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[良い点]
肖像画を描く猶予は三日間だけ、という状況の中、エレーナが何故マレアスを殺すに至ったのかという詳細までは語られないながらも、短編でも確かに彼女の人としての魅力を感じさせるような、とても精緻な表現だったと思います。
特に川底に光る黒い岩という一文は、聖母や健康的と先に語られていたエレーナの印象に一石を投じるもので、彼女の過去について色々と想像を巡らせたくなりました。
処刑を目の前にしても肺を汚したくないというエレーナの考えは歴史上の人物のエピソードを思わせますが、印象が違っている為にこの作品らしさがあったと思います。
今後の活動を応援しております。
ありがとうございます。

川底の岩のたとえは、執筆当時読んでいたギリシャ叙事詩の、具体的なイメージをともなった比喩表現に憧れて、自分でもやってみたくなって書いたものと記憶しています。
内と外のバランスというのは、やっぱり人物を描く上で大切なことだと思うので、初心に帰るという意味でたまにこの作品を自分で読みかえしてみるのもいいな……とも思っています。
[良い点]
人はいろいろな面を持つものですが、それをできる限り多方面からくみ取るのが、肖像画というものなのかもしれませんね。
特に、処刑に向かう囚人の最後の姿となれば、そこから読みとれるものも強烈だったのではないでしょうか。
淡々とした語り口の中に、そんな画家の感動が垣間見えて、おもしろかったです。
  • 投稿者: 花水木
  • 2019年 11月13日 01時20分
ありがとうございます_(._.)_


画家にもいろいろなタイプがいて、フォルムにこだわる画家もいれば、ありのままに描こうとする画家もいて、内面を見た目で表そうとする画家もいて。ここに登場させた画家は、バランスが絶妙って設定だったかな。
[良い点]
「暗殺の天使」と呼ばれた女性のモチーフでしたか? あれも帽子、というかボンネットタイプの帽子だった記憶です。
 いけないと解かっていながら犯す罪、その越境者を描いた画家は果報者です。
  • 投稿者: 惠美子
  • 40歳~49歳 女性
  • 2018年 08月02日 11時24分
感想ありがとうございます^^


そうですね、暗殺の天使です。(その呼び名の元となった詩を私は知らないのですが笑)

以前から書きたいと思っていたものではありますが、扉園さんというかたのブログ「メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-」というところでマラーの絵特集をリクエストしたところ、コルデー特集までやってくださいまして、それも参考にしつつ書いたものでした。
「真夏のリハビリ企画」に出したはいいものの、夏要素がないことに気づくという……しかも、ラストの雲も夏ではないw

フランス革命の一端を描くにはあまりにも無知なので、架空の王国と人物に置き換えましたが、いつかコルデー本人の登場するものも書いてみたいと思ってたり……
せめて、ご先祖さまだというコルネイユを読んでからにしようかな^^;
[一言]
感想返しありがとうございます。
正に本日がベアトリーチェ・チェンチの処刑日、偶然にも彼女も処刑前の姿を残していました。そんな日に見つけたので面白かったです。
  • 投稿者: バグ
  • 2017年 09月11日 20時19分
[気になる点]
ベアトリーチェ・チェンチかな?
[一言]
彼女は自分らの為に父親殺しをした人なんで違うか...
でも一応、貴族打倒の象徴のような扱いを受けてましたね。確か本日、落とされた首を持って現れているはずです。
  • 投稿者: バグ
  • 2017年 09月11日 19時42分
コメントありがとうございます。

ダヴィッドの描いた『マラーの死』という絵画をご存知ですか?
それがヒント、というか、ほぼ答えです。


ベアトリーチェ・チェンチ、
ピンとこなかったので検索しました(笑)
グイド・レーニ作とされている絵画は知っていましたが、そういう人の肖像画だったのですね。
[良い点]
初めは囚人の肖像なんかと渋っていた主人公がエレーナと三日間に渡って過すことで、畏怖と憧れを抱くまでになる様子が上手く描かれていたと思いました。
エレーナの目の表現からもエレーナの人柄が伺えるようで、これもまた綺麗な表現だと思いました。
挿絵も強い女性がよく描かれていました。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2017年 09月11日 11時58分
管理
感想ありがとうございます。

描きたかったことを読み取ってくださって嬉しいです。
目の表現にも注目していただけたようで。
3000字の中にうまく詰め込めて良かった(^^)


真夏のリハビリ企画、お疲れ様でした。
まだまだ残暑が厳しいですが、良い なろうライフを。
[一言]
挿絵、見せていただきました。

「麦わら帽の少女」とよく似ているけれど
ポーズをとってるのが疲れて反転しちゃったのかな?

