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世界以外は添え物という意識です。

短編といえば人の感情の動きを細やかに描写するものが多いように思います。なので違うものに焦点を当てた話があって良いのではないだろうかという思いがありました。

この世界観が独特なものだとは思いません。霧が街を覆っている光景など、テレビを見ていればいつかは視界に入るものです。

そして人の創造し想像する世界はどんなに精妙に似せられていたとしても所詮は現実世界の戯曲に過ぎません。

リアリティを追求するのは、必要ですし大事です。ですが、私たちは創作者として一歩引いた見識も保持していなくてはならない。

その思いからあの世界は世界として一から生まれ出来上がったのではなく、そこに忽然と出現した人の群れと相成りました。


世界の創造神たる作者はそれを生かすも殺すも自由自在。だからこそ自分の世界を慈しみ育てて行けると良いですね。

自分ではそこまで哲学的な話を書いたつもりはなかったのにあらゆるところで哲学的と評されてきたこの作品。⋯⋯ 哲学的なのでしょう。

読了ありがとうございました！