感想一覧

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[良い点]
切々と、沁みますね……
端正に綴られる言葉の数々。アンセスの前王の息女。彼女の名は結局、わからないまま。でもそのことが余計に謎めいた魅力を添えているような気がしました。

男の思考や言葉も、読み手がすんなりと己を重ねやすい立ち位置でした。

冬という冷たさと春の訪れ。
春はきらいと言った。ーーその言葉に、ラストのすべても集約されているようで。

「ブレイ」。

小鳥が覚えた言葉に、ぐっと来ました。
書かれていないことに。読後、タイトルを含めてじん……と、いろいろと想像を馳せて余韻に浸ってしまいました。

[一言]
こんばんは。ようやくお邪魔できました!
マヒロさまおすすめから失礼します。

素敵な、かなしいお話をありがとうございます。
かなしいお話も好きです。切ないです……
王女は、凍てつくしかなかったのかなと思うと。

小鳥が彼のもとに戻って来てくれて。そのことに癒されも、切なくもなりました。
はぁぁああ。(まだ浸っています)

しんみり。
ありがとうございました。


  • 投稿者: 汐の音
  • 2020年 03月18日 01時29分
>汐の音様

人物の名前を排除することで、ただひたすら淡々と進んでいく無感情さと、彼女の存在の不思議さがうまく重なればいいなぁと思っておりましたので、そう言っていただけてなによりです。
男は「傍観者」なので、たしかに読者と同じ立ち位置にいるのかもしれません。

こちら、色々と「書かない」ことで読んだ方に委ねている部分が多いので、描かなかったあれこれをお好きに補完していただければと思っております。
余韻が残るお話が好きなので、拙作にそれがあったとするならば、たいへんに光栄なのです。

読了、ならびにご感想。まことにありがとうございました。
[良い点]
こんにちは。

 作者様の作品一覧でこの作品を見つけて「ああ~~あの作者さんか!!」と思いました。
 この作品、確か以前ランキングにあったと思うんですけどわたし読みました。
 で、「うわ~~」と思ったんですけど、アンハピエンに異常に厳しい性格なので、その気配を感じただけで評価や感想の手が止まっていたんです。だけどずっと「いやしかし」って思っていたんですよね(ただのわたしの心の揺れ動きですいません)。
 ろくな感想言えない民なのでこんな感想になってしまうのですけど、心残りだったのでまた出会えて良かったです。

 すべてが一直線にうつくしいイメージですね。頁を開いたときにあの鳥籠のイラストと文字がくるところから、終わりまで、凛とした冬のように冷え冷えとしていてうつくしかったです。
>マヒロ(有沢真尋)様

お立ち寄りいただき、ありがとうございます。苦手分野にもかかわらず、恐縮です。
当方、退廃的でダウナーな風合いの作品が大好きなもので、どうしても暗い方向に筆を走らせがちなのです。
あらすじやタグで、ハッピーエンド・バッドエンドを記載しているのを見て、「ネタバレじゃん」などと思っていたのですが、読む方への配慮として記載するのだなぁと、最近わかってきたところです。

この作品は、冒頭に配置した表紙絵を含めて、ひとつの世界を構築しました。鳥籠とフォントも、イメージに合うものを探しました。
マヒロさんがおっしゃってくださった「凛とした冬のように冷え冷えと」は、まさに私が体感していたものなので、それが伝わったことが、とても嬉しいです。
感想を残してくださいまして、まことにありがとうございました。
[良い点]
最後の台詞。鮮やかと言いますか、素直に「やられた!」
悲しくて、でも爽やかな読後感を得ることができました。
  • 投稿者: 斉藤寅蔵
  • 40歳~49歳 男性
  • 2019年 11月15日 09時35分
>c5534様