(´ψψ`) ふふふ♪

それとも、ルノワールに描かれていた時より
リラックスできて楽しかったのかもしれないわね♪

とても生き活きと描かれていました。


子供の頃、鈴虫を飼ったことがあります。

夏から愛を語り合っていたペアは、
秋、産卵の栄養の為 

彼女は、どんなに煮干しを入れてあげても
彼を、食べちゃうの、、、

旧約聖書の解釈とは少し違うかもしれないけど、

捨て犬が、飼い主が捜しに来てくれるまで入る部屋が、毎日部屋ごと「ギギギギー」と、動くんだけど

それよりは、穏やかでロマンチックなひと時だけど、

3日 一緒に居て

情が移らず、

描けるのかな~

どうなんやろ、

なんか、悲しい話だと思いました。

スミマセン、
感想ありがとうございました。

確かに、悲しい話ではありますね。
ただ、エレーナにとっても、彼女の姿を絵として残すことになった画家にとっても、充実したひととき、というつもりで描きました。



実は、フランス革命に関する史実をモティーフとした話で、

処刑される女性が肖像画を所望して、描いてもらう

というエピソードはそのまんまなんですけどね(笑)
ヒントは、『マラーの死』



死に際しても穏やかで、それでいて頑固で強い部分もあって……、そんな人物を描きたかった。
そして、その人の人間性にフォーカスしていく画家の心情を描きたかった。

あえて恋愛的な表現は少なくしましたが、
おそらく異性としての魅力も感じていたのでしょう。


そう考えると、余計に悲しいですかね?

スミマセン。
[良い点]
死刑というものを前にして肖像画を描かせる女性(彼女が望んだのか望まなかったのかはわかりませんが)
限られた時間を「絵」に写し取ろうとしている画家。
この二人には妙な存在感がありますね。
その置かれた空間が私は好きです。
残された、という意味で残酷な砂時計の中なのに、すごく穏やかでした。
[一言]
読ませていただきありがとうございました。
  • 投稿者: 古都ノ葉
  • 女性
  • 2017年 08月27日 12時59分
感想ありがとうございます。

処刑前に肖像を描かせる女性という設定は、フランスの歴史から拝借した設定でした。
「外側の穏やかさと内に秘めた熱いものとが絶妙に混ざりあった人物」というのがテーマだったので、存在感や穏やかさを読み取っていただけて嬉しいです。
[良い点]
登場人物それぞれの個性が出ていて良かったです。
ユーディトの逸話は、絵にしている画家がえらく多いんですね。
最後の挿絵の色遣いがとてもきれいです。肌の色と、衣服の色が、引き立て合っていますね。
  • 投稿者: Kobito
  • 男性
  • 2017年 08月20日 15時03分
Kobito さま


感想ありがとうございます。

まさに、人物を描いた小説なので、そういってもらえると嬉しいです。

そのうえ、挿し絵を褒めていただけるなんて…
写実的な面からいえば、いびつなところもありますが、自分ではお気に入りの絵です。ただ、やっぱり絵をよく知ってる方、よく観る方から見たら、どうなんだろうな、と少し不安でした。
どうもありがとうございます_(..)_
[良い点]
主人公から見たエレーナの描写が世界観に合っていて、とても好きな表現でした。ロココの絵画、川底に光る黒い岩。私もこういった喩えができるようになりたいと強く憧れます。
物語への導入も素敵でした。
[一言]
企画にお寄せいただきありがとうございます。
三作品目、こちらも楽しませていただきました。

もうすぐ刑に処される人を見つめ続ける三日間。依頼を受ける前から描き終えるまでの心境の変化が限られた文字数の中で丹念に描かれていて、綺麗な移ろいを感じます。
また、暖色で描かれた絵も印象的です。御作の世界が深まって、併せて味合わせていただきました。

詩を含めてこれまで数作品拝読しておりますが、どれも異なった色合いですね。
作者様の描かれる多様な世界観に惹かれていく自分がいます。
佐井 千夜子 さま


感想ありがとうございます。
処刑前に肖像画を描いてほしいと頼んだ政治犯の女性というのは、歴史上実在していまして、そのエピソードをモティーフに、舞台となる国を置き換えて創作しました。

魅力的な人物というのは、他人から見て魅力的なわけだから、他人に語らせるのが一番。
モティーフとしたエピソードには、そういう他人が都合よくいて、しかも、対面してその姿を記録する「画家」という、人を語るにはまさに適した存在でした。
ちなみに、「煙草」というのは私の創作ですが、これまた、もととなったエピソードがあります。

情景などの喩えは、絵画的な表現を心がけています。
それは、梶井基次郎の短編『檸檬』のおかげでもあります。
絵画的表現に関しては、私としては初期作品(といっても数ヶ月前)のほうが自然に入れられていたかな、と思ってますが(笑)

挿絵に関しては、大好きなルノワールの絵を参考に描きました。なので、前半語っている「先輩画家」の評と違い、「穏やか」に寄りすぎたかもしれません。しかも、三日もかけていません(笑)
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