エピソード14の感想一覧

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[一言]
エンターテインメントの世界で生きる者は、褒められる事を期待しすぎてはいけない気がします。
お客さんが求めるのは『自分が楽しめるもの』であって『大勢が楽しめるもの』ではないからです。

自分が泣きたい時に見たい映画は『自分』が泣けるものであって『全米』が泣いたかどうかは関係ありませんし、自分が読みたい本は『自分』が面白いものであって『大勢』が面白いかどうかは関係ありません。

なので『大勢が楽しめるもの』を目指せば目指すほど、合わなかったお客さんから批判される機会も増える訳です。

そういう環境で働きながら、仲間どうしで批判をせずに誉め合ってばかりいたら、お客さんから批判を受けた時に、怒りがお客さんに向いてしまうかもしれません。
由春さんはオーナーとして、仲間がそうならないように、お客さんよりも厳しくあろうとしているのかも、と思いました。

「星を得る為の祈り」の後のお話なので、自戒の意味もあるのかもしれません。
  • 投稿者: 柴田 洋
  • 2020年 06月29日 10時21分
柴田洋さま

 これまた深い感想ありがとうございます。
 そうか……そういう話だったのか……と、私も目から生ハムです。

 「お客様に怒りが向かないように自分が悪役になる」ってなんかすごくカッコイイですね。オーナーシェフとしてかなり重要な仕事をしていると思います。

 誰も彼もが聞こえのいいことを言ってくれたり、「もうちょっと頑張ろう」って優しく甘やかしてくれればいいですけど、生きているとそれだけじゃない場面はあるんですよね。そういうときにショック受けたり、逆恨みをしたり……。落ち込んで立ち直れなくなったり。
 そうならないように、まずは絶対に裏切らない信頼感が底に見え隠れする仲でのシミュレーション……。

 なるほど、そういう話でしたか、と考察に目のさめる思いです。
 どうもありがとうございました。感謝です……!
[良い点]
職人同士って妥協しないから、ぶつかり合うと血を見ますよねー。
伊久磨さんの存在はとても大きいです。
まさか超うんちくで丸め込んで冷やすとは思いませんでしたが(笑)そういうところも、真面目な伊久磨さんらしいですね。
三者三様っぷりが楽しかったです。
  • 投稿者: 遥彼方
  • 女性
  • 2020年 06月11日 10時23分
遥彼方さま

感想ありがとうございます!
職人同士でも、片方が相手に平伏していればそうでもないんでしょうけど、なぜかここの二人は張り合うつもりでいますからね……
伊久磨は伊久磨で面倒くさくなって、「俺も面倒なこと言っておくか。シェフにはどいつもこいつもうるせえってキレさせておこう」みたいな……

とはいえ、
意地を張るところ、釘を刺すところ、引き際。全員が呼吸を見間違わない関係なのかなと思います。こういう職種のひとは、どうしても家族より一緒にいる時間が長くなるので……
[一言]
タイトルを見て、「埴生の宿」を歌いたくなりました石河です。「おーい、水島!」(すみません)
第2話の続きとしてこちらのSSを拝読しましたが、それぞれの向き合い方が興味深かったです。

第2話でお客さまの指摘に素直に向かい合うことができなかった、そしてそれを反省した由春だからこそ、幸尚への言い方が無愛想で言葉足らず気味な一言なのかなと思いました。自分だって失敗したけれど理解できるようになった、お前だってできるはずだという信頼関係から見た確信みたいな感覚でしょうか。でもそれでお互いがギスギスするのはもったいないんですよね。

幸尚もきっともう少し時間をかければ、相手の言わんとすることは想像できるはずで、でもどうせならすぐにピンポイントで指摘が欲しいのでしょう。無意味に試行錯誤するくらいなら、ずばっと聞いてより良いものをできるだけ早く相手に渡した方がお互いwin-winじゃんみたいな。感覚的にとても新しいし、効率的だなと感じます。

そして彼らを動かす、潤滑油のような伊久磨。けれど無味無臭の潤滑剤ではなくって、ときどきピリッと、スパイシーな毒が入るところが面白いです。周りをよく見ているからこそ、人間関係を単純に促すだけではないということなのでしょう。

それぞれの性格がよく出ていて、海の星ならではの一コマだなあと楽しめました。椿屋さんのおふたりにも会いたいです〜
石河翠さま

今回も熱烈感想ありがとうございます!
そうなんです埴生の宿の原題でしたっけ。

家族でも兄弟でもないけど、職場であると同時に家みたいな空気です。
だけどお互いの境界は結構しっかりしているので、ぐずぐず甘えられない、ひりひりした緊張感がある三人です。それこそ、努力をやめたら置いていかれる。そこにはいられなくなる。そういう了解が全員にあると思います。

一緒にどこまでも生きたいなら(行きたいならと書きたかったんですがこの変換はこれはこれで)、常に全力で仕事に取り組むしかない、と。

それでいてたぶんあの挿絵の会話は「ハルさん今日のまかないどうします~」「うまいもんしか食いたくない」「わがままっすね~」とかだと思いますけど。

椿屋なんですよねえ。話を別立てすると煩雑になってしまうので、もう一人に関してもこちらに組み込む形で連れてくるしかないかなぁとちょっと考え中です~
[良い点]
SSを更新どうもありがとうございます!
汐の音さんの挿絵にドンピシャ!でした。
由春、雪尚、伊久磨さん…この三人の絶妙な立ち位置関係が、すごく良く表れている作品でした。
タイトルもウィットに富んでいて、お洒落で良いです。ちゃんと後書きでわかりやすく説明してある点も読者に優しい。
それにしても、この三人、それぞれが個性的ですね!
すごくキャラが立っていて、読んでいて、誰に一番惚れたら良いんだ⁈状態です。
本作は、ヒューマンドラマというより純文学に近いと感じます。
描写力然り、含蓄が深い。
読んでいてとても考えさせられるし、勉強にもなる作品です。
[一言]
>或いはクラシック音楽が流行らないのは何故かという話に、こんな笑い話がある。女子高生が『だってショパンもベートーヴェンも新曲出さないじゃん』と言った、という

