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こんにちは逢矢と申します。

短編とのことで、早速拝見させていただきました。
SFといえば銀英伝くらいしか読書経験がないジャンルでしたが、拝見してこれは確かにSFジャンルだけど、主軸は家族とか介護とか、誰にとってもいずれは考えなくてはならないリアルなヒューマンドラマが土台のお話であると感じました。

地に足のついた文芸的な文章から紡がれる物語は、舞台こそ現代でも地球でもないけれど、いつの時代でも、どこが舞台であっても人は同じことに苦悩し、それでも先を進まなければいけない切なさというか、哀愁というか、そんな感情を揺さぶられた気持ちです。

読んでいたとき、途中までは奥さんがかなりクールで合理的なものの考え方をする人だな思い、ある意味やはり現実的でもあり、言っていることは確かに正論だよねと思いました。

ただ、一緒についていってあげるくらいはしてもいいんじゃないのかとも思ったのですが、その「行けない理由」が考えていたこととは違い、最後にどーんとやってきて「そうきたか!」と予想していなかった結末に驚きました。

そうか、それなら確かに一緒には行けないよね……それに義母のお世話を頑なに拒んでいたのも、そういうことか、と。
主軸が現代日本でも違和感のない内容であるだけに、SFジャンルとした理由はなんだろうとも思ったのですが、最後の最後で、ああこれは確かにSFが舞台であるからこそ、この展開が描かれるのだと感銘を受けました。

素敵なお話をありがとうございます。
僅か一万字のお話の中に、読んでおしまいとはならない後味のある物語でした。
面白かったです!
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