感想一覧

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[良い点]
メタ的な視点ですね。
私は、なろう系と呼ばれるものはたいして知らないのですが、中学のとき、友人の読んでいたラノベの文章を見てびっくりしたのを覚えています。
当時でこそ、「なんだこれ」でしたが、いま思えばあれは相当な衝撃で……
[一言]
私は絵画が好きですが、どちらかというと、読み解くものよりも単純に見て楽しめるものが好きで……印象派、象徴主義あたりが、なにも考えずに見られるので好きです。ああいうのは主観的なものなので、鑑賞者自身がこれまで見てきた景色とか、そういうのに左右されるのかな、とも。
物語にしても、ストーリーやテーマよりも、もっと曖昧で視覚的・感覚的に綺麗なものに惹かれて……私のこのユーザ名も、梶井基次郎の『檸檬』に憧れて、でした。読んだのがちょうど、ちょっと疲れていたときで、果物屋さんの明るい光景に、作中の語り手と同じように感動して泣きたくなったのです……
それは、実際の作者がどんな背景のもと描いたとか関係なしに、与えられた情報のなかから感動の共通項を探すみたいな感覚で。でなければ、わざわざ「小説」という象徴を使って表さなくてもいいわけで。(ちくま文庫から出ている『ランボー全詩集』の中の『地獄の季節』の注釈欄に、訳者の宇佐見斉さんによる象徴詩の読み方が書いてあって、それが私のこの考え方の拠りどころにもなっていて……)


ただ、そういう感覚的な楽しみ方を好む一方で、やっぱりメタ的な視点にも惹かれるところがあって、
たとえば、芥川龍之介『桃太郎』とか、そういう従来の価値観に反抗するようなもの。あれは、昔話『桃太郎』とそのヒロイズムあってのパロディですから。
あとは、アメリカの古いミュージカル映画を見たときに……
現代の小難しい作品を数作品見たあとだと、昔のミュージカルの馬鹿さわぎが「古き良き」芸術と思える……とか。
慣習を破って古典を大事にした、ヌーベルバーグっていうのもそうですね。あ、こんな軽い感じでいいんだ……って。

ただ、映画にしろ絵画にしろ、好きなものから感覚的に楽しんでいくスタンスは変わらないので、やっぱり知らないことは多いです。
伊坂幸太郎を読んでからゴダールを見て、ディランを数曲聴いたような人間ですから(笑)
 感想ありがとうございます。「なんとなく好き」という感覚的な楽しみ方は、自分自身の中で生み出されて消費されるものですから、その行為全般が個性溢れ価値あるものだと思います。ただあくまで主観的なものですから、よそに対して客観的に価値を説明するとなるとメタ的な見方の出番というわけですね。
 もちろん、背景に思いを巡らすのも、感覚で楽しむのも立派な楽しみ方ですから、色々なやり方があっていいですね。
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