感想一覧

[一言]
キャラクターの言葉使いや作品内の単語、名前が世界観に非常によく合っていて、物語の独特な雰囲気を崩すことなく良さを引き出していると感じました。
それにあわせて、登場人物がいきいきしていて、とても魅力的でした。

物語冒頭の内容やその雰囲気から難解な物語のように思えましたが、読み進めると全てのキャラクターがただひとつの答えに目指してひた走っていることが分かります。
それは分かり合えない事で、あるいは立場の違いで対立してしまいますが、彼らの目指す先は同じでした。

彼らの答えを、物語の主人公である霧切有栖は否定します。
傲慢な態度とされ、少女自身もそれを否定していません。しかし彼らの答えを少女なりに噛み砕いて理解し、その上で自らの答えを出す姿を本当に傲慢としていいものか。
彼らとの出会いや、クライマックスで自らの十二年間生きてきた少女の全力の答えは必読です。

物語の登場人物たちの、魂を焦がすような答えは同調するものも、有栖のように否定するものもありました。
読む人程に答えが変わりそうな本作ですが、だからこそ魅力的な作品だと思います。

楽しい時間をありがとうございました。