ああ、そういうことも言い得て妙か!と、なんか深く肯くものがありました。
でも、古典、て良いんですけどね。音楽も文学も。
香月よう子さま

感想ありがとうございます!
挿絵を見て書いたので……。本来書く予定のなかった寄り道でした(笑

毎日毎日あんな感じで、怒鳴り合って、煽り合って、一触即発どころか止めようもないくらいぶつかりまくって、それでいて日々チームとして何気なく働いているんだと思います。

お互いの底にものすごく信頼があるんだろうなと。由春の腕、幸尚の意地、伊久磨のフォロー。「こいつは仕事をする上で、絶対に裏切らない」そういう関係。安心してぶつかって壊して、壊しながらも高め合っていけるような。恨みも憎しみも感じる間もないくらい毎日が忙しくて、相手のことが必要で。
年末年始とかきっちり休むんだろうなと思いますけど、三人の打ち上げは楽しそうだなって思います(笑 あ、忘年会だったら椿屋もまぜます? ちなみに椿屋は男二人です。そっちもキッツイです。いつ書こう……。

「新曲出さないじゃん」ってすごい発想だなって思いますよね。もちろん新曲出さなくても天才には変わりないんですけど。
死んだ天才に勝てる可能性があれば、本当にその一点、今を生きている人間は「今を生きている」という最大の強みがあるので、そこ生かしていこうよって思ってます~。
[一言]
>生きている者同士、作り手と受け手の間には対話の余地がある。
これはなろう小説にも言えることですよね。
せっかく作者の方に直接感想が送れる機能があるのですから、面白かったらどこが面白かったのか、逆に面白くなかったなら、相手を不快にさせないようにそれとなく悪かった箇所を伝えられれば、作品はより良くなっていくのではと思います。
そして今回も汐の音画伯のイラストが尊(たっと)い!!!!(拝)
これぞ宝の山ですね( ˘ω˘ )
間咲正樹さま

感想ありがとうございます!!
まさきさんのその、創作にひきつけて考えてくれる姿勢が毎回大好きです。

それが一流と呼ばれる仕事であれば、必ず他分野の相手にも響くはず。その思いで書いている物語が、読まれることでものすごく生かされている感じがあります。

過去の文豪でもなんでもいいんですけど、今生きている人間が死んだ天才に勝てる最大のアドバンテージって「今生きていること」だと思うんですよね。
流行り廃りも感じることができますし、場合によっては自分で解説もできますし、受け手と対話して共鳴したり高め合ったりできるかもしれません。死んだ人間には絶対にできないことです。そのメリットどんどん使っていきたいですよね!!

尊い発言もありがとうございます!!!!
[良い点]
ゆきさん、ハルさん、いくまさん……
(なんという奇跡的なバランス!)
[一言]
芸術家はたしかに「見たままで全てです」と、説明をみずからに禁じてしまう方が多いかもしれませんね。伝統的に。職人世界の古き良き……も、そうでしょうか(教えを乞うな、見て盗めという)

けれど、相手と自分が生きてる限りは言葉を介して、より深い理解をすみやかに得られる場合がある。
その可能性は、捨て去ってはもったいないこともあり。

……狭い店で、チームなんだと冷静に、ハルさんの冷却効果まで考えられるいくまさん。はぁぁあ……と、あの蘊蓄をうっとりと聞いていた変態です(すみません)

イラストを使ってくださってありがとうございます!
先にアルファで拝読しました!
こんなにハルさんといくまさんにうっとりしてますけど、ゆきさんも好きなんですよ。
三人がとても絶妙でした……

ごちそうさまでした!

  • 投稿者: 汐の音
  • 2020年 06月10日 14時29分
汐の音さま


感想&FAありがとうございました!
せっかくなので、FAにあわせて本編再開前に、ちょこっと寄り道をしてみました(笑
「閑話」や「箸休め」……と思ったんですが、全員がうるさすぎてどうにも……。

体力余した若い男三人なので血の気が多くて。伊久磨の蘊蓄も完全にあれわざとですよね。由春は面倒な職人気質だし、幸尚は勝気だし、「俺もちょっと面倒くさいこと言っておくか。毒をもって毒を制す」みたいな……

私としては、由春の言っていることはわかるんです。「作品の出来がすべてだ」という感覚。たぶんすべてに通じる。
だけど、今はSNSもあるし、作者もたくさん発信します。作品と作者を切り離すことは難しくなりつつあると思いますが、そこには良い面もいっぱいあるはず。「良いものを作ればわかってもらえる」なんてかっこつけてないで、自分で解説も説明もしちゃうのもありかもしれません。

言葉が少ないというのは、相手に依存しているだけ。楽をしているだけ。そう思うこともあります。それで「わからないなら、仕方ない」というのはただの拒絶じゃないかなと。

そのへん、幸尚は感覚がもっと若いですし、伊久磨もいろんな人の橋渡し役という仕事柄わきまえているのかなと思います。そんなわけで今回はちょっとやりこめられたハルさんなのでした(笑
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