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[良い点]
地の文がちゃんと出来ている感じがしたので、一次落ちでよく言われる「日本語が出来ていない」というのはあまり考えなくても良いと思う。
プロローグのところに気になるシーンを持ってこようとしたのはちゃんと考えてある感じがしてとても好感が持てた。
シーンも細かく分割されていて、読んでいて長くて疲れるというのはあまり無かった。
[気になる点]
このまま続けていけば、必ず伸びる感じがしたので、かなり細かい所を突っ込ませてもらう。

まず話の内容と長さが一致していない。
電撃の1P=脚本の1P=アニメや映画の1分
大体そんな感じだと言われている。
1話完結型の30分アニメを見てもらえばわかると思うけど、意外と内容は入る。
どこが必要で、どこが不必要なのかちゃんと取捨選択をすれば、この話は半分のページ数でいけると思う。例えば、浮浪者が襲われるシーンまで、全部カットしても問題はないはず。主人公やキャラ、舞台の説明に何ページも割かずに話を進めよう。設定はあとで少しずつ本文に塗り込んでいく形にしよう。

また、キャラクターの造形やモチベーションの描写が希薄過ぎて、特に主人公は「なんでこいつ一緒に戦っているんだ?」となっていたので、各キャラクターのモチベーションは必ず強烈なものを用意して描写した方が良い、特に主人公は早めに説明を。

キャラクターに関して、他の人の作品もそうなんだけど、キャラクターに癖とかの「こういう行動をしたらコイツだな」みたいなのがあると良い。数行ずつ読み飛ばしても「あ、今こいつがシーンに出てるな」と分かるものがあるとキャラの個性が出て良いよ。

シーンの描写についてだけど、せっかく上手いのだから、濃淡をつけると良いよ。
特に戦闘シーンだけど、通常の描写と同じ感じになっているから、読んでいてスピード感を感じられない。文章をシンプルにして、体言止めを多用するとスピード感を演出できるからそういうテクニックを使っていくと良いと思う。

各シーンについてだけど、ハッキリ言って要らないシーンが多い上に、各シーンが非常につまらない。
何故かと言うと、緊張感や気になる要素が無いから。
全てのシーンに「この後どうなるんだ」っていうことを付けていこう。そのシーンの中で解決される気になる要素、次のシーンを読ませるための気になる要素、それぞれあると良いかも。
例を上げると、プロローグのシーン。「最初は死体を転がしておけ」とよく言われるけど、それを実践していて「おぉ」とは思ったんだけど、「で?」ってなってしまった。
危機的状況で気になりはするのだけど、それがどう話に繋がってくのか、この話の目玉は何なのか、など「何かヤバそうなのが始まるぞ!」というワクワク感が無い。バックストーリーを描写しただけになってしまっている。もっと長く書いて病院のベッドで復讐を誓うところまで描写して良いと思う。そしたら「なんか始まりそうだ」って感じになると思う。

視点について
最初のプロローグの3行を見てもらうのが良いのだけど、1行毎に視点が切り替わって、どういうシチュエーションを想像して良いのか物凄く迷うし、頭を使う。
1行目は「辺りには~」で冬の景色を想像し、二行目の「丘の上の豪邸~」でそこに丘と豪邸を想像する。しかし3行目の「辺りには~」で家の中なのか、家のすぐ近くなのか分からない。人物の台詞のあとに、いきなり屋敷の中にカメラが切り替わって忙しなく感じる。
物凄く面倒で分かりにくい作業だとは思うけど、これがちゃんとしてあると読者がスムーズに読んでくれるから、気をつけると良いと思う。

今度は大枠の話で、この話のテーマが全くわからなかった。更に、主人公やヒロインがこの話を通して何を手に入れたのか、どう変わったのかが全くわからない。
これらの要素がないと、読み終わったときの満足感が物凄く希薄で記憶に残らない話になりやすいから、ちゃんと設定して強調しよう。ハリウッド映画なんて最初の5分でテーマを明言しないと即ボツ原稿らしいから、一度何か映画を見ると良いよ。

