エピソード60の感想一覧

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[良い点]
・徹底的に練られた世界観。拝読するたびに思うのは、世界観にちゃんとした厚みがあるということです。都市やそこに立つ建物の様式だけでなく地形の細かい描写は、世界がちゃんと生きているということを読者に感じさせますね。

・熱い戦闘描写。章が進むごとに洗練され、臨場感とスピード感が増しています。レエテが不死身に近いので、よく凄惨な状態になりますが、それがより彼女の悲壮感というか、覚悟を際立たせているように思います。戦闘描写だけでなくそれにちなんだやり取り、台詞回しもとても勉強になりました。個人的に、命乞いをしたレイドに対して言い放ったレエテの言葉が激しい怒りを感じさせてとても良かったです。

・この章を拝読して、シェリーディアがとても好きになりました。最初はかなり激しい性格の女性だなと感じたのですが、56ページのフェビアンとシェリーディアのやり取りで心を盗まれました。死に際の友人に情を呼び起こされるというのは、それまでの交戦的な殺戮者然とした人物像の中に少女らしさを感じさせてくれました。
[一言]
今晩は。二章くらい続けて拝読してから……なんて思ったのですが、今回も感想が長くなってしまったのでこの辺りで感想を書かせていただきます。

ランスロットもこんなに強かったんですね。私の中ではランスロットはサタナエル・サガの中でも随一の癒やしキャラだったので、意外な思いでした。レエテを諭す場面は特に良かったですね。

ガリアンは敵ながら気持ちのいい人というか、武人としての理想像を見ているようでとてもいいキャラだなと思いました。レエテの戦意が弱まるのも無理はないですね。

登場してすぐに退場するぽっと出の敵キャラ、というものがこの作品にはいないような気がします。どんなに短い登場期間だったとしても、そのキャラの人となりがちゃんと読者に伝わってくるのは優れた人物描写がなせる技だと思います。
フェビアンとシェリーディアの関係もまた悲しいです。同郷で友達として過ごした時代もありながら、今では憎しみ合い、殺したいとさえ思ってしまうなんて。二人は、不幸な運命によって歪められてしまったように思います。

ルーミスが人質に取られたときはどうなることかと思いましたが……。本当に良かったです。彼がお兄さんと再会できた場面は、じーんときちゃいましたね。

私はどうしてもキャラの対人関係に注目して感情移入してしまうのですが、サタナエル・サガは国家間の対立や陰謀まで破綻することなく書かれていて、世界観に圧倒されます。きっとこの世界を構築されるまでたくさんの資料を読み、読書を重ねられたのだと思います。

本格的な戦記ものというのは、きっと御作のことを言うのだと思います。

60ページの最後、凄い嫌な予感がするのですが……。ま、まさか!? またお邪魔します。いつも以上に乱れた文章で、失礼しました。
ご感想、ありがとうございます。

夏野さんには毎章丁寧なご感想を頂き、感謝しております。

世界観と戦闘描写は拙作でも力を入れている部分で、お言葉嬉しく思います。
世界については最初に地図を作った時点で思い描いた地理を、どうにか言葉で伝えたいと苦心してますし、戦闘描写も反省点を生かして端的にリズム感をもたせるようにしてきたので、向上していると云われるのは本当に嬉しいです。それも心情描写の匠である夏野さんに云っていただけるとは。

キャラに関しても一人一人所感をいただけて感激です。

本作のテーマを体現するレエテの怒りはキーボードを2つ駄目にするほど熱が入っていますし――。また本章の影の主役といえるシェリーディアを好きになって頂き、彼女の本当の心が表れる様に感じいっていただけたのは非常に手応えを感じます。フェビアンとの悲しい関係には真実があり、次章で明らかになりますのでお楽しみに。

ランスロットもおっしゃる通りのポジションながら強く成長していきますし、ガリアンという渋いキャラに感じ入って頂けたのは驚きました。彼のような地味でも己の志を貫く敵キャラは幾人か登場するのですが、そこに感想を頂ける事は少なく、嬉しいです。

ルーミスとシエイエスの再会は、序盤の大きなターニングポイントです。感動の出会いを果たした彼らの、今後の試練にもご期待を。

私からすれば、夏野さんの細やかながらも心の突き刺さる心情描写は尊敬の的なのですが、国家・陰謀という、世界観の一端として力を入れた要素についてお褒めにあずかれたのは報われた思いです。戦記物としての側面を評価頂けて、現在の続編の執筆にも弾みがつきました。

エピローグの嫌な予感は、かなり的確かと思いますが良い方向なのか、どこまでも悪い方向なのか、感じて頂きつつ読んで頂けましたら幸いです。

今後もどうぞ、よろしくお願いします。
  • Yuki
  • 2020年 01月27日 23時54分
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