感想一覧

[良い点]
詩的表現が独自の世界観を生み出す、個性的な作品という印象を受けました。
はじめから家庭内に問題のある環境で反抗期の表現には収まらない程だったとしても、しおりの転校をきっかけに段々心の歪みが大きくなっていって、慶介を取り巻く環境も進んでいるつもりがいつの間にか後退したり、或いは違う方向に転がっていくような有様になるのが辛かったです。
また最終話も生き残りこそすれども、しおりと生きることさえも叶わず、雄介と一緒にまた更なる悲劇に身を投じていきそうなのが怖いです。
しおりとの再会の場面と堂上が死に、宮戸の正体が判明する場面に激しい衝撃を受けました。
しおりだけは絶対幸せになってほしいですね。
今後の活動を応援しております。

[良い点]
一文一文に深い意味が込められている気がします。子供の頃に記憶をなくした少年が、時に触れ刺激される度に、浮かび上がる記憶のかけらに翻弄されて、過去をどう受け止め、未来に何をするのか、続きの気になる作品です。
出てくる人物それぞれが、何かしらを内側に抱えているようで、膨らみ続ける風船を見ているような緊張を感じました。
[気になる点]
・お酒やタバコは二十歳になってから、法律を守りましょう。
・この作品は未成年の飲酒喫煙を勧めるものではありません。
などの注意書きがあると安心な気がします。