ラストの台詞をやりたくて、作中では、登場人物たちの名前を排除しておりました。
映えてくれればいいなーと思っていたので、そう言っていただけてなによりです。

ただ「哀しい」だけで終わる印象にはしたくなかったので、爽やかな読後感を抱いてくださったのも、とても嬉しいです。

読了、ならびにご感想。まことに、ありがとうございました。
[良い点]
灰色の世界、が見えたような気がしました。
その中にぽつんと、紅色の世界が。
その時を待つ彼女も、その周囲も一見静謐なのですが、人間として捨てきれない情のようなものがラストの名前のシーンでぶわっときました。
ずっと抑えた描写をされていたからこその、ラストの感動だったと思います。
心打たれる物語をありがとうございました。

  • 投稿者: アンリ
  • 2019年 11月03日 21時32分
>アンリ様

表紙を作るときに探した写真は、葉を落とした高い木々が連なる雪景色の遠景写真でした。結局、そのあとで鳥籠の素材を探したので写真は使わなかったのですが。
ですから、「灰色の世界」というのは、私が想定している舞台イメージでして。
それらを感じ取っていただけたこと、とても嬉しく思います。

心理描写は外して、ひたすら淡々と綴ることを心がけました。
ラストシーンが映えればいいなぁと思っておりましたので、頂いたお言葉にほっとしております。

ご感想、ありがとうございました。
[良い点]
なんて美しいラスト。切なくて涙が出そうです。
[一言]
う……有るじゃないですか、恋(活動報告の続き)。それともないのかな? でも少なくとも彼女にはあったのでは……。
表紙の素敵さに加えて、タイトルも好きです。特に「籠」と「雪解け」を漢字にしていることで画数が増えて(細かいことを言うようですが)繊細さが際立つ気がしました。
でもこのタイトル、よく考えると意味深ですね。「待たない」ではなくて「待つ」って……どんな気持ちで春を待っていたのか……。
耽美的な雰囲気にひたらせていただきました。どうもありがとうございました。
 
>こまの優里様

そうですね。「恋」と呼べるものだったのかはわかりませんけど、彼女は男に心を許していたのだと思います。小鳥が名前を覚えてしまう程度には、名を口にしていたわけですから。

じつは当初のタイトルは「カゴの鳥は春を待つ」だったんです。やっぱり籠って字面がうるさいので。
でも、やっぱりなんか違うなーと思って、うるさいの覚悟で漢字にしました。
結果的に、内容に合致した形になりましたかね。

耽美! そう、それがやりたかったんです!
こまのさんの作品みたいな、あの気怠さ、退廃的な美しさ、みたいなもの、私も大好きで。
一歩でも近づけたら嬉しいです。

ご感想、ありがとうございました。
[一言]
ピンと張った空気感と
どこまでも高い蒼穹。
そんなものが鮮やかに見えるようで、
少ない会話に胸がつまりました。
あえてあらすじを読まなかったので、こんなラストだとは思ってなくて。
小鳥のフワッとした柔かさに少し和みます。
何度も読み返したい、上質の作品だと思います。
>相内充希様

私自身、この感覚をうまく言葉に乗せられないのですが、たぶん、相内さんのなかに広がったものは、わたしが見せたかった、感じて欲しかったものなのだと、そう思います。

同じ空間に居ながらにして、交わらない空気や、冬の荒涼感。
そんななかで唯一、「色」を伴って動いている小鳥はたしかに、和ませる存在かもしれません。

嬉しいお言葉、ありがとうございました。
[良い点]
「無礼」ではなく男の名前でしたか。
春になったら処刑されるとわかっていたのなら、春が嫌いと言いますよね、それは。
男も最初からわかった上で、それに乗っかっているんですね。
>鷹羽飛鳥様

そうなのです。実は男の名前だったのですよ。
あのラストのために、誰の名前も出さずに進行しました。

すべては決まっていて。期限付きのお仕事でした。
会話をすれば、大なり小なり「情」が生まれるでしょう。
そうならないために、慣れあいをしなかった元王女が、うっかり男と会話をしてしまったのは何故なのか。

いろいろと、敢えて書かずに進行しましたが、汲み取っていただきまして、ありがとうございました。
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