感想一覧
▽感想を書く[良い点]
ご考察、興味深く拝読いたしました。
なろうの男性読者諸氏が「悪役令嬢」という存在をどのように眺めておられるのか、
その一端が伝わってきてとても面白かったです。
[気になる点]
余計なことだったらすみません。
「よい家柄の好奇な女性(令嬢、姫君)」→もしかして、「高貴な女性」では?
[一言]
私もあまり詳しいことは知らないので、あくまで個人的な意見なのですが。
ここ「なろう」において、言葉本来の意味での「悪役令嬢」からズレたお嬢様が量産されてしまった理由は、ご指摘の点よりもむしろ、以下の二点が大きいのではないかと思います。
まず一つ目。
普通、「婚約破棄」とセットで登場するような「悪役令嬢」は、そのキャラ(多くの場合、物語の主人公)自体は別に悪役でも何でもありません。前世において彼女が馴染んでいた小説、マンガ、乙女ゲームなどの中で、今の自分と同じ名前を持つキャラが「王子様から婚約破棄されるような悪役だった」というだけの話なのです。そのシナリオの中に転生してしまったから、自分もきっと「悪役令嬢」という役割を運命付けられているに違いない、と主人公自身が思い込んでいるだけ。つまりこの場合、「悪役令嬢」「婚約破棄」に加えてもう一つ、「物語世界への転生(前世の記憶付き)」という要素が重要な意味を持っているわけなんです。
前世ではごく普通の女の子、たまたまハマっていたゲームなり、マンガなりの中で「悪役令嬢」だった少女の立ち位置になぜか転生してしまった。このまま行けば自分は婚約者から見捨てられ、家も没落させられて悲惨な末路へと突入してしまう。さあ大変、どうやってそれを回避しましょ、というところから始まるから、物語の中での彼女はあくどいことや、ステレオタイプにヒロインをイビるようなことはできなくなるんですよ。時には立派な貴族令嬢となって高貴な方々の中に味方を増やし、時にはゲーム脳の転生ヒロインに誑かされる婚約者を優しく諭して正しい道に立ち返らせる。その結果、当然のことながら物語の結末では死亡フラグを無事回避してめでたしめでたし、と幸せになれるわけです。
「悪役令嬢」が悪役でなくなってしまったのは、この構図が大ヒットし、同じような設定の作品が数多く生み出された結果なのではないでしょうか。その意味では、長らく累計ベストテンの上位に名を連ねている超人気作品の影響が大きいと思います。あのお話があまりに面白かったために、この展開が多くの読者から支持され、「悪役令嬢」「婚約破棄」という女性向けテンプレが生まれた。これが、私の考える二点目の理由ですね。
前世の記憶の中ではなく、物語中で婚約破棄されるパターンというのは、むしろ悪役令嬢モノとしては後発なのではないかと思います。エッセイで上げられている③のケースは、悪役令嬢が陥る不運を強調する要素として、いつしか象徴的に使われるようになったのでしょう。ゲーム脳ヒロインや、攻略対象に対してのみいい顔をする悪徳ヒロインなどは、初期の頃はあまり見かけなかったような気がします。あくまで私の印象ですが、以前はむしろ、ゲームや小説通りの健気で頑張り屋の可愛いヒロインが多かったように記憶しているんですが。
もちろん、書籍化された作品(たぶんアレだと思います)で活躍した悪役顔お嬢様のような例も数多くあるでしょう。でも、「悪役令嬢が悪役でなくなった理由」を探すには、そういった王道物語から派生したルートだけでなく、上記のようなルートも併せてお考え頂けると理解しやすいのではないかな、と考えた次第。いずれにせよ、男性読者の皆様にとっては違和感ありまくりなのも仕方ないかも知れませんね。
あと、「男がポンコツすぎる」というのは私も全面的に賛成。書き手としてひとこと言わせて頂ければ……この手のポンコツ男、書いてる分には非常に楽しいんですよ。私も自作でやりましたが、「どこまでダメな奴にできるか」を作者の皆様方がノリノリで競い合っている部分もあるのかな、なんて。その点はギャグとして、寛大な心で許して頂けるとありがたいです。
あまり上手く説明できなくて、予期せぬ長文になってしまい申し訳ありませんでした。
できればこれからも、「なろう的悪役令嬢モノ」をどうぞご贔屓に!
ご考察、興味深く拝読いたしました。
なろうの男性読者諸氏が「悪役令嬢」という存在をどのように眺めておられるのか、
その一端が伝わってきてとても面白かったです。
[気になる点]
余計なことだったらすみません。
「よい家柄の好奇な女性(令嬢、姫君)」→もしかして、「高貴な女性」では?
