感想一覧

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[一言]
あっ、これって「電信柱にくちづけを」の後日談ですか!
何かこの状況は見たことあるような……と思いながら、結局、最後まで気が付きませんでした!

とても切ないお話ですが、SNSでアドバイスをくれたのが、実はアケミちゃんだったらと想像したら、さらに切なくなりました!
自分が作ったお弁当が、誰か別の人に食べられていたと分かったら、とても悲しいですよね!

いや、でも、それよりも、「ナヲコ」と「ココ」がどうしているかの方が気になるんですけど!
みんな幸せになってくれているといいのですが!
  • 投稿者: 柴田 洋
  • 2018年 10月14日 20時30分
[一言]
初めまして。以前から作品拝読しておりますが、感想を書き込むのはこれが初めてです。企画「帰り道を探して」もとても面白く拝読しております。(こんなところで申し訳ありません)

この作品、前日譚を知らずにこちらから拝読しておりました。この作品だけを読んだ印象と、前日譚を読んでから再度読み直したときの印象が異なるのがまた面白かったです。

この作品だけならば、砂を噛み締めるようなやるせなさが一番でしょうか。現実社会の中で誰もが感じる無力感がぎゅっと凝縮されているように思えるのです。見上げるような高層ビルの中で、ぽつんと一人所在なさげな主人公の姿が目に浮かびます。孤独で誰ともわかりあえない寂しさがじわじわと染み出してくるようです。自分にはどうにもできない、どうしようもないことを目の当たりにしたとき、自分には何ができるのだろうか。そんな息苦しさと、夏バテで食べる意味深な味のお弁当が喉にひっかかるようでした。自分自身が名古屋で働いていた時が人生で一番キツかったので、ちょっと気持ちが重なってしまいました。

前日譚(『電信柱にくちづけを』だけではなく、『物語は事実よりも奇なり』も同じ登場人物でしょうか)を読んでから再読すると、この主人公は仕方のないやつだなあと思ってしまうのは私が女だからかもしれません。けれど、どうしようもない男が何とかぎりぎりのラインで現実を生きているその危うさがやはり面白いなと思いました。清く正しく生きているとは言い難い主人公ですが、だからこそ目が離せなくなる作品でした。
お返事遅くなって申し訳ありません。
どーも、はじめましてもぐらと申します。

名古屋は世知辛い街なイメージってありますよね。東京より義理人情が薄いみたいな。って、どこに住んでもきっと苦しいことや、悲しいことはいっぱいあるのでしょうけれど。
おっしゃられる通り主人公自身仕方のないやつで、ただの可愛そうな人ではなく、自業自得な部分がきっと多いのかもしれません。誰が悪くてこうなったのか。結局自分のせいにしようが、相手のせいにしようが、結果は変わらず、人は例え自分が手を汚したとしても、自らより良い方向を選ぶべきなのだと思います。
ここに出てくる二人の男、選ぶべきはやはり上司の方で、物語の主人公になるべきは上司の方です。ただただ選ばれなかった方に焦点を当ててみました。

前日譚を知らずに→あ、はい。読む順番はこちらが先で、電信柱が先だと致命的なネタバレになってしまいます笑
これはセット売り商法という、ただの悪質なやり口です。すいません。

感想頂いたお陰で、テンションが上がって魔のクリスマスシーズンを乗り越えることができました。
すごく嬉しかった。ありがとうございました。
[良い点]
 名古屋に行ったことはありませんが、実際の街の景色を見て、その肌で感じた空気を文章でスケッチされたようで、風景を想像しやすかったです。

 会社と公園。手の届く範囲に大勢人が居るのに主人公は孤独。無人の砂漠にひとりでポツンと立っているよりも、大勢の人の中に居ながら誰とも接点のない孤独の方が、心のダメージが深く大きくなります。
 社内での取り残された感と諦め、公園に居る人たちの描写から、それがひしひしと伝わってきて、さらにスマホの画面越しに繋がった顔も知れない誰かに縋り付く様子で、主人公の渇きが心にヒリヒリ沁みました。

 寂寞としたやるせなさに浸食された頃合いを見計らったかのように登場したお弁当で、一気に空気が変わりました。
 お弁当の正体。言葉にできない思いで、喉が詰まりそうな息苦しさ。

 ただ苦いだけではなく、主人公の心が再生に向けて、歩き出す第一歩を見たような安堵感がありました。そこが、喩え足に絡みつく泥道であったとしても。
[一言]
 ショックと思慕から始まり、喪失と疎外感、抑鬱による精神的な殻への閉じこもり、殻の中から外に目を向けられるようになって癒しと再生を経て、「大切な誰かを失った今」への適応と、現実的で最適な対処に動き出す……三歩進んで二歩戻って出口のない迷路に迷い込む日もあるかも知れません。
 そんなグリーフケアの途中経過を見守っているような気持ちになりました。
お返事遅くなりましたー。
ありがとうございます。こうづさん。
良いと悪いをぐるぐる回っておりました。
すいません。

物語を作るヒントは、日常にもいっぱい転がっているもので、この話なんかはその典型でした。
願いを叶える椅子は、人数分用意されてないもので、自分だけがそこから落っこちて、別の椅子を探すも、それまでそこにしがみついていた思いは、中々捨てきれないものです。

こうづさんの感想はいつも柔らかくて、深いところをついてきます。
本当にありがとうございました。
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