感想一覧

[良い点]
事件が主題とはいえ冒頭で明かされる犯人が別人という発想はなく、同性の双子なら作中でも少し言及されていたように、脳裏に疑惑の一つ程度ならば生まれたのかもしれませんが、終盤の怒涛の展開には衝撃を受けっぱなしでした。
しかし丁寧な構成かつ描写だったので、唐突感は全くなく、白夜の本当の動機も納得いくものでと探偵ものと同じくらいの気持ちよさがありましたね。
主な登場人物が抱える過去と、家族やクラスメイトからの心の傷も樹月は色覚の異常、桜夜は毒と表現する苦味として表現されていて、その零れる感情の一つ一つが痛いほど伝わってきます。
物語を動かし、疑問も残す月見は存在感が大きくも語り手に終始していていいですね。
今後の活動を応援しております。