[一言]
私もあまり詳しいことは知らないので、あくまで個人的な意見なのですが。
ここ「なろう」において、言葉本来の意味での「悪役令嬢」からズレたお嬢様が量産されてしまった理由は、ご指摘の点よりもむしろ、以下の二点が大きいのではないかと思います。
まず一つ目。
普通、「婚約破棄」とセットで登場するような「悪役令嬢」は、そのキャラ(多くの場合、物語の主人公)自体は別に悪役でも何でもありません。前世において彼女が馴染んでいた小説、マンガ、乙女ゲームなどの中で、今の自分と同じ名前を持つキャラが「王子様から婚約破棄されるような悪役だった」というだけの話なのです。そのシナリオの中に転生してしまったから、自分もきっと「悪役令嬢」という役割を運命付けられているに違いない、と主人公自身が思い込んでいるだけ。つまりこの場合、「悪役令嬢」「婚約破棄」に加えてもう一つ、「物語世界への転生(前世の記憶付き)」という要素が重要な意味を持っているわけなんです。
前世ではごく普通の女の子、たまたまハマっていたゲームなり、マンガなりの中で「悪役令嬢」だった少女の立ち位置になぜか転生してしまった。このまま行けば自分は婚約者から見捨てられ、家も没落させられて悲惨な末路へと突入してしまう。さあ大変、どうやってそれを回避しましょ、というところから始まるから、物語の中での彼女はあくどいことや、ステレオタイプにヒロインをイビるようなことはできなくなるんですよ。時には立派な貴族令嬢となって高貴な方々の中に味方を増やし、時にはゲーム脳の転生ヒロインに誑かされる婚約者を優しく諭して正しい道に立ち返らせる。その結果、当然のことながら物語の結末では死亡フラグを無事回避してめでたしめでたし、と幸せになれるわけです。
「悪役令嬢」が悪役でなくなってしまったのは、この構図が大ヒットし、同じような設定の作品が数多く生み出された結果なのではないでしょうか。その意味では、長らく累計ベストテンの上位に名を連ねている超人気作品の影響が大きいと思います。あのお話があまりに面白かったために、この展開が多くの読者から支持され、「悪役令嬢」「婚約破棄」という女性向けテンプレが生まれた。これが、私の考える二点目の理由ですね。
前世の記憶の中ではなく、物語中で婚約破棄されるパターンというのは、むしろ悪役令嬢モノとしては後発なのではないかと思います。エッセイで上げられている③のケースは、悪役令嬢が陥る不運を強調する要素として、いつしか象徴的に使われるようになったのでしょう。ゲーム脳ヒロインや、攻略対象に対してのみいい顔をする悪徳ヒロインなどは、初期の頃はあまり見かけなかったような気がします。あくまで私の印象ですが、以前はむしろ、ゲームや小説通りの健気で頑張り屋の可愛いヒロインが多かったように記憶しているんですが。
もちろん、書籍化された作品(たぶんアレだと思います)で活躍した悪役顔お嬢様のような例も数多くあるでしょう。でも、「悪役令嬢が悪役でなくなった理由」を探すには、そういった王道物語から派生したルートだけでなく、上記のようなルートも併せてお考え頂けると理解しやすいのではないかな、と考えた次第。いずれにせよ、男性読者の皆様にとっては違和感ありまくりなのも仕方ないかも知れませんね。
あと、「男がポンコツすぎる」というのは私も全面的に賛成。書き手としてひとこと言わせて頂ければ……この手のポンコツ男、書いてる分には非常に楽しいんですよ。私も自作でやりましたが、「どこまでダメな奴にできるか」を作者の皆様方がノリノリで競い合っている部分もあるのかな、なんて。その点はギャグとして、寛大な心で許して頂けるとありがたいです。
あまり上手く説明できなくて、予期せぬ長文になってしまい申し訳ありませんでした。
できればこれからも、「なろう的悪役令嬢モノ」をどうぞご贔屓に!
桂木 玲さま、感想、ご指摘、ありがとうございます。
>好奇→高貴です。誤字です。ご指摘ありがとうございます。
こんな若造のエッセイを読んでいただけるだけでなく、さらにご指摘、ご意見をいただけるのはうれしい限りです。
>マンガなりの中で「悪役令嬢」だった少女の立ち位置になぜか転生してしまった〜。
その当たりの裏話というのは、さすがに耳に入ってきませんでした。さすが、書いてらっしゃるとやはり違うものなのだと思います。貴重なお話、ありがとうございます。だいぶ自分の認識が違う、というか、やっぱり実際に物語を作っている方の目線からのご感想というのは、私にとっても目が開く思いです。私が認識していなかったようなことを仰ってくださっているので。
>ポンコツ男
目を限界まで見開いたあと、目薬をさしてもう一度見てみました。文字は変わりませんでした。どこまでダメ男にできるか、ということを考えてつくっているのですか!? という感じです。
私ができるだけヒロインを魅力的に見せようとするようなものなのでしょうか。
「悪役令嬢モノ」は(自分の好みにあえば)どんどん読んでいきたいとおもいます!
かさねて、感想ありがとうございました!
>好奇→高貴です。誤字です。ご指摘ありがとうございます。
こんな若造のエッセイを読んでいただけるだけでなく、さらにご指摘、ご意見をいただけるのはうれしい限りです。
>マンガなりの中で「悪役令嬢」だった少女の立ち位置になぜか転生してしまった〜。
その当たりの裏話というのは、さすがに耳に入ってきませんでした。さすが、書いてらっしゃるとやはり違うものなのだと思います。貴重なお話、ありがとうございます。だいぶ自分の認識が違う、というか、やっぱり実際に物語を作っている方の目線からのご感想というのは、私にとっても目が開く思いです。私が認識していなかったようなことを仰ってくださっているので。
>ポンコツ男
目を限界まで見開いたあと、目薬をさしてもう一度見てみました。文字は変わりませんでした。どこまでダメ男にできるか、ということを考えてつくっているのですか!? という感じです。
私ができるだけヒロインを魅力的に見せようとするようなものなのでしょうか。
「悪役令嬢モノ」は(自分の好みにあえば)どんどん読んでいきたいとおもいます!
かさねて、感想ありがとうございました!
- 魚島大
- 2017年 07月09日 21時34分
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