感想一覧

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[良い点]
読ませていただきました。

愛と苦悩を秘めながら過ごした何十年という月日の孤独が、3500文字の中にしっかりと込められていて、素晴らしいなと思いました。

作中には「僕」の思いがギュッと詰まっているのですが、特に「アナタの、僕との枝分かれの先に咲いた、花」というのがひどく刺さりました。
赤ちゃんをかわいいと、美しいと、神々しいとさえ思うけれど、それは自分と「アナタ」の間のものではない、というそこに大きな孤独が見えた気がします。
赤ちゃんの手を引いて「アナタは孤独じゃない」と語るその裏に、「僕」自身の孤独が感じられ、「僕は孤独だ」と直接書かれるよりもずっとずっとその孤独の重さが伝わってきたように思います。

そうしてそれが葬式の場面にも繋がっていき、気づけば「アナタ」はたくさんの子どもや孫に囲まれていて、そこに「僕」の入る隙間がない。
長い月日、共有できなかったものの重さが感じられました。

けれど、ここに孤独が極まったかに思えた時、「僕」が吐き出した蝶がとても鮮やかに作品を色づけてくれました。
枝の先に美しく咲き誇った花たちとは違う、二人だけの愛の形というのが鮮烈に視覚化されていましたし、それまでの長く深い孤独の先に描かれたからこそ、ささやかでもとても切なく印象的でした。

また、「僕」が可哀想なだけでなく「アナタ」の両親が亡くなったことを密かに喜んだり、赤ちゃんに対して皮肉めいたことを言ったりと、感情の生々しさが見えたのも、良かったです。
リアルな感じが強まって、より語り手に寄り添えた気がします。

最後に、私は「ブロークバック・マウンテン」という映画が好きなんですが、なんだかちょっと思い出しました。
ホモフォビアが当然の社会の中で、カウボーイ同士のの二十年に渡る愛を描いた作品なんですが、題材だけでなく、長い月日の重さと苦悩が近い気がして…。
映画オタクなので、好きな映画を彷彿とさせてくれたという意味でも、とても心に残る作品でした。

長々すみません。
ありがとうございました。
  • 投稿者: 退会済み
  • 30歳~39歳 女性
  • 2017年 09月03日 09時30分
管理
Zooeyさん、【今から蝶を吐きます】へ感想をありがとうございました。
とても丁寧な感想を頂いたのにもかかわらずご返信が大変遅くなりまして申し訳ありませんでした。
短い短編の中に、たくさんのものを拾っていただいて感激しております。
孤独はあっても、報われなくても離れられない二人を、最後まで愛でていただいて嬉しく思います。
映画がお好きなんですね(*^^*)梨鳥も好きです!
でも、仰る作品は知らないので、今度観てみようと思います。
好きな作品と重ねて頂いて大変光栄です。
とても嬉しい感想をありがとうございました。
涼しく過ごしやすくなって来ましたので、ご活躍を期待しております。

ではでは、遅くなりまして申し訳ありませんでした。

梨鳥ふるり
[良い点]
昭和のモダンな、超時間的な不思議な世界にいざなわれたようでした。
ラストシーンは、在りし日の二人が着流しで戯れてる姿が勝手に浮かびました(笑)

「役者になり切った女形の鼻や口に吸い込まれて行きまして、二度と返って来ませんです。でも僕はですね、それが羨ましいです。」
この部分が、届かない憧れを表しているようでとても印象的でした。

素敵な作品を読ませていただきました。ありがとうございます。
もぃもぃさん、【今から蝶を吐きます】へ感想をありがとうございました。
ラストシーンも教えて下さって嬉しいです。
着流しなんて、色っぽいですね(/ω\)
吸い込まれて戻ってこないのを羨ましく思う部分を印象的と言って下さってありがとうございます。
演技中の息遣いに吸い込まれる事が出来たら素敵だなぁ、なんて、僕は思っているんじゃないかな、と想像しました。

読んで頂き感想までありがとうございました!
雨の多い夏ですが、もぃもぃさんにとって良い夏になりますように。

梨鳥 ふるり
[一言]
綺麗だと感じました。
其の在り方に負い目を感じながらも、疑問をもたなかった貴方の姿を綺麗だと感じました。
とても真似はできませんし、するつもりも御座いません。
一観客として見させてください、覗かせてください。
私もきっと似たような性格で、それでも貴方のようには生きられない傍観者。
楽しませて頂きました。
ささやかながら、拍手を送らせて頂けましたら幸いです。

