で外せないのは「手作り感」にあると思います。ファンタジーの魅力のかなりの部分に、この「手作り感」が出せるかどうかが影響すると思います。この作品の場合、それが非常に上手いのです。宮廷と首府の設定、通貨、冒険者の社会的地位みたいなものが、かなりの気配りで描写されていて、すぐにその世界観に浸れます。
また、その世界で活躍するキャラクターも一人一人が人間臭い魅力があって僕は「ファンタジー世界の仁義なき戦い」かと思いました。個人的には老人が活躍する話というところがポイント高いです。ファンタジーはジジイが目立つほど面白い。
オススメです。
エンタメなファンタジー。それだけで終わらない、一味違った魅力。
投稿者: シロタカ    [2012年 02月 01日 (水) 23時 14分 19秒]
 時代小説は大人のラノベ――友人のそんな言葉を思い出させた。

 剣劇を主として、悪党を成敗する時代小説には水戸黄門のような様式美が存在する。それを似たり寄ったりと云ってしまうことも可能だけど、そもそも一定の型はどんなジャンルにも存在する(神様が転生させてくれる、とか)。むしろ注目すべきは、エンターテイメントとしての質の高さだ。

 本作はファンタジーであり、別に時代小説というわけではない。しかし、時代小説の文脈を巧みに組み込んだような美しさを持っている。端的に云ってしまえば、物語の展開や世界観の設定がどこまでも堅実で隙がない。

 英雄と呼ばれる勇者パーティなどケレン味も抜かりなく、そこらのファンタジー作品の水準は軽く超えている。それに加えて前述の時代小説の魅力も併せ持っているのだから、面白くないわけがない。

 とても贅沢な、ちょっと大人のエンタメ作品。一味違う魅力を是非。
ジジイが主役で何が悪い
投稿者: 上屋    [2011年 09月 18日 (日) 18時 59分 02秒]
年を取ったら減る物は、
金に体力、髪に時間。
年を取ったら増す物は、
白髪に年齢、しわに借財。

とかくこの世は世知辛い。まかり通るは不法と不義理、どこへいったか勇者と伝説。

昔英雄、今日日雇い。栄光は、腹の足しにもなりゃしない。クエスト求めてあちらこちらへ、貝殻(シェル)銅貨、銭鳴る方へ。

けれどもされどもこの爺、見てくれ判断はいけません。
亀の甲より齢の功、油断したらば短剣ブスリと胸抉る。

さあさみなさん寄っといで! 曲者ジジイのひと暴れ、見なきゃ損だよ後悔するよ!

――――なんせ日雇い、明日もあるとは限らない。

普通のファンタジーに飽きたなら
投稿者: 久保田    [2011年 09月 16日 (金) 17時 07分 29秒]
この話に勇者はいない。
絶対的に勝ち残る勝利者はなく、ただ人のみが存在している。
軽いタイトルとは裏腹に、ちっぽけな端金のためにゴミのような命を賭ける冒険者達。 いや、言葉を飾らずに言えばゴロツキだ。
惨めに生き、惨めに死んでいく彼らだが、その中にもきらりと輝く仁義があった。
これは凡百の和製ファンタジーではない。
ファンタジー任侠である。

なおこれは現在更新されている七話までの感想であって、この後の展開は予想もつかない。
次の話で味のあるキャラがあっさり死ぬかもしれない。
死ね、と思ったキャラが高笑いをするかもしれない。
しかし、それが私にはどうにもたまらない魅力に感じられるのだ。
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