感想一覧

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[一言]
まず一詩人として、この詩の精神性および表現の中心を、ネット社会における自他の不明確さおよび独特の「引用」と認識した。この「引用」は、SNSでよくなされるように自己の参照を含み、 自他の言葉を峻別しないものである。
ここで私は、現代詩は現在の社会問題と共に存在するという立場に立っている。
DNAのWelq問題は、広範囲の著作権侵害が指摘され、賠償請求および該当サイトの閉鎖がなされたばかりでなく、多くのサイトとライターの間で引用の厳格化が進んだ。そして今キュレーション・メディアに対する賠償請求が進んでいる。
その中でこの作品を読むと、ネット社会で慣用的に行われてきた「引用」のあり方を本文中で提示すると共に、形式に則った脚注を付けて一般社会に適応させたように見せかけながら、その内実は著作権法の主旨を無視するという構造に見える。それが今のネット社会の現状だと言われればその通りだが、そういう批判性があるのかないのか、本文外に脚注として付けられると判別がつかない。無知? 無自覚? 居直り? 自虐? 皮肉? いずれにせよ凄まじい。

〉「難しい」「必要がある」「内容が薄い」「理解する」とは、どなたからのご意見としてわたしが受け取らなければならないのか、あるいは受けとるべき必然性がないのか。
何のために私が引用と参照を付けてきたのか、考えていただきたかった。
引用と参照は、自論と先行研究を明確に区別し、信頼性を担保するものであると、MLAをお使いの貴方なら目にしたことがあるのでは……。
とはいえ、信用性が乏しいなら、改めて補足する。
「難しい」「必要がある」「理解する」を含む「一般には、脚注は編集者が入れている場合もあり~十分な補足を行う必要があるだろう。」に関しては、実際に各文庫の夏目漱石集などに付けられた註を見比べてみるのが手近だろう。誰が付けたかわからない註から、編註との記載、註担当者の明記まで、文庫ごとに分かれている。これはその文庫が註を個人の著作物と見なしているかどうか、端的に示している。
「内容が薄い」……これは比較対照として直後に円城塔について言及している。

そして私は、肩書きを第一として詩論を読むという姿勢には賛同できない。本文と引用・参照を引き比べ、各記述の妥当性を吟味するのを読解の基本としている。
とはいえ、総じて私の文章が不足しているとのご指摘であれば、申し訳ないと言うよりない。

ともあれ、この詩の現代性は疑いようのないところだし、法令や規約をクリアしてほしいと心底思う。
重視する点は違っても、気持ちはきっと同じだ。
  • 投稿者: Jade
  • 2017年 08月24日 21時41分
あらら、あなたも相当ユニークなひとだね。ユニークなひとはきらいじゃないけど、ここは個別作品の感想欄だから、わたし個人への言及はほどほどにしておいてね。作者(私個人)への言及はメッセージ機能を使うほうが適切じゃないかと、わたしはおもうな。

ねんのため。理解しているとおもうけれど、貴方がこの作品の感想欄に感想を書き込むor書き込まない自由があたえられているように、わたしにも貴方の感想につきあわないことや、貴方のなかの独自リロンを契機にわたしが考える必然性がないことは、意識しておいてほしいな。あなたがたとえば原理主義者だったとしても、あなたに(ダール的な意味での)権力がなかりせば、あなた以外の他者が貴方に影響されなければならない義務はないのですからね。

なので、誠実なご対応はさせていただくつもりではあるものの、私事の繁閑もあるし、たとえばメッセージをくれたとしても、かまってあげられないときはご容赦くださいな。
  • 路瀕存
  • 2017年 08月24日 22時34分
[一言]
おっと、マイナーな言い方だったらしい。
欄外の自己参照表記とは、具体的には以下のことである。
(後書き)
注5:路瀕存「ふるえている」二〇一六年
注16: 路瀕存「鏡を割る」二〇一七年

ここで言う欄外は、投稿欄つまり本文に対する欄外である。
そして自己参照というのは、ネット・プログラミング用語的な自己言及を指している。

ついでにMLAのガイドラインだが、以下の文の解釈に相違が発生していると思われる。私はこのothersは他の人達だと思うのだが。
”When you directly quote the works of others in your paper, you will format quotations differently depending on their length. “
◆Purdue OWL. MLA Formatting and Style Guide. 2017.8.24閲覧
https://owl.english.purdue.edu/owl/resource/747/03/


