ただいま、おかえり、いただきます。

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誰もが日々関わる【食】

投稿者: SPICE5 [2014年 07月 21日 21時 33分]
【食】無くして人は生きていけませんが、各々の人生におけるそのポジションは多種多様であります。
食べることこそ最大の楽しみな人、食事自体が面倒臭い人、おやつの時間に全力投球な人などなど。

物語は主人公・民子の、日々の食事を切り取りながらゆっくりと進んでいきます。
奇をてらった設定はほとんどありませんが、一つだけ挙げるとすれば民子の恋人・上島さんの存在感でしょうか。
物語の中で、上島さんが回想以外で喋る事は一度もありません。
民子の肩を抱くこともありません。
ただ、その場所から笑いかけているだけです。

作者の経験に裏打ちされた、感性の豊かさ。
無駄を削ぎ落とし付加していく確かな言葉選び。
「作る」「食べる」
その単純な行為が、こんなにも愛おしいひとときへと変わるのかと、その妙味を楽しんでいただきたいです。

読後は心が豊かになり、お腹はすっからかんになる作品です。
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