物語構成を考えて、起伏をもっと細かく付けて行くと良い感じ。ジェットコースターと同じで何度も上下させないと平坦な話に感じられちゃうから、各シーンの中でも起伏を付けよう。もちろん全体もシンデレラ曲線だとか3幕構成だとか色々言われているあのラインに沿って起伏を配置しよう。
ハリウッド映画みたいに、初っ端からアクションシーンを持ってくると、話に勢いがついて読みやすくなる。
冗長なシーンや静かなシーンは極力少なく。

恐らく、主人公とかを「こいつ普通のやつです」アピールしたいと思うんだけど、これはフィクションかつバトルアクションモノのライトノベルだから長々と普通アピールとかしなくても大丈夫。異能の付加とかもっと事故的なシーンにして兎に角何かが動いているシーンにしないとテンポが下がってしまう。いっそ「こまけぇことはいいんだよ!」で押し切った方がスピード感と勢いが生まれて審査員にも好評なはず。
[一言]
今回、何故この作品が落ちたのかというと
・不必要な本筋前のシーン
・内容の濃度
・各シーン毎、全体のメリハリやフックが無い
・キャラクターの個性がやや薄い
・読み終わった時の満足感などが希薄
が多分理由だと思う。
自分も3年前に全く同じことをやって落選したから、めげずに頑張って欲しい。
地の文はちゃんとなってる感じはするから、話の構成をメインに直していくと良いと思う。(他の人も大体これ)
ダイマじゃないけど「SAVE THE CATの法則」シリーズに上で上げた問題点の解決方法が載ってるから、読んでみることをお勧めする。
効果は、今回俺が一次突破したからその程度は期待していいと思う。

色々書いたけど、別に正解というわけじゃないから、自分でベストな方法を見つけて作品に取り入れて欲しい。
  • 投稿者: スレから来た
  • 2017年 07月09日 07時24分
スレから来た さん:

この度は貴重なお時間をいただきありがとうございます。

「地の文がちゃんと出来ている感じがした」という感想、非常にうれしいです。
特にそこが気がかりでしたので……

「要らないシーンが多い上に、各シーンが非常につまらない」という意見、確かに私自身、書いているのがつまらないなあと思うシーンが多々ありました。
作者が書いていてつまらないならそれは読者にとってもつまらないのだと心に留めて、次回は起伏・フックを意識して書いていこうと思います。
(心霊スポット探索なんかは完全に私の趣味でしたし……)

「1行毎に視点が切り替わって分かりづらい」という意見、盲点でした。スムーズに書けるように意識していきたいと思います。

「キャラクターの造形やモチベーション」および「この話を通して何を手に入れたのか、どう変わったのかが全くわからない」については非常に痛いところをつかれたなという思いです。
特に主人公については私自身「こいつは何がしたいのだろうか。全然動く要素がないんだが」と非常に悩んでいた次第です。
(いっそFateの主人公である衛宮士郎というキャラクターのように、精神的に問題のある設定にしてしまおうかと思ったほどで……)
今回書きたかったのは作中に登場した司およびエンジェルによる「仕返し」でした。
「自己責任だ」などという言葉で虐げられる立場の弱い人々が、逆に立場の強い側となり「仕返し」をする。
それが書きたかったのですが、なかなか主人公でもないこともあり、そのテーマを前面に押し出すこともできず、また結末に関しても後は物語の幕を引くだけといった具合に特に何もないまま終わらせてしまいました。
作りこみ、構成の甘さを痛感する次第です。テーマをきちんと明言するよう意識していきたいと思います。

「戦闘シーンの描写」、ややスピード感を意識したつもりではありましたが、完全に力不足でした。戦闘シーンのある小説を一度読み、勉強したいと思います。
(光・閃光って何度書くねんと語彙力のなさも痛感しました……)


この度は私の人生初小説をお読みいただき、誠にありがとうございました。
読んでいただけたという経験をモチベーションに、今後も何か書いていけたらと思います。
ただ、書くスピードがもう遅いというレベルを通り越しているレベルなものですから、電撃への再チャレンジはいつになるやらといった感じです……






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