感想一覧

[良い点]
一人一人、別視点にしたこと。
それぞれの立場で、この「婚約破棄」の一件への認識が違う。
公爵令嬢にとって「（責務を全うする同志としてさえ）愛されなかった」←ある意味、一番真っ当。
王太子にとって「愛を選んだ」
国王にとって「自分の選べなかった道を行く羨望する息子」
子爵令嬢……………………王族の愛＝エゴの「被害者」
[気になる点]
どんどん「ありふれていない」婚約破棄になっていくこと。

[一言]
読み進むうちに空恐ろしくなりました。
子爵令嬢は王太子のことを何とも思っていないし、それどころか会話も殆ど無かったというのに呪いを受けてしまう、と。
国王は羨ましそうだし元王太子も満足そうだけど、何か「美しくも哀しい私の愛のサダメ」などと自分に酔っているっぽいけど、一読者としてはこのどこまでも一方的な感じが薄ら寒い。
誰一人、子爵令嬢の意思など思い遣っていない……当の元王太子でさえ。

いやこれ愛じゃないから。愛じゃ無くてエゴだから。

子爵令嬢、徐々に人としての心も無くしていったんですね。恐ろしい。
彼女にとっては間違いなくホラー。