エピソード6の感想一覧

▽感想を書く
感想絞り込み
全て表示
[一言]
第1章 恵まれた人・Ⅴ 感想&解説

滞りなく行われるマリアへの受胎告知。十字軍による軍事行動は行われず。
不死者の不死の命を生き長らえさせるための「生き餌」を産ませるため、逐次動員される代理母に過ぎないマリア。
生き餌と言っても、不死者にとっては救世主である。彼の血を聖杯として、あるいは彼の肉を聖餅として口にしなければ、命はない。
「私の血を飲み、私の肉を食べなければ、あなた方に命はない」「私はいのちのパンである。このパンを食べる人はだれでも永遠に生きる。このパンは人類の救いのために捧げる私の体である」
聖体拝領の始まりとなった、この謎めいた言葉が、二千年ののち、現実となった、というおはなし。
ワインとパンの聖体拝領はままごとに過ぎなかった、とスカイウォーカーは挑発する。二千年間、全く無意味な儀式を続けてきたのだと。
我々の聖体拝領こそが、聖体の秘跡によって、現実に、事実として、不死の栄光を賜るホンモノなのだ、と。
しかし、何人もの聖母(代理母)によって、何度となく行われる処女懐胎と受胎告知、その都度産み出される何人もの救世主(生き餌)が、その聖性を、奇跡の一回性を毀損している。
聖体拝領の物質化、ひいては奇跡の物質化、陳腐化、この指摘は認めざるを得ない。
そのことに気がついてなのか、彼らゾンビは精一杯恭しくこれらの儀式を執り行おうとする。今回の受胎告知シーンもその一環。

  • 投稿者: tsubata
  • 2022年 06月20日 17時20分
↑ページトップへ