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[一言]
ネタバレありの感想です。未読の方はご注意ください。
冬童話2019より参りました。窓から見える様々な世界がとても鮮やかで、まさに絵本を読んでいるような気分でした。

「◯◯はエルムよりも◯◯の方が大事なようです。」
「◯◯はエルムを見てはくれませんでした。」
この繰り返しがいじけてしまったエルムをよく表していると思います。アオムシや人魚やフェニックスが大事にしているものは、決してちっぽけなものではないのですよね。アオムシにとっての植物も、人魚にとっての水も、フェニックスにとっての自由もそれがなければ死んでしまうくらいに大切なもの。けれどエルムはそれを理解できずに、「自分を見てくれない」と結論づけています。この繰り返しが童話らしくもあり、まさに最後の場面を「青い鳥」として寓話的に示すことに繋がるのだろうと思いました。

誰も自分を見てくれないと思い込んだエルムが気がついた、すぐ近くにある景色の美しさ。他の方もおっしゃっていますが、幸せはすぐそばにあるのですよね。「エルムは相変わらず、近くにあるものを見ようとしないな」というセリフは、私たち読者にもきっと当てはまることなのでしょう。まさに大人の童話にふさわしい結末だったと思います。幸せがすぐそこにあると気がついたエルムはまた窓を作り始めますが、また再び空の住人たちと話をすることができたなら、きっと前回とは違う楽しい会話ができたでしょうね。そして、マギーの気持ちに気がつかないまま、怒られたりすることを繰り返すはずです。そこまで含めて何とも幸せな結末ですね。

何とも読後感の良い、素敵な物語でした。
窓の外の住人は決してエルムのことを悪く思って誘いを断った訳ではありませんが、エルムは自分のことばかり考えていて相手のことを気遣うことはできていません。
最終的にエルムは自分にも大切なものがあると気付けたので、彼らの気持ちも解ることでしょう。

>また再び空の住人たちと話をすることができたなら
そういった後日談があるかもしれない、と想像すると素敵ですね。

エルムも姉弟も、なんだかんだで昔のようにまた幸せに過ごせるようになったと思います。ただリックの苦労は増えそうです(笑)
感想ありがとうございました。
[一言]
冬童話の作品一覧からやってきました。
安心して読むことのできるお話でした。
子どもの好きな三回繰り返し。
そして四回目の変化。
よかったねって、ほっできるラスト。
それぞれの窓から見える景色も、イメージが頭の中にぱっと広がります。
素敵な童話でした。
  • 投稿者: 観月
  • 2019年 01月15日 22時15分
繰り返しはこれ以上やるとくどくなりそうだったのでこの回数にしたのですが、知らずセオリーを踏んでいたのですね。
景色を想像できる文章になっていたようで安心しました。感想ありがとうございました。
[良い点]
魔法のような窓を作りあげる職人にとっての「魔法」は、自宅のドアの方だった。
その落としどころがとても素敵でした。

不思議な窓から見える景色というのは、列車の車窓のように、どこか非日常の世界を見せてくれるものだと思わせおいてから、エルムがドアを開けて見た当たり前の日常の景色。
彼の前に広がった麦畑を想像すると、感動に胸が震えました。
どれほど素敵だったことでしょう。
幸せは実はすぐ近くにあるというのは、不変のテーマですよね。
楽しませていただきました。
ありがとうございました。

タイトルにもある「魔法」とは「誰」にとっての「何」なのか、というのはこの作品の一つのポイントでした。

大きなものも小さなものも幸せには違いないのですが、つい大きな幸せばかり求めてしまう人は多いのではないかなと思います。小さなもの当たり前のものの中に求めているものがあったと気付けたエルムは幸せ者です。
青い鳥は実はとても近くにいるものですよね。感想ありがとうございました。
[良い点]
「目の前に広がった光景に目を奪われました」
泣けました。
[一言]
エルムの作る窓、外の不思議な住人たちと『次は何がくるんだろう?』という気持ちで、読みすすめられました。
東の壁の窓を開けてからの、結末までの流れは、特に好きです。
また読みに来ます。どうもありがとうございました。
  • 投稿者: 繭美
  • 2018年 12月21日 22時48分
外の世界とその住人は書いている分にも楽しくてもっと色んなパターンを書いてみたいという気もしていました(実際削ったエピソードもあり)
気に入って頂けて嬉しいです。感想ありがとうございました。またいつでもいらしてくださいませ。
[良い点]
二話の雰囲気が好きです。知っている場所から出なくても世界が広がる感じ、なんだか読書と似ている気がします。
[一言]
一番近くにあるものが一番見えないのはわかります。お姉さんの機嫌がなおるようにもっと顔を出すようになるといいですね。円満エンドでほっこりしました。

(外から誰かを招き入れたら、二度と帰れなくなるのでしょうか…)

  • 投稿者: 甲姫
  • 2018年 12月21日 04時00分
感想ありがとうございます。窓のイメージは読書も似たようなものですが、インターネットからの着想でした。

お姉さんはきっとこの後機嫌が良くなったり、肝心なことが伝わらなくてまた機嫌が悪くなったりすると思います(笑)

内開きの窓をくぐったら帰ることはできません。エルムなら帰るための窓を作ることもできるかもしれませんが、相手が自分のためにそこまでしてくれるのか試す意味で内開きにしていました。
ちなみに窓を買った人たちが行き来に使おうと思うことは基本ありません。窓から出入りするのはお行儀が悪いですからね。あくまで観賞目的のものです。
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