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[良い点]
 そつがない、というのが第一の印象です。
 手馴れた筆致で描かれるたいこもちの滑らかな唇は、昔に伝わる話をうまく載せていて、こちらが目の前で聞いている気分になりました。
 こうした一人称のだいご味を堪能できるとは完全に予想外でした。
 文章も読みやすく理解しやすく、それでいて使われる用語はしっかりと世界観を見据えています。
 これはすごい。
 杉浦日向子さんの諸作品をほうふつとさせます。
 脱帽というほかありません。

[気になる点]
 読み本は読本として振り仮名を振ったほうがよいかもしれませんね。
[一言]
 文章をもっと洗練していって語りに乗せられるようになったら、これはもう講談本にいたりはしませんでしょうか。
 それほど衝撃的でした。
 こういう作品がなろうにあろうとは…。
 驚きすぎて感想が出てきません(笑)
 他の作品もぜひ読んでみようと思います。
 ありがとうございました。
  • 投稿者: 恋々
  • 2018年 04月17日 17時01分
 実の所、江戸時代を舞台にし、軽妙な語り口で綴るのは初めてです。わたしの綴るのは辛気臭い話の方が多いです。昔好きだった時代小説や時代劇を思い出しながらの執筆でございました。
 ヨミホンは成程と感じ、訂正しました。
 講談を目指していないですが、落語のご隠居のうんちくや昔ばなしらしくできたでしょうか。
 文章を洗練できるように今後も精進いたします。
 題名にあるとおり、毎月第一土曜日に、有志で『三十と一夜の短篇』の競作をしております。『お大尽』の時は「浪費」をお題にして、参加者でそれぞれ執筆しました。
 お読みくださり、感想をお寄せくださいまして、有難うございます。
[一言]
「紅花は朝早く摘まねばならず、摘むときに手を痛める」というくだりは、「おも◯でぽろぽろ」で知りました。手間暇かけて丁寧に摘み、長い時間をかけて運んできた紅。問屋たちの底意地の悪い考えで買い叩かれることがなくて、ほっといたしました。でもそこで、「よっしゃ儲かった!」で終わらない部分が粋なところなんですよね。まさかそんな風なお金の使い方をなさるなんて。後々まで語り継がれる行動、自分には到底思いつきません。

歴史的にも面白いお話で、かつ堅苦しくなく引き込まれる語り口が素晴らしかったです。
 紅花のドライフラワーを好奇心から触ったら、棘が刺さりました。棘のある花を朝早くから摘み取り、洗って、潰して、多分もっと工程があると思いますが、むしろに広げて乾かして紅餅に作り上げます。
 オレンジ色がかった赤い色。
 島田屋清風のお話はどこまで本当か解りません。でもそんな風に伝わっています。その島田清風に高尾太夫が惚れて、伊達の殿様に落籍されても喜ばなかったとまで尾ひれが付いているので、流石にそりゃ違うべよとなりました。清風が松尾芭蕉と交流があったのは本当です。
 日本には欧米式の社交界がなかったので、宴席に女性となると遊女や芸者となるので、ただ春を売るのとは違うとされていましたが、お金でどうこうされる身分。貸し切りの名前でお休みとご祝儀をいただけたとしたら、さいわいでございました。
 お読みくださり、感想をお寄せくださいまして、有難うございます。
[良い点]
紅を安く買い叩こうとした輩への粋な仕返しがなんともかっこいいです。
紅花を育てるのにどれだけの日が、運ぶのにもどれだけの苦労があると思っているのか。
儲けた金は吉原にっていう使い方もまた良かったです。

わくにとらわれない、いい男ですね。
 紅花を収穫して、紅餅に加工するのも女性なら、染め物織物、裁縫、化粧と使うのも女性が主。
 それを沢山消費してくれる吉原でお金を使ってくれた島田屋清風。面白い循環のさせ方でした。遊女の「見栄」や「張り」で鎧をつくった心を、俳句を嗜む風流から読み取っていたのかも知れませんね。
 吉原の大門締めきっての貸し切りは、紀伊国屋文左衛門もしたと伝説があります。本当に幾ら掛かったんでしょうね。江戸の中期に、太夫や格子といった呼び名の高級遊女はいなくなり、花魁と呼ばれるようになったとか。贅沢禁止が言われるようになってきたので、仕方ないでしょう。
 お読みくださり、感想をお寄せくださいまして、有難うございます。
[一言]
ふっかけで金を得て一気に使って名が残る。現代と形は違えどまさにビジネス。金絡みの恐ろしさと粋が共存する作品でした。

