感想一覧

読み終えて、やさしく清涼な風が吹いたような心地です。
戦争で荒廃してしまった地上世界がある、というそのこと自体は本当におそろしく、物質、ひと、思い出、文化など、さまざまなものを失ってしまったのだろうと思えば、その絶望や悲しみがどれほどか、想像することもできません。
それでも、そんななかで見つけた光について、登場するひとびとがみんな、本当に大事にしている様子が胸にぐっときました。
お年寄りと孫くらいの子どもの組み合わせ、というのが、きっとよかったんだろうなあ、としみじみ思います。
列車が見せる景色を享受することに、なにか裏をふくんでいそうな喜び方だったりとか、あるいは、すがりついてせっぱつまっているような感じでもなくて。
純粋に喜んでいるんだなあ、という……逆に言えば、それほど希少であるということに繋がりはするんですけれども。

言葉を重ねれば重ねるほど、感じたことの本質からズレていくような気がして、もどかしいのですが、拝読していて希望を感じました。
と同時に、今ある世界が決して当たり前のものではないということ。
自然環境だったり社会や文明といった人ひとりだけに留まることのない大きなカテゴリー世界も、もちろん。
それからごくごく身近で狭い世界である人間関係においても。
私が与えられ、つかみとり、受け取っているひとつひとつを大事にしよう、と改めて襟を正す心地です。

失われた世界で、優しく温かい希望と未来をつむぐお話に、心洗われました。
素敵な物語をありがとうございます。

[一言]
　石江様は夏休み中はご多忙ということで、なるべくご迷惑をかけないようにしようと思っていたのですが。これは、レビューをかかざるを得ません（笑）。

　明日、ちょうど八月六日ですので、レビューを書いて投稿いたします。お礼とかは、いつでもいいので、どうぞお時間のあるときでお願いいたします。

[一言]
if企画で御作を知り、拝読させていただきました。四季や、私たちが今当たり前に生きている日常の色々が、ない世界……
冒頭部分の「外が見えるってどんな感じなんだろう」の子どもの言葉に、いきなり衝撃というか、“今の私たちにとって当たり前が当たり前ではない世界”に、ハッとしつつ引き込まれる感覚でした。
非常時には、どうしても実用的な面を優先させざるを得ないし、それは必要なことだと思いますけれど、
それでも人間にとって、一見実利的には役立たないとされがちな、“心”にかかわるものが、希望となるのでしょうね。
シェルターに持ち込める量が制限される中、人々が持ち出した思い出の数々が、今回の『未来号』に繋がったというのが感慨深いです。
車窓から見える四季、風景もとても素敵で、一緒に『未来号』を楽しんだ気持ちになれました。読ませていただきありがとうございました(*^^*)

[良い点]
∀・)名作ですね。ブライアンさんの企画に参加されたという作品との事で読みましたが、もはやこれって石江京子さま版銀河鉄道の夜といっていいんじゃないだろうか。
[気になる点]
∀・)なんだろう。なんでこんなに刺さるのだろうとあれこれ考えましたが、僕が広島で生まれ広島で歴史を学んできた哲学があるからこそ響いたものがあったのかな。
[一言]
∀・)この作品と出会えたことに感謝。またさらに誰かとの出会いがあることを願います☆☆☆☆彡

[良い点]
京子様らしい優しさに溢れた、とても素敵なお話でした。
子どもたちの未来が輝かしいものでありますように。
誰かを思いやる気持ちを大切にしていきたいと改めて感じました。
読ませていただきありがとうございました。

[良い点]
最終章を読みますと、観光列車につけられた「未来号」という名前の重みが改めて実感させられますね。
そして戦前の在りし日の姿を何とかして残そうとした大人達の思いが、痛い程に伝わってきます。
彼等大人達の思いが子供達に受け継がれて、力強い復興が実現できると良いですね。

[良い点]
子供達だけでなく老人までもが外界の景色を見た事がないという所からも、作品の世界が現代社会から大きく変化している事が伺えますね。
そんな近未来における観光列車の物語は、実に興味深いです。

[一言]
一体どんな世界観なのだろうとドキドキしながら読ませて頂きました。
車窓の先に広がる四季折々の風景が美しく、まるで自分も未来号に乗っているような気分で楽しませて頂きました。
おじいちゃんとおばあちゃんと子ども達が乗客であることの理由も成る程と思い、そして改めて当たり前の世界が当たり前に広がっているありがたさを感じますね。
駅員さん達の努力に胸があたたかくなりました。
石江さん、素敵な作品をありがとうございました。

[良い点]
企画より参りました。
終末戦争後の荒廃した世界で、このような素敵な観光を実現させるとは、優しく逞しい人達ですね。
「未来号」に乗って行き「希望号」で帰る。
「未来号」で見た景色を希望を持って帰った子供達が、おじいさんが昔見た景色を実際に見る事が出来る事を願います。
優しく、素敵な物語だと思いました。
興味深く、また面白く拝読させて頂きました。
ありがとうございました(^^)v
みこと

[良い点]
リアルを感じる復興策×SF
[一言]
なんとも……素晴らしい作品でした。
こんな未来も有り得るかも……の中での『未来号』。
老人たちと静かに拍手で称えたいですね。