  • 投稿者: 珈琲
  • 2017年 07月17日 20時36分
珈琲さん、【今から蝶を吐きます】へ、感想をありがとうございます。
入り込んで頂いたみたいで、嬉しいです。
綺麗と感じて頂けてほっとしております。
負い目を感じながら、疑問を持たなかったって、凄い良いですね。作中で使いたいくらいです!
梨鳥には思い付けなかったフレーズです。ちょっと嫉妬しちゃいます。
楽しんで頂けたとのお言葉、ありがとうございました。嬉しいです。
拍手も、ありがとうございます(泣)

ではでは、連休の終わりに嬉しい気持ちにさせて頂き、ありがとうございました。

梨鳥 ふるり
[良い点]
レビューからきました。昭和というか大正というか、雰囲気が凄いですね。
[一言]
僕とアナタの切ない、悔しい、幸せ、その他いろいろと混ざった感情(僕の語彙力不足)が、胸の下の方で残ります。

そしてどこかで、それでも良かったね、これからは一緒だね、と二人以外誰もいない舞台上と舞台前の最前列の席で交代しながら舞い、扇子から金粉をだし、ちょっとした埃を吸い込みながら、微笑んでいるような気がしました。

読んでてむねの下に残る、良かったと言える作品です。
アトリエスタさん、『今から蝶を吐きます』へ感想ありがとうございます。
雰囲気、楽しんで頂けたなら嬉しいです。
一言に書いてくださった全部が、それと書かずに表現したかった事だったので、感じて頂けてヨッシャとなっております。
『それでも良かったね』って良いフレーズですね……。素敵です。ありがとうございます。埃のところも、出して頂いて嬉しいです。
素敵なラストシーンをありがとうございます゜+.(*ノωヾ*)♪+゜

良かったと言って頂けて嬉しいです。
ありがとうございました。

梨鳥 ふるり
[一言]
BLの文字に少しうっ……となったのですが、「でも梨鳥さんだから」と信じて読みすすめました。
……信じて良かった。
自分も物書きの端くれであるというのに、この感覚を、心に住み着いた感情を、言葉に表す事ができません。
『愛』という言葉では到底表現しきれない二人の生き様が、心に焼き付いて離れないのです。

このような素晴らしいお話を読ませてくださって、ありがとうございました。
今私に言えるのは、ただそれだけです。
福山さん、【今から蝶を吐きます】へ感想ありがとうございます。
雲の上の人になっちゃった気がしていたので、嬉しいです(´;ω;`)
お元気でいらっしゃいますか? 梨鳥はボチボチです。
ああ、しかも梨鳥だからって……泣かせにかかってくる……。初めて作者買い(無料)してもらった……(?) と、勝手に解釈して喜びます。
あなたの信頼を裏切らずに済んだ様で、嬉しいです。
二人の生き様を、心に焼き付けて下さってありがとうございます。
是非、心の片隅にでもヒラヒラ舞わせて下さい。

こちらこそ、お忙しい中ありがとうございました。
身体に気を付けて、頑張ってくださいね!
梨鳥も背中を追ってがんばります!
ではでは。


梨鳥 ふるり
[良い点]
地の文でこんなに雰囲気を醸し出す作品は初めてで、感激しています。日間ランキングを眺めていた際、タイトルが気になって思わず開きました。BLモノとのことで一度はブラウザバックしましたが、どうしても気になり最初の文だけ……気付けば読了していました(笑)
この雰囲気を正確に言葉にすることができないので、心に何かを訴えかけられた作品とだけ。BLというカテゴリで敬遠してしまうのは勿体無い、男にも読んでほしい作品です。
[気になる点]
あえてそうしているのかもしれないですが、最初の段階に改稿なくて少しだけ戸惑いました。ですが文章力でカバーされていて、読み心地は変わらないと思います。
[一言]
作者様の他の作品も読んでみたいと思いました。これからも応援します!
ミーさん、【今から蝶を吐きます】へ感想ありがとうございました。
一度ブラウザバックして、戻って来て下さってありがとうございます!
BLモノは梨鳥も苦手でして(この話を書く為に挑戦しました。今後は多分、書かないと思います)お気持ち分かります。梨鳥なら読みません。本気でありがたいです……。ありがとうございます。
最初の文から最後までお付き合いくださって嬉しいです。
いきなり変なポエム調の語り掛けに、何事かと思われたと思います。ありがとうございます。