大金を得たらどうするかは決めているのですが、とても豪遊には使えません。
  • 投稿者: 暁 乱々
  • 2018年 04月07日 22時28分
 紀伊国屋文左衛門が蜜柑や材木で儲けて、吉原で豪遊した話も伝わっていますが、個人的にこちらの話が好きというか、伝承が近い所に残っていましたので、題材に使いました。
 金は天下の回り物と言いますが、同じ所をぐるぐる回っているのかしらと、少し悲しいです。
 島田屋清風、商売のリスクとリターンを心得ていたらしいアンド、儲け過ぎて恨まれない程度に振る舞ったの逸話です。
 太夫の身分の遊女は江戸中期には絶えたそうですが、時代劇の長襦袢にぴらぴらした打掛は嘘っこか余程安い楼のようです。フォーマル用の和服一式の値段を思えば、遊女の花代は高くないのだとしみじみです。
 お読みくださり、感想をお寄せくださいまして、有難うございます。
[良い点]
くたばれ中間マージンなお話で気味が良く、またそのお金の使い道がかっこいいです。こうなると、お金で名を買ったようなもので、こうして語り継がれていくわけですね。
[一言]
遊郭にまつわる話を書いてる身として、とても参考になりました。
商品作物の紅花を産地直売するには、販売先が別れるので、売りさばく土地の問屋さんが間に入らないとなかなか大変なんでしょう。今回はアコギ過ぎて島田屋清風の作戦勝ちになりました。
三浦屋の高尾太夫が清風の馴染みと、伝承もあるようで、そこは山形県の身贔屓のオハナシと眉にツバです。
紅花で作った口紅は塗り重ねると玉虫色の輝き、紅花染めは退色するので娘時代に作れば年増になっても着られると、複雑な楽しみ方があったようです。
遊女の豪華な振袖や打掛、帯をしょっちゅう新調しなくてはならないとは、貴婦人の夜会服は三回以上着てはならないと似たようなドレスコードだと引っくり返りそうになります。年季明けるまでかなりハードな労働です。
お読みくださり、感想をお寄せくださいまして、有難うございます。
[良い点]
山形のお大尽のお話! 豪気ですね。
なるほど、紅ですか。問屋たちがやった作戦がうすっぺらで嫌になっちゃいました。だって、吉原だけでなく、いつの世も女性が女性である限り、紅が必要なくなるなんてことはないはずですから。

それにしましても、恵美子さんの歴史の知識はさすがですね。すごいです。
  • 投稿者: 鈴木りん
  • 男性
  • 2018年 04月07日 17時00分
 短大時代の研修旅行で尾花沢方面を回った際に、鈴木清風の記念館みたいなところに入りまして、知った逸話です。松尾芭蕉に関する情報で、初めて役に立ちました。紅花を扱う商人は儲かっていたようです。西村山郡にも紅花大尽のお屋敷が残っています。
 紅花は明治に入ってからあっという間に廃れてしまいました。染料としてはもう趣味の人しか使わないようですが、食紅、食用油、化粧品としては一部残っているようですね。
 お読みくださり、感想をお寄せくださいまして、有難うございます。
[良い点]
汚い手段で手に入れた銭を優しく使うところ、よかったです。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2018年 04月07日 16時59分
管理
 紅花はアザミのようにトゲトゲだらけで、触ると指に刺さっちゃいます。それを朝露に濡れてなるべく柔らかいうちにと、作業用のゴム手袋の無い時代に収穫して、加工している人たちにも当然リターンしていたはずです。
 そんじゃなければ地元に何も残りません。
 儲けをどれだけ社会還元できるかのお話で、あんまり浪費っぽくないですが、吉原を華やかな面で語りたくなかったので、こうなりました。
 お読みくださり、感想をお寄せくださいまして、有難うございます。
[一言]
いやぁ、なんともかっこいいお金の使い方。
まさに『粋』ということですね。

そういえば、専門学校の課題で『100万円と1週間の休暇が与えられたらどう使うか』というのがあったのを思い出しました。
ぱぁ~っと使うというのは、いざとなるとなかなか難しいものです。
  • 投稿者: 楪羽 聡
  • 2018年 04月07日 16時44分
 上手なお金の使い方って難しいですね。人に奢る場合も、相手に気を遣わせないようするか、恩に着せるようにするか、接待パターンがあるそうで、わたしにゃさっぱり解りませんです。
 十万円くらいなら一週間で使い切れても、百万円となる有意義な使い方は難しいですね。まさかホストクラブでシャンパン何本も開けたじゃただのおバカですもん。
 お読みくださり、感想をお寄せくださいまして、有難うございます。
[一言]
私はこういう金のつかいかたってできないんですよね。
キャバクラ一晩で十万円とか、無理ですね。
 中華帝国の皇帝の蕩尽の凄まじさを書こうとしたんですが、想像力の限界を感じまして、路線を変更しました。
 島田屋清風が山形県尾花沢の有名人ってことで、埃まみれのじいちゃんの蔵書からガメてきた本から叩き出してきました。(どこまでもせこいです)
 大金を持ち慣れていないと、とんでもない浪費って想像できないものだと自分で考えたお題ながら、痛感いたしました。
 お読みくださり、感想をお寄せくださいまして、有難うございます。
[良い点]
恵美子さんの知識と、それを読みやすく書ける筆力にひれ伏したくなる作品でした。
[一言]
金はコワイ。それを使う人もコワイ。けれどこういうあんばいになるっていうのも、また金と人。
大変粋なお噺でした。
 初めて松尾芭蕉に関する情報が役に立ちました。
 お金の使い方って本当に大切だと思うんです。それでも銀行の利子が高かった頃ってどんなんだろう、利子だけで暮らせるって幾らくらい預金を持っていればできるんだろうと妄想していたこともありました。
 お金を貯めこむのも大切ですが、どう使うかで人から見られるのは怖いですね。あいつはケチと言われていいのは小市民で、ある程度のお金持ちは余裕のあるところを見せないと信頼されない危険があります。
 お読みくださり、感想をお寄せくださいまして、有難うございます。
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