感想一覧

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[良い点]
文章力・構成力・演出力・キャラクターの立て方と、全体的にレベルが高い。
特筆すべきは登場人物の内面の描写だ。記号的ではない、生々しい葛藤が描かれており、群像劇を深く掘り下げている。
[気になる点]
作家性であり強みでもあると思うのだが、人物描写の方向性が尖りすぎている。
登場人物の行動・言動を客観的に見ると、主人公を含めて大半の人間がナルシスティックかつ利己主義、攻撃的で辟易した。
これだけ〝負〟に寄った登場人物で群像劇を描いて、ここまでグイグイ読ませる技量は素晴らしいとは思うのだが……


[一言]
色々言いましたが、間違いなく良い作品でした!
応援していますので、これからも頑張ってください!
前野親友先生、感想ありがとうございます。返信おそくなってしまって申し訳ありませんでした。
先生のご指摘の通り、本作の登場人物は全員曲者で利己的か一見善人に見えて依存的か、大衆に流されて何も考えていないか……とにかく強い負の属性を持っています。
おまけに毒親やら性的なことやら問題の欲張りセットですから、読んで気持ちいいものではないと自覚しています。
ですので(作者も書きながら病んでったほどですし)先生やその他読んでくださった方々には感謝しかありません。
『ここまでグイグイ読ませる技量』というお言葉、とても嬉しいです。自分の作家性、技量に自身が持てず、これが遅筆の一番の原因でありましたので自信がつきました。
これからもがんばります。
ありがとうございました。
  • 桂田武史
  • 2022年 07月13日 23時09分
[良い点]
内容が暗いとのことですが、それを感じさせない圧倒的な文章力です。短いですが、ずっしりとした読み応えと満足感は才能を感じます。
[一言]
すごい。すごすぎて言葉を失います。
ジェンダーを通した嫉妬と憧れ、エゴが強い愛、誰かを踏み台にしてしか自分を表せない臆病さ、恋か庇護欲か代替えか、でも確かに愛だった。
全員なにか少しずつ歪んでいる人間の本性と、お互いが影響し合い、狂っていく姿も生々しく描かれていて、恐らく自分にも存在する醜さを突きつける。

群像劇がとても効果的で、いろんな角度から考えさせられます。何回でも読める。これは本にして持っておきたい。
読んでよかった。ありがとうございます。
橋依先生、こんばんは。『錆』を読んでくださり、ありがとうございます。感想、さらにはレビューまでいただいてしまい興奮しております。

文章力を褒めていただけるとは! これからもより一層磨きたいです!

群像劇は今までやったことのないものへの挑戦でした
視点が頻繁に入れ替わるなかでいかに人物に感情移入させ主人公を食いきってしまうことのないよう、かといって感情移入させすぎて次の視点に移った途端物語をブツッと切られた感がでないよう、その辺の調整が難しかったです(実際まだまだ改善の余地があると思います)
当初はキャラクターに名前を付けず「僕(能勢)」の一人称視点で周りの「彼(愁士朗)」「彼女(馬場)」「先輩(近藤)」「おばさん(古都子)」を観察するという企画でした
群像劇のほうが「無意識の裏切」を表現できると考え、この書き方になりました
効果があって良かったです

何回も読める、本にして持っておきたい
だなんて身に余る光栄です
貴重なお時間を拙書に裂いてくださり、ありがとうございました
  • 桂田武史
  • 2021年 08月10日 22時18分
[一言]
TwitterのRT企画でお世話になった者です。
内容がとても重いにも関わらず、腰を据えて一気読みしてしまうほどの作品だったので、感想も送らせて貰います。あくまで個人の感想なので、もし見当違いなことを書いていたらすみません。

能勢をめぐる様々な人物の過去や、仄暗い感情がこの話数でしっかりと描かれていて、文庫本一冊分ぐらいの作品を読んでいるような満足感がありました。

能勢が精神を病んでいく過程がじっくりと描写されていく中で、周りもまた坂を転げるようにして引きずられていく。
その様が本当にリアルに感じられて、読んでいて苦しかったです。それでも誰かを「悪役」としては見れない気持ちでいて、そこに一番驚きました。キャラクターとしてではなく、人間としての彼らの人生を垣間見た気分です。

読み終わったあと、一人の死を見た脱力感と共に「凄い作品に出逢ってしまった」と、そんな気持ちが湧き上がりました。
この作品を読めて良かったです。
白胡麻もち先生、数多ある作品のなかから拙著を読んでくださり、ありがとうございます

文章の滑りを常に気にしていたので(しかも内容も内容ですから)一気に読んでいただけたのことで感激しております

まさに全員が被害者で全員が加害者でしかもみんな(重さに違いはあれど)理由がある救いのなさを書きたかったので誰かを「悪役」としては見れないというお言葉ににやにやしております