語り初め部分の一字下げ、もしくは改行をしなかったのは、意図的にやりました。
「う」っとなるとは思いましたが、内容が説明なので一気に語らせないと活字を追う目がダレると思ったのと、口調に慣れて頂く為です。こういう語り口調で語ります、という自己紹介みたいな感じです。

男性にもおススメとのお言葉、ありがとうございます。
他の作品も、お暇な時にお楽しみ頂けたら嬉しいです。
応援ありがとうございます。

ではでは、気持ちを伝えて下さってありがとうございました。

良い休日をお過ごしください!

梨鳥 ふるり
[良い点]
たっぷりと含まれた昭和文学の雰囲気と
美しく儚げで情緒溢れる文章がお互いを見事に惹き立てていると思います。

途中から物語を読んでるのか自分が飲み込まれてるんだか解らず
読み終わった今でも不思議な酩酊感を味わっています。

素晴らしい退廃美でした。

  • 投稿者: 赤崎桐也
  • 男性
  • 2017年 07月15日 16時23分
赤崎さん、【今から蝶を吐きます】へ感想をありがとうございます。

嬉しいお言葉の数々、ありがとうございます。
BLタグが付いているので、そんなに読まれないだろうなと思っていたのですが、男性からもお言葉を頂けて嬉しいです。

≫途中から物語を読んでるのか自分が飲み込まれてるんだか解らず

舞い上がってしまいます。嬉しくて。ありがとうございます!

夜遅くのご返信で申し訳ございませんでした。
頂いたお言葉、今後の励みに致します。
どうもありがとうございました。

良い朝をお迎えください。


梨鳥 ふるり
[一言]
すごかったです…。

見たことのある題材な気がするのに、独特な語り口や場面転換に踊らされて、見事にゆらゆらと最後まで躍らされました。愛の形を限定されがちな人の世にありながら、自分たちだけの愛を貫いた姿に脱帽です。

人の一生とはなんと儚く(実際の作中時間は何十年、と主人公には狂おしいほど長かったかもしれない)、なんと輝かしいのだろう…と余韻に浸っています。ありがとうございました。
  • 投稿者: 甲姫
  • 2017年 07月15日 01時09分
甲姫さん、【今から蝶を吐きます】へ感想ありがとうございました。

すごかったですか……勿体無いお言葉ありがとうございます。

最初から最後まで、一緒に踊って頂き、光栄です。
BLが実は苦手でして、でもちょっと書いてみようと思い至ったのですが、書けるか不安でした。なので、お言葉嬉しいです。
そうそう、作中では狂おしい程長かったと思います。でも、穏やかな時間もあったと思います。そういうのも、「僕」から滲み出させれたら良かったなぁと思いました。
苛烈なだけな人生じゃなかったですよ、きっと。
余韻に浸って頂けて嬉しいです。(なるべく長く続きます様に(笑))

ご返信遅くなりまして、大変失礼いたしました。
楽しい連休をお過ごしください。
重ねてありがとうございます!

梨鳥 ふるり
[良い点]
近く、そして遠くにも感じる場所で「アナタ」を見つめている「僕」の感情が、ときには静かに、時には狂おしいほどの熱をもって押し寄せてきました。
たった三五〇〇字。その中に、僕の人生がぎゅっと詰まっていて、まるで走馬燈のように廻り、読後は何とも恍惚とした気持ちになりました。

彼が幸せだったのか、そうでなかったのか。彼の独白を聞いた者たちは、賛否両論の意見を彼に投げかけるかもしれません。
しかし私は、熱も毒もすべてのみこんで、そして吐き出す彼の生き方(きっと、不器用な彼にはアナタを見つめる生き方しか出来なかったのでしょうが)がとても愛おしく感じました。
表だって隣には立ってはいられなかったのでしょうが、寄り添う二人が愛しく、これほどまでに誰かを想える僕のことを羨ましくも感じました。