さて、今回の本題。
〉メタになろうが詩の内部に取り込む方が望ましい。
これは、公募へ向けた話である。後に八木幹夫評を引用した意味を汲んでいただきたかった。

そして脚注を内部と見なせるのは、そもそもネットに註を入れる土壌がないからではなかろうか。
一般には、脚注は編集者が入れている場合もあり、厳密に自己の作品内部と言うことは難しい。
ネットでは、そもそも編集者があまり付かないため、脚注が付いていたら本人のものと理解する。加えて脚注自体が珍しいので、ネット詩では意図を伴う表現と見なすのもわからないではない。
しかし、一般に表現の一部であると言うためには、本文に組み込むか、さもなくば出典の羅列ではなく十分な補足を行う必要があるだろう。本作で補足にあたる注12は、注11の注であり本文との関連が薄いかつ内容も薄い。円城塔よろしく注の注でどんどん膨らませる方法もあるが、もともと目立たない自己参照がさらに紛れる。


最後に、判例を引用した意図について。この作品は、著作権侵害の恐れ(引用部分が括弧などで明確にされていないかつ必要最小限の引用に相当しない)があり、このサイトでは推奨されない。
【利用規約第14条禁止事項1】
当グループもしくは他者の著作権、商標権等の知的財産権を侵害する行為、又は侵害する恐れのある行為。

田中宏輔氏は言葉に対する明確な哲学のもと、自己の責任において公開している。
このサイトで続けるにしろ、公募を目指すにしろ、あなたも覚悟が問われる。
非常に厳しい書き方になってしまって申し訳ないが、著作権侵害は年末のWELQ問題のように大騒動に発展する可能性がある。確かな知識と信念を持った上で挑戦してほしい。

  • 投稿者: Jade
  • 2017年 08月24日 07時07分
まずは、拙作をお読みくださりありがとうございます。つぎに、Jadeさんが言及されている内容については、うーん、率直に申し上げると、判断に窮する、または現時点では受容いたしかねる、と言わざるを得ません。

わたしたちはたがいに異なる個でありますから、思想や信念が異なることは必然。しかしながら、今般の内容に鑑みますと、まず、Jadeさんが「誰目線」で語られているのかが判然としない。一読者さん? 私が投稿しているサイトの運営者さん? 私が公募に参加したサイトの選者さん? それとも法律屋さん? すなわち、「難しい」「必要がある」「内容が薄い」「理解する」とは、どなたからのご意見としてわたしが受け取らなければならないのか、あるいは受けとるべき必然性がないのか。貴方の立場がクリアにならないと、わたしはどなたからのご高説として耳を傾けなければならないのかが判らない。この手の話は、おそらく、立場の表明から始まるんでしょうね。

ただ、「挑戦してほしい」「健闘を心から祈る」というご意見については、どのお立場からいただくにせよ、ありがたいお言葉だと感じております。肩書きの不明な現在の貴方からのご期待には、必ずしも沿うことはできないかもしれないけれども、お読みいただいたことと、応援していただいていることについては、感謝申し上げたい。引き続き、異なる志のもとでそれぞれに頑張ろう。現時点では、このような感想を抱いております。
  • 路瀕存
  • 2017年 08月24日 08時37分
[一言]
この作品の凄まじいところは、引用から目的と権威性を剥奪し、リツイート感覚に叩き落としたところではなかろうか。

まず前提として。
「他の文献や資料から文や語句などの表現を借りることを引用という。
いかなる場合にも、引用は、誠実に行おこなわれなければならない。誠実な引用とは、自分のことばと他人のことばとを明確に区別するということである。」

◆『引用の方法』2017.8.23閲覧
http://web.ydu.edu.tw/~uchiyama/ron/ron_08.html

補足すると、小保方さんの事件以降、アカデミア全体で引用に関する運用が非常に厳格になった。
それ以前も、詩の引用に関してかなり厳しい判決が出ている。

◆「詩の引用」についての判例…著作権の重要判例
https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/m92781495/entry-10390144444.html

これらを踏まえると、あなたの引用は非常にリスキーな行為であり、公募等には向いていない。
しかし、これこそネット文化でもあり、あなたがその表出を目的とするならば、欄外の自己参照表記では厳しいだろう。メタになろうが詩の内部に取り込む方が望ましい。
そうすればまだ、「鏡を割る」という文言が強烈な皮肉と哀愁となって成立しえるだろう。
恐ろしいことに、本文中で鏡を割ったところで欄外にまた「鏡」が発生しているのである。
そしてそれが意図的か否か、欄外に自己参照表記を紛れ込ませた状態では判別がつかない。

八木幹夫評「奇を衒いすぎる。表現の奥行きは自らの想像力で試みよ。」との指摘は彼の立場からすれば妥当である。

一方ネット詩界ではどうかと言うと、田中宏輔氏の『全行引用詩』という作品が存在する。引用スタイルをネットで続けるならば、是非一度触れていただきたい。

あなたの健闘を心から祈る次第である。


  • 投稿者: Jade
  • 2017年 08月23日 20時15分
ご感想をいただき、また、ぜんたいてきに注意喚起?をいただいたようで、ありがとうございます。

〉欄外の自己参照表記では厳しい
おお…、まさかMLAの文末注にダメ出しをくらうとは思ってませんでした…。(不案内ですみません、欄外、と自己参照方式、というのは、ぐぐっても出てきませんでしたが、専門用語ですか?)

