感想一覧

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[良い点]
独特な雰囲気、古い時代の背景が鮮やかに浮かんでくる文章力。

歴史に疎い読者でも、充分に楽しめる造りと濃厚な中身が良いですね。三徳と朱美、節子と政信、夫婦に加えて警官二名、怪しい人物満載です。銃殺、毒殺、殺害方法に工夫を感じ、七つの弾丸それぞれに意味があるのも素敵です。

個人的には健気な彩子が好きで、少佐との関係を応援したくなりました、貴子が事故死した滝を見に行きたかった少佐の真意に気づいたり、差し入れエピソードで梅干嫌いを演出する少佐を見抜いたりと、妙に勘が鋭いところが面白いです。お嬢様ぶっていなくて、一途に尽くすタイプですのね。両想いなのに結ばれるのか否か、二人の将来が未知になっているのが惜しい余韻を残しています。

最後に、ああなるほどと思わせてくれるタイトルが巧みですね。不如帰と鶯の習性エピソードが、犯人と動機を示唆するヒントであり、すべてを物語っていましたのね。
妾と本妻……現代の不倫に通用し、またこの時代ならではの背景を見事に語っているのが素晴らしい
出生の運命を選べない優馬は不幸な立場だったと思いました。犯人も最初は可愛がっていたらしいのに……

殺人を企てる犯人、織り成すミステリーは、現代にも充分に通用するものがあると感じました。
感想ありがとうございます。

同作品の前作『巖頭の鵜』(時代背景は前後します)では、上手く描けなかった登場人物の愛憎劇を中心にしており、そこが上手く伝わっていたなら幸いです。

タイトルを頭の片隅において読むと、なんとなく筋道がわかる仕掛けになっており、読後感を左右する最後の一行に一番力を入れております。

何年も前に書き上げた作品ですが、こうして感想をいただけると当時の苦労が報われた気分になります(^^)
[良い点]
文字数10万字を超える超大作なのに、一気読みが出来ちゃいました。雰囲気が最高ですね。時代背景を踏まえた描写や会話文の文章力はすごいの一言です。
作品内で連続殺人をほのめかす『黄金の銃弾』と『ダンテの神曲』が怖い雰囲気も醸し出していて、とても素敵でした。
[一言]
小説として面白かったという印象が強かったので、ミステリ―としての評価は少々辛くなってしまいますが、謎解きに関しては本作は少し淡々としているようにも思えました。本格推理物で読者が期待するのは、どうやってその犯行が実行できたのかという不可思議性の解明や、真犯人の意外性です。そして、それを読者に与えるためには、事件で何が謎(事件究明の障害)となっているのかをはっきりと呈示したり、登場人物の一人一人の個性や特徴の違いを強く表現して、さらにはさりげない伏線を用意して、結果として意外な犯人を創作する。そこにミステリー作家の腕の見せ所があると思います。もちろん、本作はその点もしっかりと書かれていますけど、もう少しねちっこくされてもいいんじゃないかと(せっかく独特のいい雰囲気を創作されているのだから、なおさらなんですけども)個人的には印象を持ちました。
  • 投稿者: iris Gabe
  • 2019年 03月26日 22時06分
返信スルーしちゃってて申し訳ございません!

しばらく小説家になろうから離れており、感想の通知を見落としていたようです。ご指摘のとおり、もう少し論点を際立たせた方が良かったかなと考えて、新作では謎を都度都度はっきりさせて前に進む手法を試しています。

遅レス申し訳ございませんでした。
[良い点]
〜ネタバレありなので未読の方はご注意を〜




タイトルが最高ですね。話の内容を的確に表しており、それでいて興味の引かれる重厚さも兼ね備えている。ラストも非常に意味深で、このタイトルをつけたからこその後味を残していたと思います。
レビューに書かれていた通りですが、ミステリ好きならたまらない要素が複数組み込まれていたところも素敵でした。
[気になる点]
第三章の中盤以降がちょっと……。かなり私的な意見なので気にする必要はないのですが、あらすじを読んだとき私はクローズドサークルものかと思って期待していたのですよ。ですが三章に至るまで特に城が閉ざされることもなく、普通に警察が介入。ようやく三章にはいってクローズドサークル展開が始まった!……と思ったら、一瞬にして一夜が明け、しかも主人公の特殊能力による回想編のような状態に。正直一番楽しみにしていたところだったので、かなりがっかりしてしまいました。

それから、その主人公の特殊能力ですが、必要なかったんじゃないでしょうか?もし私が気づいていないだけでしたら申し訳ないですが、もしこの能力を入れたいのなら最初から伏線を敷きまくって、主人公には何か隠された力があるとアピールするべきだったかと。もしくは、最後の最後に、どうして今回の事件を解決することができたのかの理由として、その能力について語らせる。とかの方がよかったと思います。あまりに唐突にこの能力が登場したので、私は随分と困惑してしまいましたから。

