感想一覧

[良い点]
とても優しいお話でした。
祐羽ちゃんが等身大の少女として描かれていて好感がもてます。
シナリオも一本線で作成されているので迷うところがない。起承転結を意識されたシナリオラインだと感じました。
悪は悪、善は善と切り分けられているので、大人から子供までたくさんの人に愛される物語です。
わたしも電車の中で読んでいて、隣の人にぶつかられた時もなんだか優しい気持ちで許せてしまいました。

第一部：祐羽ちゃんは始めとっつきにくい感じなので、人がキライなのかなぁと思っていましたがそうではなかったのですね。
祐羽ちゃんのもっている重い過去の影が薄らと浮かび、その闇を切り裂くように飛び出てきたルーネスちゃん！
シャンパンの栓がポン！　と空いたような賑やかさが出てきます。

第二部：今度はルーネスちゃんと明良くんの課題が提示されます。
この物語はそれほど多い字数で構成されていませんが、どの登場人物にも課題が示されていて純粋にすごいと感じました。

第三部：祐羽ちゃんの復讐の時。物語がクライマックスに向かって上っていきます。
犯人も軽くいかれた感じでGOOD。なんの同情もわきませんね。ここでは祐羽ちゃんと一体になり、犯人を責めるわたしがいました。

第四部：クロウさんの与えてくれた、とびきり優しい結末。犯人は死なない。そのかわりに……。
全員が課題を完全に解決できたわけじゃない。だけどみんなはまた笑顔で再会できた。
ほんのりと、アイスティーに反射する光のように明るい終結でした。とても良い読後感を覚えました。
[一言]
祐羽ちゃんの描き方がすごくよかったので、今度は思春期の女子の心をテーマにした物語も読んでみたいです。
こういう、「もう一人の自分にせまる」書き方、クロウさんは実に上手だと思います。

[良い点]
しっかり地の文があり、しかし、読みづらさはありませんでした。
そこが良かったです。
流れがあって、飽きずに読むことができました。