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[一言]
 「窮屈剣 遠野遣り」の感想を申し上げます。

 アパートにつきもののトラブルが身にしみました。
 私の住んでいるアパートでも、しょっちゅう大声で歌いだすやからとか、夜中に外国語で議論をおっぱじめる連中とか、いろいろおります。電話で延々と部下を恫喝しつづけるパワハラ野郎などもいて、あれは傍で聞いていて気が滅入ります。かくいう私も物音ひとつ立てずに暮らしているわけではありません。
 そのようなわけで、おとらさんのことは嫌々ながらかなり身近に感じました。殺したくなる気持ちもわかります。

 今回の件は、はたして本当に雨龍斎が下手人だったのかという点に疑問が残ります。おとらさんに恨みを抱いていた人間はほかにもいたでしょうから、雨龍斎のしわざであると決めつけるのはいささか早合点のように思われます。
 もっとも、善兵衛にとってはおとらさんの仇討ちはついでであって、主目的は雨龍斎を排除することなのかもしれません。少なくとも善兵衛は社会正義を標榜する人物ではありませんから、これはこれでいいのかとも思います。かりに後から真犯人が判明したとしても、善兵衛は雨龍斎殺しを依頼したことを後悔しないでしょうね。

 殺陣についてですが、落ちてきた矢を弦で受け止めることによって弓を張るという発想にはいささか無理があると思います。投げ上げた矢が落ちてくる際にはおそらく最も重い部分である矢じりが下になるので、それを弦で受け止めることはできない相談です。
 ハルバードの動きについてはよく書けていたと思います。特殊な形状に由来する用途の広さがこれでもかとばかりに伝わりました。

 最後になりますが、「十四へ行け」について。
 私も元はゲームブック者だったのでこの言葉はおなじみなのですが、時代小説の中に登場すると何というか面白い違和感があります。J・H・ブレナンはもしかしたら品方長屋におけるこの故事を知っていて、自作の中に取り入れたのかもしれない……というようなことを一瞬まじめに考えてしまったり。

 千賀藤兵衛さん、お読みいただきありがとうございます。続きました。

細かいネタも拾っていただきありがとうございます。こちらのシリーズは隠し剣シリーズよりは少々コミカルさを増やす感じで書いておりますので、そういった面も楽しんでいただければ幸いです。

>落ちてきた矢を弦で受け止めることによって弓を張るという発想にはいささか無理があると思います。
 タランティーノの横撃ちやアルカディア号のはためく海賊旗的なアレなんで解説するのも野暮なのではありますが、要はそこから回転、旋回して再装填というシーンです。うん。解説するのもアレですが。

 お読みいただきありがとうございます。
[良い点]
仕事をビジネスと読んでいるんですね。
納得。
「まじでか」
に笑った。
面白かったし殺陣もかっこよかったけど、ちょっと消化不良です。
漫画雑誌の、新作長編の前にちょっと掲載される読み切りみたいな感じ…?
長編で続きをお願いしたい(笑)
[一言]
ヒマラヤマの文字を変えているのは、世界線が違うという事なのか…
読みやすくはなりましたが(笑)
516さんとか、フレイリとかまたもネタが豊富ですね。
戦闘シーンの短い言葉の連続は、すごいスピードの連撃が想像できてかっこよかったです。
  • 投稿者: みにら
  • 2017年 06月05日 10時45分
 みにらさん、感想ありがとうございます。

 「まじ」は当時から言葉として使われていただろう、というコミットもあります。実際使ってみたらあまり違和感なく馴染んで……なかったですか。そうですか。
 せっかくなので小ネタをいろいろと入れてみました。楽しんでいただけたようでうれしく思います。

 本作は現在文学フリマ短編賞に投稿しておりますので、ひとまずエンドマークを打っております。
 いろいろ積み残しがあるのは確かでありますので、またイベントが終わったら何話か追加しようかなあ、と思っております。
[一言]
 おしまいまで拝読しました。
 善兵衛や比間良屋といった黒幕が手つかずのままなのがいささか釈然としませんが、おそらくそこがビジネスマンらしいところなのでしょう。つまり、やれと言われたことだけやる。それ以外のところは頬かむり、といった感じですな。
 しかしそれなら、同居人は妹ではなくて嫁さんにしたほうが、一時代前の企業戦士のイメージに合致するような気もしました。
 また、気のせいかもしれませんが、この題名のせいで考えが特定の方向へ誘導されるのも面白くないところです。たとえば、材木問屋が口入業に経営拡大して労働者を囲い込むくだりなどはいわゆる専ら派遣を連想させますが、これも題名がそのような連想を導いたという面が大きいと思います。もっとも、こういうのを不愉快に感じるかどうかは人それぞれでしょう。
 結局のところこの奇抜な題名には納得できたどうかといえば、半々といったところです。

 題名のことばかり言っていますが、ここまで極端な題名をつけられると正直ほかのことはどうでもよくなってしまいましてな。すみません。
 『獄卒剣』が題名でもよかったのではないかとも思うのですが、いけませんかねえ。

 いちおう、フレイルと糸という時代劇ばなれした組み合わせの戦いはよく書けていたと思います。ちゃんと時代劇の殺陣に見えるところが憎いですな。
 乃蔵の存在は物語の上で若干浮いており、十日前の殺しの件を読者に説明するためだけに出てきたかのような印象があります。もしこの物語が今後も続くとすれば、おそらく乃蔵が真相に近づいてゆくことになるのでしょう。吾市郎の前に立ちふさがるかそれとも協力して事に当たることになるのか、興味深いところですが、完結していては是非もありません。

 以上です。
 あちこちけなしておりますが、楽しんだことも確かです。

 千賀藤兵衛さん、お読みいただきありがとうございます。

 本作は文学フリマ短編賞に参加しております。制作側の課題としては、普段とは違う層、いうなればいつもの隠し剣やらを楽しんでくださっている方(これはこれでもちろんとてもありがたいものですが)以外のところに目につく可能性も多かろうと思い、色々とインパクト重視の飛ばしを行っております。このタイトルにしたのもその一つですし、現実問題の背景が連想しやすいだろうと思われたのもそのとおりで、鋭い指摘であろうと思われます。

 いろいろと積み残しがあるのもまったくもってご指摘の通りですので、お祭り終了後にでもまた何話か追加しようかと考えております。その際はまたご覧いただけましたら幸いです。
 ご丁寧なコメントありがとうございます。
[一言]
 新連載おつかれさまです。
 法によって裁かれない悪を人知れず斬るというのは、時代小説の鉄板ですな。善兵衛というひと癖ありそうな人物が一枚噛んでいるところにも期待が持てます。

 しかしこの題名はどうしたことでしょう。
 最初の一話を読んだ段階では、奇をてらいすぎとしか思えないうえ、意味もわかりません。
 今後この題名が腑に落ちるような展開になっていくのだろうと予想しますが、それが具体的にどんな展開なのか見当もつきません。
 おそらくこの題名の処理が作品全体の評価を決定づけるポイントになるでしょう。
 どんなウルトラCになるのだろう、コケやしないだろうな……とちょっぴり不安に思いつつ、注目してまいります。

 千賀藤兵衛さん、早速お読みいただきありがとうございます。

 文学フリマ短編賞に参加しようと思い立ちまして、それ用に新作をものしました。もちろんいつものごとく、様々な趣向を凝らしております。
 先ほど後編を公開いたしましたので、ぜひとも読んでいただきたく思います。はたしてご期待に応えられましたか否か。
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