感想一覧

[良い点]
古くから伝わる大猿の言い伝えを扱った作品でした。
お婆ちゃんの話や村の歴史など、全てが無駄なくラストに繋がっていてゾクゾクしながら読ませて頂きました。
こういうホラーがもっと出てくれば良いのにと思わせて頂きました。

[一言]
好奇心に殺されたのか、言い伝えに殺されたのか。
ハーメルンの笛吹きでは足の悪い男の子が一人取り残される描写がありますが、主人公はバイトで取り残され、一命をとりとめたのかな、と思いました。
言い伝えは馬鹿にできなくて、正体は大猿ではないかもしれないけれど、その洞窟にいる何か、を思わせられる構成でゾクッとしました。
これで二千字ないのですか！コンパクトにまとまってて凄いと思います。

[良い点]
地味に話題になっている『山怪』という本を連想させます。
昔からの伝承と組み合わされた現代の怪。はっきりと正体が解らないところがいいです。

[良い点]
伝承に必須ともいえそうな土地の背景が丁寧に描かれていて、リアリティがありました。
土台に厚みがあるため、じっくりと物語に浸らせて頂きました。
[一言]
企画へのご参加ありがとうございます。
とても楽しく拝読しました。

作者様は怖くないと仰っておりますが、時間帯のせいか私が怖がりなのか、少し肝が冷えました（笑）
住民同士の関わり方が密接な地域ということで、警察や消防団の中にもその正体を疑う人がいたのではないか。そんな中で本作のように終わらせたのではないか。等々、妄想が膨らみます。
また、彼らは洞穴の『前』で見つかったのですよね。ということは――

はい、やはり怖いのです。
モデルになった実際の土地がありそうな、現実味のある田舎町の描写でした。
面白かったです。ありがとうございました。