感想一覧

[良い点]
入学式、部活勧誘の騒がしさ、ハードな出産シーンを描かず出産後だけ描く、と終始明るい雰囲気が保たれていて感服しました。
恋愛モノが持たざるを得ない重さが数行に収められていたのもその雰囲気を保つのに役立っていると思います。
最後の一文は、そんな雰囲気を締めくくる名文だったと思います。

あらすじ通り、賑やかで暖かい世界観が吹き寄せてくるようでした。

[気になる点]
孵化学研究会、根暗主人公といった設定が活かしきれていないのと、短編に収めるためか時間が大きく飛んだのが気になりました(そういったことは多くの作品で描かれているから想像にお任せ、という考えもできますが)。

それにセリフの多さと長さは、賑やかにしても多少鬱陶しく感じます。最後の「かつての先輩との間に産まれたものは、かくも騒がしい日常だったのだ」という穏やかな終わり方が、直前にある看護師さんのシャウトのせいで性急に思われました。

一応誤字報告をば。
冒頭、文科→文化
[一言]
呑竜さんの他作を読んでいないのでそれを踏まえたことは言えませんが、ハイテンションなシーン以外は読むのが楽しいものでした。

長々失礼しました。参考になれば幸いです。