後、登場人物にイラストがついているのは素敵でとても良かったのですが、どちらかと言えば館内図の方が欲しかったなと。大きな館や城を舞台としたときに、その構造を言葉だけでイメージさせるのは非常に困難です。プロの作家さんの作品でも、館内図がついていなければ到底イメージがわかないものもよくありますし(私の想像力が足りないだけかもしれませんが)、今回のように城の構造がそれなりに重要になるものでは是非図をつけていただきたかったです。
[一言]
うーむ、あらすじに「山奥の古城という閉鎖空間で起こる連続殺人事件」と書かれていたので、クローズドサークルを期待していたのですが、ちょっとイメージと違いましたね。
つまらないというわけでは勿論無いのですが、犯人の絞り込みが動機メインだった辺りや、唐突な主人公の特殊能力。どうやら犯人の目星は最初からついていたようだったのに、結局最後まで殺人を止められなかった探偵役の微妙な能力。「鶯の抵抗」の時も少し思いましたが、もう少し舞台を簡略化して、読者にイメージしやすいものであったらな……。など、(こいつ何様だと思われるかもしれませんが)たくさん改善の余地があるように見受けられました。

ですが、やはりタイトルは最高でしたし、この雰囲気も梔虚月さんにしか作れない独特のものであるように感じました。是非これからもたくさん執筆して、(できたら完全なクローズドサークルものの)新作を読ませて欲しいと思いました!
  • 投稿者: 天草一樹
  • 18歳~22歳 男性
  • 2018年 07月03日 09時41分
お返事遅れて申し訳ありません。
公募用の執筆に専念するため、小説家になろうをログアウトしていました。

同作品は、学生の頃に執筆した推理小説をセルフリメイクした作品で、前半は当時書いたクローズドサークルのトリックで書き進めていました。ただ後半は、某ミステリー大賞にエントリーしていたのですが、順位が伸び悩んでおり、このまま書き進めるか、テコ入れするか迷走してしまいました。

機会があれば、後半を書き直してみたいと考えています。

感想ありがとうございました。
[一言]
完結おめでとうございます。

さて、なにを語ろうか、と思ったところネタバレばかりじゃないか、ということに気づいて戦慄してしまいました。

物語開始から終了まで硬質な文章を維持されて、あの時代の匂いを再現されていてとても読み応えがありました。また、登場人物たちも時代背景を活かして魅力がある人間に書き上げてあり違和感なく読み進めることができました。

二章の後半から三章の中盤まで一気に話が展開するので、終始おどろかされました。とても面白かったです。登場人物のある人に関して「ああ、こうきたかぁ」と膝うった場面などすごく言いたいのですが、我慢します。とてもいいい塩梅だったと思います。

嫉妬したくなるくらい良い作品でした。こんな事を言うと黄金銃がこちらを向くかもしれませんね。これからも、良い作品を書いてください。応援しております。
ありがとうございます!

ネタバレしない推理小説の感想は、僕も書くのが苦手です。あれがこれであの人が〜指示代名詞のオンパレードですよ(汗)

作品のトリックは学生時代、アガサ・クリスティに影響されて三行ワープロで書いた「トライデント城の黄金銃(短編)」という推理小説から流用しました。当時はトリックに偏重しており、登場人物の背景や殺害動機が弱いと指摘されていたので、そこに注力して長編に仕上げました。

今回は一話を5000字前後として、長編小説なので読者が飽きないように、各話で事件の印象が変わるような書き方(情報開示)に心掛けました。前半(50000字まで)は、どうしても条件提示や布石が多くなるので、そこまで読者を引っ張る文章構成が今後の課題です。頑張らねば。

感想をもらえて、完結して良かったなとしみじみ。
ありがとうございました。
[一言]
鶯の抵抗を06まで読ませていただきました。

空気感のお話がありましたが、十分に出ているように私には見えました。おそらく、違いがあるとすれば、私のものは日常よりであり想像しやすい、という一点につきるような気がします。

なので、私からすると空気感は十分にあると思います。
とはいえ、私の昭和初期の知識は宮部みゆきの『蒲生邸事件』や柳広司の『ジョーカーゲーム』を読んだ程度のものなので微妙なお話かもしれません。

たいへん丁寧に時代をおっておられて重厚な作品になるものだと思いました。読む人間にも時代的な背景が見えることでより深く理解できるようになるように感じます。

これからがとても楽しみです。応援しております。
感想ありがとうございます!

悪食令嬢シリーズ、血まみれマリー他も読まさせていただきましたが、作品ごとに文体を使い分けており、それぞれが舞台設定とマッチした雰囲気を出しておられるのが凄いと思います。
私は江戸川乱歩を愛読しているのですが、悪食令嬢の文体や雰囲気がそれに近く、作品ごとに書き分けておられるということは意識されておられるのでしょう。また意識して書いておるのに読者に感じさせず、自然に書けるというのは、これは相当なテクニックではないかと感服いたしました。
悪食令嬢は短編連作に再編集して長編で公開すると、もっと大勢の読者の目につくのではないかとお節介を考えてしまいます。

感想をいただけて大変光栄に思い、悪食令嬢の返信に終始してしまいましたが、今後とも本作を読んでいただけたら嬉しいです^^;
[良い点]
大変良くできた作品です。とても重厚な感じがしますこれからも面白くなる感じがします。よろしくおねがいします。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2018年 04月13日 13時48分
管理
完結まで更新を頑張りますので、こちらこそお付き合いのほど宜しくお願いします!
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