感想一覧

[一言]
クマさんとキツネくんがメインの物語でありつつ、森の仲間たちの個性がきらりと光る作品でした。何とも頼りないクマさんに、彼を歯がゆく思いながら放っておくことができないキツネくん。なかなかイイ性格をしているリスさん。アライグマくんみたいな方は結構社会に出ると見かけますよね。イライラしたくないし八つ当たりだってしたいわけではないのに、どうしても我慢できない時もあるよなあと大人になると相手の気持ちが理解できたり。

個人的にとても素敵だと思ったのは、コマドリさんでしょうか。姐さんとうっかり呼びたくなるくらいきっぷの良いコマドリさん。

「他の子は知らないけれど、わたしの理由はカンタンよ。ドングリ池が好きだから、あいさつ　がわりにドングリを落とすのよ。わたし、願いは自分で叶えるべきだと、信じているの」

「そうね！　考えたってわからないなら、やってみるしか　ないものねっ！」


見ていて気持ちが良いくらいにはっきりとした性格ですよね。自分の意見や信念をしっかりと持っているのは、過酷な渡り鳥としての生活があるからかもしれません。

コマドリさんのセリフから、池には魔法の力はなく、自分たちの努力で物語を切り開く系のお話なのかと思っていただけに、ラストは良い意味で裏切られました。とても幻想的な光景にうっとりさせていただきました。

[良い点]
キツネくんの、冷たいようで実は優しい所が、とても良かったです。
頼りないクマさんを、何だかんだ言いながら助けてあげる、そして、最後にはお互いを讃え合える。
きっと、二匹はこれからも大の仲良しになる事でしょうね。

[良い点]
クマさんとキツネさんの冬の冒険譚、楽しく読ませていただきました。なんだかんだ言いつつ世話を焼いてしまキツネさんのひと(?)のよさと、怖がりながらも進もうとするクマさんのちいさな勇気にほっこりしました。
[気になる点]
クマさんとキツネさんは、これからもっと仲良くなっていけそうですね。春にコマドリさんが帰ってくる頃には、きっとたくさんお喋りしたい思い出ができていることでしょう。
[一言]
冬の季節、どうぶつたちそれぞれのキャラクター、森の中の各場所、逆さ虹の設定全てを活かしつつ、一つの物語として綺麗にまとめ上げられているのがすごいなと思いました。（わたしはその辺をつなぎ合わせるのが面倒でオムニバスにしてしまったもので……）
よく設定を吟味して、丁寧に作られている印象を受けました。