感想一覧

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[一言]
 村上春樹は現代アメリカ文学の影響を強力に受けた作家で、ドストエフスキーとの接点はほとんどない、というのが私の解釈です。
 ネットで知ったのですが春樹は自分が最も影響を受けた三大小説の一つに「カラマーゾフの兄弟」を上げていますが、これは多分、中上健次のランボー論みたいなものだと思います。
 これは推測ですが「お前なんかランボーの詩がわからないだろう」と作家、評論家、編集者の誰かに言われ、その反論で中上はランボー論を書いたのだと思いますが、読んでみて中上が正しくランボーを理解しているとは思えません。二人の文学は正反対です。
 それと同じで、立場的にドストエフスキーなんか知りませんとは言えないので、最も影響を受けた作家だと春樹が弁解しているだけなのでは。

 私的には戦後日本文学のビッグネーム作家で、ドストエフスキーを文学の“神”としない最初の世代が村上春樹だと思っています。

[一言]
はい。村上主義者(ハルキストの別名)がとおりますよ。

村上春樹自身がこう述べています。

小説を書いているとき、「文章を書いている」というよりはむしろ「音楽を演奏している」というのに近い感覚がありました。と。(新潮文庫 職業としての小説家P55・後ろから3行目)
デビュー作「風の歌を聴け」など、作中に流れる雰囲気(音楽)を感じる事そのものが、「読む」事なんだと思える作品だと、私は思います。使われている言葉や舞台装置は「訳が分からない」ものだとしても・・・

そして、村上春樹は「偏る」事を徹底して避けているようにも思います。
「学生運動のあり方に対する幻滅」(P42)という言葉。実際に、死者を出した運動に対して
「どれだけそこに正しいスローガンがあり、美しいメッセージがあっても、その正しさや美しさを支えきるだけの魂の力が、モラルの力がなければ、すべては空虚な言葉の羅列に過ぎない」
と言い切る。

私が村上春樹を「信じるに値する作家である」と思うのは、ここいらへんにあります。
俗物であろうが、変人であろうが、構わない。
「村上さんのところ」という書籍など、気が遠くなるような、読者とのメッセージのやり取りの記録です。

なろうの「感想返信」ですら、結構、精神力がいるのですよ(;^ω^)思わぬ懺悔を目にする事もしばしば。

私は、村上春樹氏が語る「夢」の実現を、楽しみにしてます。私だって、夢がある。今は、下品なエッセイで賑やかしてますけど。SFジャンルの、宇宙戦争を書きたい。本当は。まだ、力不足だから手が出ないけど。

長々感想・意見文、失礼しましたm(__)m

  • 投稿者: 退会済み
  • 30歳~39歳 女性
  • 2018年 12月07日 20時20分
管理
感想どうもです。おっしゃられる事はよくわかります。そういう点について村上春樹を肯定するのは僕もわかります。文章のリズムとか心地よさというのがありますよね。

僕も大学生くらいまでは村上春樹好きで読んでましたが、段々違和感が出てきて、批判的になってきました。で、村上春樹が「ドストエフスキーのような小説を書きたい」と言い出して「ああ、これはもう駄目だ」と思いました。

なので毒きのこさんの意見を否定するつもりはないのですが、今の僕からは村上春樹は読めない状態になっていますね。読書というのもやっていくと、段々レベルが上がっていくと思っていまして、カントの入門書を読んだ時の感動が忘れられない。そういうものと比べると、村上春樹は霞んでしまう。そういう見え方になっています。
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