感想一覧

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[一言]
切ないお話ですね。
真に迫っていて引き込まれるように
読ませていただきました。
感想ありがとうございます。
後に迷宮の秘密を英雄に暴かせたダイダロスは幽閉され、息子イカロスと共に脱出を試みるもイカロスは墜落死してしまいます。その時彼は、これは地の底に赤子を捨てた自分への報いだと嘆いたのかもしれませんね。
[一言]
何とも残酷で俗っぽい王妃様、その身勝手さが逆に人間らしい気もします。そもそものギリシア神話では、神様たちも非常に人間臭く呆れるほどに身勝手なものですから、後世に伝わっている神話の真実とは、案外こういうものなのかもしれませんね。

望まれずに生まれ厄介者となってしまった神話のミノタウロス。国が荒れないように王妃の咎をただひとり背負うことになった本作のアステリオス。結局のところ、神話にせよ現実社会にせよ、子どもたちが割りを食ってしまうのが悲しいところですね。

感想ありがとうございます。
本作は独自解釈ですか、神話ではこの後にクレタ島を訪れるテセウスという青年が、王と王妃の娘であるアリアドネの助けを借りてミノタウロスを退治したということになっています。

焦点がブレてしまうので本作では語りませんでしたが、本作の世界では後にミノタウロスの存在に疑問を持った聡明な少女アリアドネがダイダロスをしつこく追及し、真実を聞き出します。
それからダイダロスは己の贖罪のために、アリアドネは弟の魂の救済のために、地の底に隠された真実を陽の下に暴き出すべくテセウスを頼ります。しかし肝心のテセウスは英雄になりたいがために真実を語らず、牛頭の恐ろしい怪物を殺してきたと証言をしてしまうわけです。
ダイダロスが息子のイカロスと共に塔に幽閉されてしまうことも、テセウスとアリアドネの恋仲が上手くいかなかったことも、離縁したアリアドネが故郷に帰らなかったことも、この一連の事件に原因があるという解釈になります。

一概には言えませんが、人権の概念が無かった時代は「子供は産んだ親の道具」という考え方が強かったように思えます。自分の命と同じくらいに愛し尊重する対象ではなく、いざとなれば切り捨てて新しく作ればいい程度の感覚だったのではないでしょうか。
理想の環境を与えてくれる親ばかりではありませんが、現代の道徳観念の元に生まれてきた私たちはまだ幸運な方なのかもしれませんね。
[一言]
ミノタウロス、本当にこんな産まれ方をしていたらやるせないですね。
ダイダロスだってたまったものではないでしょう。
切ないですね。
でも、ダイダロスが、名もなき坊やに名を与えてくれた。
これだけが救いでしょうか。
それとも、僅かながらもかけてしまった情けが、更なる哀愁を誘うのか。

複雑な気分です。
  • 投稿者: 夕立
  • 2019年 12月30日 21時26分
感想ありがとうございます。
牛の頭で生まれてきた子に雷光を意味する名前が付けられた理由は何だったのか?
という疑問からこの話を書きました。
この子が犠牲になることで国の騒乱が事前に防がれたことを考えると、ミノタウロスこそが、かつてミノス王が拒否した美牛の代わりの生贄となったように思えます。

牛頭の怪物ミノタウロスではなく、暗闇を照らす者アステリオスの名前を覚えておいてあげることが、かつて居たのかもしれない赤子に対する供養になるのかもしれません。
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