感想一覧

▽感想を書く
感想絞り込み
全て表示
[良い点]
 バルドルが完全無欠の神でいられるのは、弟のホズが兄の負の感情を吸っているから。でも、バルドルの負の感情を吸う度に、ホズは凄まじい苦痛を味わっている……という設定が独創的で、面白かったです。
 第7話の「何かとバルドルと比べられるが、誰もホズのおかげで彼が輝いていることを知らない。痛いのも、苦しいのも全てホズだ」という文が、生まれる前からバルドルの影として生きることを運命づけられたホズの不幸を簡潔かつ残酷なまでに的確に表していて、印象深かったです。フリッグ様も、むごいことを思いつかれるもので(怖)。
 あと、ホズの苦しみも知らずに弟と妻の仲に嫉妬するバルドルは、完全に悪役ですね(汗)。でも、最終話でホズと交わしたやりとりには、ほろりとさせられました。

 あと、ロキの中性的美青年な描写が好きです! 昔、蒼樹勇さんという方が書かれたネットノベルを読んだことがきっかけで北欧神話が大好きになったのですが、エイカ様が描くロキにも、あの方の作品に登場するロキとはまた違った魅力を感じました☆
[気になる点]
 決して悪い点などではないのですが、昔北欧神話をかじった者としては、トールにも(ほんの顔見せ程度でいいので)登場してほしかったです。原典では語られませんが、オーディンだけではなく彼も、親友(腐れ縁?)であるロキの変貌ぶりには、きっと心を痛めていたと思いますので。
[一言]
 まったくの余談ですが、ロキがホズにあげた眼球は一体どうやって手に入れたたものなでしょうか? きっとロキのことだから、北欧神話原典のようにイーヴァルディーの息子たちやシンドリ&ブロック兄弟みたいな小人の鍛冶屋をそそのかしてつくらせた、魔法の品に違いありません!

 はじめまして、エイカ様。諸葛亮と申します。『北欧神話は語られない』、拝読させていただきました。面白かったです。原典とは一味違うもう一つの北欧神話、楽しませていただきました。ありがとうございます。

 ちなみにエイカ様は、ニール・ゲイマン著『物語北欧神話』(2019年 原書房)という本をご存じですか? 日本で読める北欧神話の再話としては一番新しいものだと思いますが、北欧神話好きにはお勧めです。よろしければ、ぜひ☆

 それでは、これにて失礼いたします。
 自分も創作、がんばります!
↑ページトップへ