好き嫌いが大きくわかれる作品だと思いますが、『錆』にお時間をいただきありがとうございました
  • 桂田武史
  • 2021年 07月27日 06時18分
[良い点]
読了です。文句なしの★5で評価させていただきます。
直後の感想ですが、警察小説の体をなした別のテーマを訴える作品だったなぁという想いです。
普通とは言い難い境遇にある若い刑事が死を選択するのを止めれなかった…二人のお話。
決して”なろう”では一般受けしないでしょうけど、私の心には間違いなく響きました。
[一言]
>自分が欲しかったのは「馬場本人」というより「能勢が欲している馬場」だったのではないか。

近藤刑事の取り返しのつかない愚行をさらに残酷にする一文。さりとて、読み手としては近藤刑事を責める気にもなれない…というのが正直な気持ちです。

文章ボリュームに似合わぬ読了感です…('、3_ヽ)_

  • 投稿者: あーてぃ
  • 男性
  • 2021年 06月03日 16時27分
あーてぃ様、拙書を読んでくださっただけでなく
沢山の感想及びご指摘までありがとうございます

文章力や構成力に自信を持てないでいたのですが、足りていないところを教えてくださり、自分の説明が足りないところや言葉選びに問題があるところの傾向を知ることができました
また、少なくともちゃんと文章になってはいるとわかり安心しました

『錆』を卒業制作で書き終えて二年、あれから成長したと断言はできませんが、あれ以来作品を完成させたことがないままおりましたが、また頑張れそうです

ありがとうございました
  • 桂田武史
  • 2021年 06月03日 18時37分
[一言]
>早く見つけてあげたいが、見つけてしまいたくなかった。

恐ろしく人間の冷酷さとリアルが浮き出た台詞。
素人作家の身ですが、作者様の才能に羨望します。
  • 投稿者: あーてぃ
  • 男性
  • 2021年 06月03日 16時11分
ありがとうございます
今にしてみれば何故この一文を思い付いたのか自分でも驚いておりますが、これからも人間観察や執筆を続けこういう一文を書いていけたらと思います
  • 桂田武史
  • 2021年 06月03日 18時41分
[良い点]
高村薫とまでは言いませんが、佐々木穣先生の書く警察小説にも似た雰囲気で記される人間関係。
いやー本当に読ませます。
近藤刑事の人間らしい小狡さ、馬場事務員が持て余す感情…それらが見事に伝わってきます。
  • 投稿者: あーてぃ
  • 男性
  • 2021年 06月03日 15時48分
ありがとうございます
自分の文章は諄いのではないかと気にしていましたが読めますか! うれしいです
  • 桂田武史
  • 2021年 06月03日 18時45分
[気になる点]
上手く代替え表現は思いつきませんでしたが、
>せっかくつけた男の名がトランス男子の名に貶められることを怖れていた。

トランス男子の”名”よりも相応しい表現があるような気がしました。ここは読み手に共感(立場の疑似体験)させる箇所なので、余計に目についてしまった感じでしょうか?
[一言]
いやー読ませます。
学生時代の二人の不器用とかそういうレベルでない痛々しい邂逅とか…
  • 投稿者: あーてぃ
  • 男性
  • 2021年 06月03日 15時36分
ご指摘ありがとうございます
すぐさま当事者の友人に確認してみましたら
「俺が取材の時言ったのは、男の名前にしても元女の名前って言われるのが嫌だという意味であの書き方だと伝わりにくいし、少し角張ったというか攻撃的な印象かも」
 とのことでした。また
「名前を変えても、過去が変わらずその名前で生きてきた足跡がない寂しさとかを書いて欲しい」
 と言われました。これから相応しい表現を探していきたいです
  • 桂田武史
  • 2021年 06月03日 18時52分
[良い点]
刑事モノのプロローグとして申し分ない雰囲気です。
署内と現場と対比、主要な登場人物の立場がクリアに浮かび上がりました。

[気になる点]
前半部が取り調べの練習であることをもう少し丁寧に読者に提示した方が良いかもしれません。
”この練習”だけでは苦しいかも(;^ω^A
[一言]
21才で刑事係配属は可能なのでしょうか?
高卒後、警察学校→交番→刑事課としても若すぎるような??
  • 投稿者: あーてぃ
  • 男性
  • 2021年 06月03日 15時02分
ありがとうございます

冒頭部分が執筆において一番苦手な箇所なので申し分ない雰囲気と言っていただけてとても嬉しいです

取り調べのシーンはインパクトを狙い過ぎて説明不足だったと反省しています
修正したいです

能勢の若さについては気になっていました
一握りではありますが、ものすごく交番で職質を頑張った人が大抜擢される例もあるのですが、能勢の性格だと職質をかける度胸があるのかどうか……
この問題に対してはエピソードを追加してどうにかおさめたいと思います
ありがとうございました
  • 桂田武史
  • 2021年 06月03日 19時09分
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