感想一覧

[良い点]
いつもながら、豊富な語彙と読書量に裏打ちされた自由自在な文章で、非常に読み応えがありました。中川さんの作品は他の物もそうですが、語句のチョイスが「いいなぁ」と思うことが多いです。

話の内容に関しては、前作で割とアッサリ退場した朱河原が活躍していたのがまず面白かったです。強キャラ感とクセ者感を兼ね備えていていいですね。
それと、島崎くんの姿が連上と重なりつつも、彼女とは違った信念を持っていると言う描写が、主人公らしくて格好よかったです。前作も含め、話の展開ともリンクしているポイントだと感じました（それに気付くのが植村さんと言うことも）。
[気になる点]
黒幕への制裁が実質皆無なのが少し気になりました。何か罰が下った後で、あの人からのあの告白があってもよかったのかな、と。
[一言]
前作同様楽しませていただきました。
黒幕の正体予想してみましたが、全くわからなかったですw

一度読み終えてから序章を読み返してみると、その時点で意外と核心を突くようなことを言っていて驚きました。黒幕の思想と、物語の着地点がすでに示唆されていたんだな、と。

前作もそうでしたが、最後は登場人物の笑顔で締め括られるのがいいですね。とても読後感がいいと言うか、爽やかにまとまっていて。

Ⅲも期待してます！