感想一覧

[良い点]
若さゆえのもどかしさ、切なさ、儚さなどどこかアメリカンニューシネマに似た雰囲気に引き込まれる作品でした。
最初は読者も他の生徒同様に傍観者ですが、生徒二人の心情が吐露されていくにつれ、いつの間にか当事者になっています。また、それぞれの視点が語られることで、「好き＝結ばれる」という単純な状況でないこともわかり、物語が一層味わい深いものになっていました。
「どこで間違ったんだろう」「他に何かなかったのか」という疑問を持ちつつも、クライマックスで生徒それぞれが見せる反応には胸に迫るものがあります。ラストに女性教師が口にする『彼らは脇役になりたくなかった』という言葉が物語をよく表していたのではないでしょうか。
今後の活動を応援しております。