すべてが綺麗な物語ではない。けれども、清さも汚れも、包み隠さず見せてくれた。そんな僕と、この物語をとても愛しく感じます。
[一言]
たくさん心を揺り動かされました。

書いて下さり、ほんとうにありがとうございました。
  • 投稿者: 三茶 久
  • 女性
  • 2017年 07月14日 21時56分
三茶さん、【今から蝶を吐きます】へ感想をありがとうございました。
お返事遅くなり、大変申し訳ございませんでした。

作品内の静かさと熱を感じて頂き、ありがとうございました。
あの語り口調で、どこまで伝えられるか少し不安でしたので、引き込む事が出来て嬉しいです。
半生(くらい)を描くのに、多くのシーンを考えましたが、結局お伝えしたい事はこれだけでした。読後感も、ありがとうございます。
二人を愛しく感じて頂いて、ありがとうございます。
清さも汚れも等しく愛しんで下さって嬉しいです。
「僕」と「アナタ」の激しい部分ばかりを描きましたが、「バレませんよ」なんて隠し通しちゃう二人なので、割とケセラセラな部分もあったんじゃないかなぁなんて思います。
幸せだったかどうかは、お好きにご想像ください。
「僕」が「我が人生に悔い無し」だった事は、こっそりお伝えしておきます。

こちらこそ、二人へ愛のあるお言葉ありがとうございました。
楽しい三連休をお過ごしください!


梨鳥 ふるり


[良い点]
 特殊な世界に身を浸してきた人の老境である、ということを強く感じさせる語り口にまず引き込まれます。あたかも明治、大正といった時代、花柳文学を思わせるような香気がありました。古びた印画紙のモノクロ写真を見るような。
 素人が舞台を披露することにかかる費用の持ち出しといった問題から書き起こすリアルさと、三味線の周囲に漂う猫の声という幻想。
 文中に蝶の姿が具体的に書かれるわけではないのに、確かに虚空を絡み合って飛ぶ二羽の蝶が見えました。
[気になる点]
・ぶよぶよしたゼラチンにかかる密の

→ 蜜、でしょうか?
[一言]
 男として子をもうけ子孫を繁栄させつつ、女形として女の姿をもとってその両極を行き来する「アナタ」と、男にも女にもなりえずにあわいを漂う「僕」との対比が絶妙でした。

 葬儀にもひっそりと会場の外から立ち会う「僕」の心情に寂しさと同時に、名残り雪が陽光にきらめくようなものを感じるのです。知らないはずの世界を懐かしいもののように味わう、哀感にあふれる一篇でした。長編作品の更なる更新もお待ちしています。
  • 投稿者: 冴吹稔
  • 2017年 07月14日 18時59分
冴吹さん、【今から蝶を吐きます】へ感想ありがとうございます。
語り口へのお言葉、凄く安堵しています。
感じて頂いた通りの世界観を目指したのですが、その際の一人称を綺麗なものにするとですね、伝え方が強くなってしまったので、困っていたんです。
そこであの口調にしました。親戚にああいう癖の方がいたのです。
しょっぱなから苦手意識を出されたら悲しいな、と思いつつ、良かった。冴吹さんありがとうございます!!
祖父が日舞や三味線が好きで、よく「僕」みたいな人と会場に行きました。明治大正を感じられたとしたら、日舞のせいという事で……。
書きだしは、素人の日舞しか知りませんので、じゃあそこの面白い所を……と、書きました。楽しんで頂けたら嬉しいです。

密、すみません、ありがとうございます。お返事を書き終えたら早速訂正いたします。

≫ 男として子をもうけ子孫を繁栄させつつ、女形として女の姿をもとってその両極を行き来する「アナタ」と、男にも女にもなりえずにあわいを漂う「僕」との対比が絶妙でした。

このコメント、凄く驚きました。そこまで嚙み砕いて下さってありがとうございます……!!とても嬉しいです。

蝶も見えたと言って頂けて、やったー! 
蝶なんかいないじゃん、なんて言われたら「冴吹さんが見えたって仰ってた」って、言おうっ。

深く読み込んで頂き、丁寧な感想までありがとうございました!!
連載もがんばります。
冴吹さんも頑張って下さいね!
ありがとうございました。

梨鳥 ふるり

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