感想一覧

[良い点]
まず、ストーリーの構成が良くできていると思います。
冒頭で主人公那智の「自身は幸せになってはならない」と言うテーマが示されます。起承転結の“起”ですね。

次に那智と親友和成、そして那智の想い人麗菜。二人の子供である亮斗と触れ合うシーン。幸せな家庭を築いた親友と、それを壊しかねない那智の秘めた想いが語られます。
友情と慕情との狭間で葛藤しながらも、自分を律しようとする那智の心情が緻密に描写されています。
この部分が“承”です。

そして“転”となる和成からの思わぬ問い掛け。
ここから一気にクライマックスに向かいます。

そして“結”。那智の拒絶を覚悟しての心情の吐露。そして普通とは違う形の幸せに気づくという結末は、見事に“起”で示されたテーマのアンチテーゼになっています。

５０００字程で非常に良くまとまっているなと思いました。
意図してこの構成を作られたのなら、かなりのセンスだと思います。

[気になる点]
非常に残念なのが、改行や文章作法の無頓着さです。
文字が詰まっていて非常に取っつきにくいです。内容が良いだけに本当にもったいないと思いました。

あと、良い点と少し矛盾するように感じるかもしれませんが、これが連載小説の第1話である事を考慮に入れると、スッキリまとまりすぎているのでは？と言う気がします。
次話への導入、引き込みが弱い気がします。
連続ドラマや、連載漫画の各話の終わり方なんかを参考にされると良いんじゃないかなと思いました。
[一言]
素人が長々と偉そうな文章で失礼しました。
これからも是非書き続けてください。