〉詩の引用
ありがとうございます。ご指摘のとおり、本文に引くときの厳密なルールでは、引用部に「」や“”をつけるべきですね。

〉田中宏輔氏の『全行引用詩』という作品が存在する。
おすすめありがとうございます。The Wasteless Landシリーズも全行引用詩上下とも本棚におさまっております。かねてより田中さんの実験的な詩がすきで、The Wasteless Landの引用詩(とくにphoo on the hillが好きです。ただ、ネットバージョンのほうが個人的には好みでした。)が面白かったので、発売前に予約してげっとしましたよ!

〉メタになろうが詩の内部に取り込む方が望ましい。
〉引用スタイルをネットで続けるならば、是非一度触れていただきたい。
うーん、もし、田中さんのスタイルのことをおっしゃているのであれば、私見ですが、田中さんの引用も、完全にするためには(出版年や出版社名も含めた)割注にすべきじゃないかなあ、と思ってます…。拙作についていえば、ご指摘の「内部」という点では、脚注も「内部」かと愚考しており、個人的には田中スタイルの弱点を文末注で補填したつもりだったんですが…。いかがでしょうか。

ともあれ、拙作をお読みいただきまことにありがとうございました。
  • 路瀕存
  • 2017年 08月24日 01時01分
[良い点]
お久しぶりです。本当に久しぶりに路瀕存さんの詩を読ませて頂くことができ、感動しております。奇を衒っているようには思えません。ある意味において「らしさ」が出ているように思いますが、これまでの御作品からすると、薄味なのかな、とも感じました。
しかしとは言え、直感的なものと思考的なものとの融合というのでしょうか、僕はそこに、路瀕存さんのすごさを感じるのですが、それはぜんぜん健在だなと、心躍らせました。
次回作も楽しみにしております。
ご感想を頂き、ありがとうございます。たいへんにご無沙汰をしております。

〉奇を衒っているようには思えません
そうなんですよ、自分としては、ぜんぜん奇をてらったつもりはなかったんですが。。

〉ある意味において「らしさ」が出ているように思いますが、これまでの御作品からすると、薄味なのかな、とも感じました。
ご指摘のとおり、文字制限の都合上、短めにまとめなくてはならず、さらにあの場所には散文ばっかりわんさかいたこともあり、いつもとは違うテイストになっているかなあとはおもってはいましたが、、そうかあ、パンチがたりなかったかあ、、ご指摘ありがとうございます。研鑽にはげみます!

こんごも引き続きよろしくお願いいたします。
  • 路瀕存
  • 2017年 08月24日 02時18分
[一言]
詩の一節をつなぎ合わせて詩をつくる新しい試み。

強極のアンソロジーだ。

知っている詩がある。

知らない詩がある。

興味深い一節がある。

読んでみなければと思う。(大成功…)

注8黒田三郎の僕等は数でしかなかったとの部分につながるかどうかわかりませんが彼の『引き裂かれたもの』一節を思い出しました。

一人死亡とは
それは
一人という
数のことなのかと
一人死亡とは

印象に残る詩であります。
  • 投稿者: 古流
  • 男性
  • 2017年 08月22日 22時14分
ご感想を頂きありがとうございます。

〉詩の一節をつなぎ合わせて詩をつくる新しい試み。ご感想を頂きありがとうございます。

〉詩の一節をつなぎ合わせて詩をつくる新しい試み。
〉強極のアンソロジーだ。
〉知っている詩がある。
〉知らない詩がある。
〉興味深い一節がある。
〉読んでみなければと思う。(大成功…)
にやにやしながら拝読いたしました。そうなんです、やりたかったのはまさにご指摘までで、能動的ではなく積極的な読みを誘発させたかった、それにつきます。逆に、そういう詩集があれば、すくなくともわたしはぜったい読みます。

〉『引き裂かれたもの』一節を思い出しました。
いま現代詩文庫が行方不明の遭難状態なので、なんとしても救助して拝読いたしたいと存じます!

このたびはたいへんにありがとうございました。
〉強極のアンソロジーだ。
〉知っている詩がある。
〉知らない詩がある。
〉興味深い一節がある。
〉読んでみなければと思う。(大成功…)
にやにやしながら拝読いたしました。そうなんです、やりたかったのはまさにご指摘までで、能動的ではなく積極的な読みを誘発させたかった、それにつきます。逆に、そういう詩集があれば、すくなくともわたしはぜったい読みます。

〉『引き裂かれたもの』一節を思い出しました。
いま現代詩文庫が行方不明の遭難状態なので、なんとしても救助して拝読いたしたいと存じます!

このたびはたいへんにありがとうございました。

  • 路瀕存
  • 2017年 08月24日 02時36分
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