感想一覧

[良い点]
心にしんと残る、いいお話しでした。走馬灯の描写が美しかったです。作品全体の、ほんのりと寂しくて優しい感じが好きです。

[一言]
　はじめまして。
　読んでいて、なぜか子供の頃に読んだ、芥川龍之介の作品集を思い出しました。
　ハッピーエンドとは言えないのに、いつまでも後味の悪さを引きずることもなく、ただ、ふっと息をついて終わる、あの読後感に似たものを感じました。

　いつも好んで読む作品とはかけ離れた作風ですが、この作品は好きです。

[一言]
ネタバレありの感想です。未読の方はご注意ください。

冬童話2019より参りました。
「もう古いものだから大事にしなさい」そう父から譲り受けた時計は、本当に大事にされていたのでしょうね。だからこそ、持ち主がその命を終える時に力を振り絞ってかつての時をもう一度見せてくれたのでしょう。

大事にしてきたものには魂が宿る。きっとそうに違いないと思えるお話でした。

[良い点]
死の様子について、ぼかすことなく率直につづっているのが、新鮮に感じました。
時計が物語の隠れた引き立て役になっているのもいいですね。