感想一覧

[一言]
読ませていただきましたー。
主人公の転落に至るまでの人生がとても丁寧に描かれている印象でした。エレクトーンへの執着は、私たち物書きの文字を書くことへの執着と類似するところもあるかもしれない……そうおもわされる作品でした。
好ましい作品とはだいたいさいごに余韻があるものですが、この作品もまたさいごの主人公の台詞で、主人公の哀れさと孤独、「到底ありえない、みんなに忘れられる、認識されない」という夢物語のはかなさを象徴していて、とてもよかったです。清々しいという意味ではなくよく構成されているという意味で読後感がよかったです。
孤独と偏執とはこわいものですね……。現代に生きるわたしたちの生きづらさも象徴されている、と感じました。
ではこれにて、感想を終えたいとおもいます。