感想一覧

[良い点]
度々出てくる匂いや臭いの描写にグッときました。
匂いと記憶、感情の結びつき。
駅を出た時の空気と歌声への切り替え。
思い出のラーメン屋さんの記憶にこびりつく油煙。

ブラックアウトしたスマホが鏡になって、自分を否応なく客観視させられるシーン。

宿賃、ビールなら安いけど、そう言う意味ではなさそうな……
歌姫のこのお誘いは単なるお礼なのか。それとも。
フレンチトーストの味と繋がる記憶。きっとこの先も、見る度に思い出す。

笠原くんは、理屈などより、気持ちを最優先に後悔しない道を示してくれる。
ある意味、無責任ではあるが、何気ないナイスアシストが光るイイ奴でした。

歌姫の木戸さんは、きっと家庭で無条件にかわいがられた経験が少なくて、自己肯定感が低いからアレな団体にも引っかかるし、幸せを拒絶する勢いで過剰に自罰的なんだろうなと思いました。

三島さんが知らない彼女の一面…知りたくなかった情報が一気に来て、でも、頭から否定せず、冷静に分析できる。
予想外のよくない事態に遭遇した時、人となりがよく出ると言いますが、三島さんはナイスガイ。

実際居そうな人物揃いで説得力があって読み応えがありました。

[良い点]
今16まで読んでます。面白すぎる。ここが会社で今勤務時間中であることを忘れてしまいます。手が止まらない。カタコトですが現場からは以上です

[良い点]
完結おめでとうございます。
そして、遅ればせながらMKコンもお疲れ様でした。

一話目の掴みもさることながら、各話の分量も長すぎず、テンポよく読ませてくれる作品。
恐らく、セリフと地文の文量配分が程良く調整されている所に起因しているのだろうと思います。

内容についても、秘密を抱えたヒロインの過去を追うという気になる展開。
内面の丁寧な描写はもちろんのこと、先へ先へと読み進めたくなる構成力は見事でした。

各シーンが必要最小限の登場人物に絞られ、見せ方にも技術とセンスを感じさせられました。

素敵な作品を拝読させて頂き、ありがとうございます。

[良い点]
地の文体とセリフのバランスがよくて、俺の地元の雰囲気がよくでています。キャラクターも魅力的で、情景描写がよく、小物にも個性が感じられました。

[良い点]
異動　まで読みました(°ω°)


物語について
一人称視点で描かれながらも真剣な大人のラブストーリー、しかも背景がかなりドス黒い感じの……。
企画を通して読んだ中で、ここまで現実味に富んだお話はありませんでしたね。えぇ。
完全なドラマです。テレビで放送されそうな程に。
なるほど、そういえば言っていましたものね、それを目指した物語を書いていると。
実に納得です。
創作としては現実味にステータスを振り過ぎて、突飛さこそありませんが……重厚な造りは相当な読みごたえすら感じさせてくれますね。
関係あるかは判りませんが、一話ごとの話数も適切に感じました。


人物について
個人に対するこれといった感情は沸きませんでしたが……主人公が徐々に木戸さんを好きになっていく様、そして元カノとの確執、そして彼よりも深く事情を知っている人物達……そんな人間模様がどこか人間臭くて。
そして誰もが主人公達よりも賢く見えて……。
それの所為で彼がこの後転がってしまいそうな……そんな危うさすら感じさせてくれます。
先行の見えない程の、人間模様の交錯が良く出来ているなぁと言わざるを得ません。


背景・設定について
背景がしっかりと描かれており、描写のある所だけに限らず様々な所で味や臭いまで伝わって来る様でした。
実に緻密に描かれている様に感じますね。
天王寺などは見た事は無いのですが、なんとなくな雰囲気が頭の中に思い浮かびました。
例えそれが現実と違っていても、そんな場所で事が起こっている……そう思わせれば小説としては上等なのかもしれませんね。


総合
重い！！
凄く重い！！
けど読み進めてしまいますね、なんだか気に成ってしまいます。
元々重い話が好きなのと、ドラマチックな演出が好きだと言う事もあるので、必然と引き込まれた感じですね。
流石に創り馴れているといった所でしょうか。

余談ですが
これがファンタジー世界舞台だったらどうなるんでしょうね。
そういう置き換えもまた面白そうな気がします。
まったく本作と脈絡の無い話ですけどね……
[気になる点]
ここでは悪いと感じた点を挙げさせて頂きます。


……が、特に見当たりませんでした。

誤字脱字も殆ど見受けられず……良く出来ていると思います。
後半2話で　。」　が見受けられましたが、何か意図があるんじゃないかと思ってしまう程なので、敢えて誤字報告はしていません。
それ以外は読み易さも相まって、完成度の高さを窺えますね。
[一言]
続きはよ！！バンバン！！

[良い点]
序盤はあまりの急展開にとても驚きました。ですが、話を読んでいく内に、木戸さんの過去、宗教の闇といったリアルにあり得るホラーな描写が出てきて、ああいった行動をするくらい精神が追い詰められていたんだなと思うと、主人公に何がなんでも木戸さんを守ってほしい！と思うようになりました。それにこういった話は先程も言ったようにリアルにあり得ることなので生々しさが引き立ち、読んでいるこっちも感情移入がしやすく、読みやすく感じました。これからも連載頑張って下さい！

[良い点]
今回も素晴らしい作品でした。
ワダツミの子の時にも感じましたが、あけびさんはその町の風景や匂いなどそういったことを表現するのが上手いと思います。今回で言うと舞台である大阪の地域特有の匂いや景色が凄く鮮明に表現されています。（4年間住んでいたので懐かしかったです）
その点が今回のヒロインであるカナリア、シンガーソングライターという題材に非常にマッチしていました。

そして今回は純愛ステリーということですが、そこもお見事でした。ミステリーならではの引きといいますか、チラ見せ、伏線が非常に上手で、もう1話だけもう1話だけと読む手が止められませんでした！

真相を知った上でカナリアの曲を読み返すと、彼女の心情が曲に込められているなと切ない気持ちになりました。

そしてもう一点だけ！ストーリーの起伏がしっかりしているなと感じました。何気ない日常を書きながらも、散りばめられた謎を小出しにすることで、目を離せませんし、見せ場となるシーンではその筆力を存分に発揮し読者の心をしっかりと掴んでいるなと思いました。
[気になる点]
はやく続きアンド、ラストが読みたい！笑
[一言]
色々なジャンルにチャレンジしていますが、今回の作品はかなり私好みの作品でした！本当に読めてよかったです！
レビューにも書かせて頂きましたように是非実写映画化してほしいです！！！
ご馳走さまでした(^^)

[良い点]
清らかな文章表現で、この作品が文庫本として売られていても私は不思議に感じなかったことでしょう。
物語の構成もしっかりしており、全ての場面が、次の場面に行くために必要なものが詰め込まれています。無駄な情景は使わずに、必要な人物、シーンだけを使うことでしっかりと映し出されています。
今の小説家になろうにはニーズが合わないのでしょうか。声をあげて「とびきり面白い！」というわけではありませんが、明らかに一定水準レベルを超えています。数多に渡る作者様の執筆経験、読書経験の賜物だと思います。
[気になる点]
今のライトノベルにしては、やはり少しヘビーなのかもしれません。ですが、インパクトだけを求めた中身のない薄っぺら小説より何倍も価値があるかと思います。
純文学として読ませて頂きました。