感想一覧

ヴァンパイアと少女の不思議な一夜に、第一話からラストまで惹きこまれました。闇を愛し、十字架を恐れるヴァンパイアにとってはお祝い気分ではないこの夜に、出会った一人の少女との何気ない会話の数々は、実は彼自身にとっての、救いのひとときだったのかな、と感じました。

きよしこの夜、祝福されない命なんてこの世界にない、という少女の言葉が胸に響きました。ヴァンパイアの心の闇や淋しさが、この夜の不思議な出来事によって、少しでも癒されることを願いたいです。

星が夜に空に上り、冬にこそ一層煌めくのも、少しでも夜と心を、そしてこの世界を、明るく照らすためなのかも知れないですね。クリスマス・イブに、また改めて読ませていただきたい素敵な作品です。ありがとうございます。

コロン様の「酒祭り」企画より読ませていただきました。

すごく心のあったまるお話でした。
ふたりのやりとりが、自然で素敵でした。
クライマックスも少し切なくて、考える余韻がなんとも・・・。
よか話やで。

ありがとうございます。

不思議な少女との一夜の交流は、忘れかけていた感覚をヴァンパイアに思い出させたのですね。
こうなりますと、来年以降のクリスマスをヴァンパイアがどう過ごすかも興味深い所です。
この年のクリスマスの事を思い出すのかも知れませんね。

現代日本で生きるヴァンパイアにも、やはり普通の人間だった時代があったのですね。
「いつの時代だったかわからないほど遠い昔」と形容している事から察するに、彼の家族はとうの昔に天寿を全うしたのでしょう。
それを考えてしまうと、穏やかでいられないのも道理かも知れませんね。
ところがワインボトルを半分も空けて酔った少女の前では、そうした感傷や物思いも一発で吹き飛んでしまうのが面白いですね。
若い身空であるにも関わらず短時間でそれだけ飲んでしまうのですから、長じたなら凄い事になりそうです。

確かにネット環境の整った現代ならば、ヴァンパイアのような夜行性の種族も快適に過ごせるでしょうね。
ヴァンパイアはネットでのコミュニケーションでの利点を「こちらの正体を何ひとつ知らせないままで知らない相手との会話を楽しむこともできる。」と挙げていましたが、もしかしたらネットを介してヴァンパイアがコミュニケーションを取っている相手も人間以外の種族かもしれないですね。
もしかしたら同じヴァンパイアかも知れませんし、或いはキョンシーかも知れません。
そして確かに、神仏もヴァンパイアも人間目線では超自然的な存在ですし、近しい存在という少女の主張には一理ありますね。
シャア・アズナブルの「似すぎた者同士は憎み合うということさ」という一言をふと連想致しました。

冷蔵庫で血液製剤が保管されている光景よりもクリスマスケーキのない状況の方が、少女にとってはより衝撃的だったのですか。
少女の動揺する基準が面白いですね。
とはいえ考えてみますと、「マンションの冷蔵庫に血液製剤が食用として保管されている」というシチュエーションはあまりにも日常的な価値観から離れすぎていて理解が追い付かないのかも知れませんね。

10歳前後の少女がスリに手を染めている点から訳有りではないかなとは思っていましたが、この境遇は何とも御労しいですね。
たとえどんなに辛くても、10歳前後の少女が崩壊家庭を自力でどうにかするのは無理難題ですし、同情の余地は大いにありますね。

ここまで読ませていただきました。ヴァンパイアがまさかのスリに遭うところから、謎の女の子の登場と、目が離せない展開に引きこまれます。

女の子は一人で寂しかったのかも知れないですね。誰かにかまってほしいところに、ヴァンパイアが…初めて出会う吸血鬼にも全然動じていない様子で、喋りっぷりも大人びているのが凄いですし、印象的です。二人のやりとりがとても面白いです。

外はクリスマス・イブ、この二人がこれからどうなっていくのか、続きも楽しみに読ませていただきます。

ヴァンパイアが十字架を嫌がるのは、「魔の領域の怪物である吸血鬼は、永遠に現世で肉体を保ち続けるという点でキリスト教の神に背いた存在だから」という根拠があるそうですね。
そうなりますと、視点人物であるヴァンパイアの青年がキリストの誕生日であるクリスマスにウンザリするのも道理ですね。
この分ですと、イースター祭のようなキリスト教由来のイベントにもウンザリしていそうです。

コロンさまの「酒祭り」から参りました。
じんわりと胸の奥からあたたかくなるような物語でした。
永い時間を独りで生きてきた魂に舞い降りた少女。どうなってしまうのかとハラハラしましたが、聖夜にふさわしい結末でした(๓´꒳`๓).*　　過去を思い出す描写がとてもせつなかったです。
現代のヴァンパイアがどうやって生計を立てているのかも興味深かったです。笑
こまのさまの描かれたヴァンパイアもの。とてもよかったです。ありがとうございました。