感想一覧

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[良い点]
はじめまして。通り掛けに本作読ませて頂きました。
普段は感想しないタイプの読者なので、読みにくい文章があったら申し訳ありません。先に謝らせて頂きます。

1000文字程度に収まっていて、とっても読みやすかったです。
[気になる点]

簡素な文体に運びに起伏が無い。
アッと驚く山場までが短いので、なにをどう「アッ」と驚いたらいいのか、難読しました。

率直な感想を綴らせて頂きます。

タイトルから入って、初めの一文との相違。「引用/セピア色した昔の思い出。」となっているあたりから、なにか明確な意図があって、重言に近しい入り口の書き方をしたのでしょうか? 引っかかったので考察してみました。「セピア色」という固有名詞が入っているから、「昔」と書いたら頭痛が痛いと同じ感じの重言みがあると思ってしまいました。

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セピア色 せぴあいろ #とは
昔のモノクロ写真は時間がたつとセピア色に変化したことから、過去を懐かしむ代名詞としても使われる。

昔 むかし #とは
今とは異質だと思えるような過去。長い年月をへた以前。ずっと以前。あるいは一続きの十年ごと(含み)をまとめて考えた過去。

思い出 #とは
過去の体験を思い出すこと。特に、体験した事柄で今も印象に残って思い浮かべる、その事。
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遠い昔の「過去」という意味であったのならば、彼女が本作の8割を占める内容を思い出した「きっかけ」がなんであったのか、私は気になりました。なぜ彼は私の元を去った事に対して、セピア色した昔の思い出、つまり、かなり昔のことであったことを思い出した「きっかけ」が気になります。

「ふと、」だったのか、「今カレとの出来事で、」とか、

倒置法の部分のみが「一人称話者」だったのでしょうか。

三人称話者「引用/セピア色した昔の思い出。」

一人称話者「引用/彼は私のもとを去った。それから一切の連絡もよこさないで...。」

三人称話者「引用/海辺の寒々とした冬の浜辺を歩く二人。」
ということだったのでしょうか。でしたら、尚更、一番初めの三人称話者「引用/セピア色した昔の思い出。」の部分が引っかかりますね。この過去の記憶は誰目線からの過去の記憶、こと思い出だったのでしょうか。

私、気になります。
彼女、あるいは彼について、掘り下げてあれば、もっと面白いと思いました。場面の切り取りとしては、初めの部分が、緩慢というか漠然としていて、とても散文的だと思います。もかしたら、背景描写を足すと、はっきりくっきりとしてくるでしょう。

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上記で言及したとおり、二人の関係性がまったく見えないので、恋人どうしで言うところの「彼」であり「彼女」なのか、セフレ的な意味での「彼」と「彼女」なのか、はたまた、一緒には寝るけど「彼」と「彼女」は付き合ってません。なのか、実は「兄」と「妹」なのか「弟」と「姉」なのかもはっきりとして来ないので、なんとも、すごく、読者である私は蚊帳の外なんですね……悲しいです……

「引用/「どんな病気?」」
どんな病気なんですか?
「引用/彼はフフッと少し自嘲気味に笑いながら言った。」
どうして答えてくれないんですか?
実はシリアスなギャグだったりするのでしようか。
前の文に「引用/彼女はそれ以上訊くのをためらったが、勇気を出して訊いてみた。」とあったので、この流れでよくわからない厨2みたいなセリフを言われると、読んでる私は困るのですが。読解力がなくてすいません、この後に続く文章が「引用/「あなたに自殺願望があることくらい、当にわかってたわよ。だからこっそりあなたの隠してたピストルの玉を抜いたの。無鉄砲な行動、ニヒルなムード、どれをとっても自殺志願者のそれよ」」と続くので、自殺願望があるのと重い病気の因果関係が無いのです。さらに言うと、重い病気で自暴自棄になっていたとして「「この世にある全ての歯車から、僕は取り残されてしまったように感じるんだ」」と感じるのでしょうか。やはり「彼」が語る背景、事象、その経緯、そこに至るまでの過程がないため、よくわからないのです。「引用/この世にある全ての歯車」とやらは人間における「生きていく」あるいは「輪廻」という意味合いでいうなれば、死を望むことは、なんら、歯車から外れない行為ではないのでしょうか。あるいは、この後、その「重い病気」とやらで「社会の歯車」から外れる、つまり、社会的に使い物にならなくなるから「取り残される」と言っているのでしようか。というより「歯車」なのに「取り残される」って意味がよくわからないですね。「歯車」なのに、かみ合わせ、どこにもかみ合っていないんですね。はじめから、どこにも、かみ合っていないモノが、取り残されるって、別に居なくてもいいのでは……?

どちらのかの視点に三人称話者として置くとしたら、叙述トリック的な効果を使うとしたら「彼」であるべきでしょう。しかし、プロローグ?というのでしようか、一番最初の視点混合のよくわからない塊文が「彼女」視点になっているので、この三人称話者だと、とっても「画」的というか「静止画」に近しい印象ですね。それなれば、あえてカギカッコをつかわないモノクロ画、それこそ、一世代前、あるいは旧式の、「セピア色をした」サイレント映画風の語り口であれば面白かったかもしれませんね、より効果的に場面を〝魅せる〟ことができると思いました。

あと「引用/彼はピストルのトリガーを頭に向けて撃った。」彼は自身の頭にピストルの銃口を向け、トリガーを引いた。ではないのでしょうか。ピストルというくらいだから当然トリガーも頭を向いている、という意味でしょうか。特にピストルの銘柄/種類に指定がなかったので、ピンときませんでした。(この部分は趣味です。私は拳銃が大好きです。たぶん想定しているのはオートマチックでしょうか?しかしオートマックなら手ごたえでそもそも空であることがわかります。リボルバーでしょうか?リボルバーなら弾がはいっているか入っていないかは、見ればわかります、よほど慢心/安心しきっての自殺なんでしょう。短絡的な性格であることは「彼女」に指摘されてるところから、察しますが、ここまで間抜けだと、思わず苦笑いが。(共感性羞恥というのでしょうか))あと玉じゃなくて弾かも。弾丸なので。

あと個人的には、自殺志願者の自殺を止められたこの「彼女」さんに対して、「引用/「おれは、、、生きてていいのかな?」」と言える神経が理解できないです。自殺してしまうような態度を「彼」は「彼女」に、こんにちに至るまでとっていたのでしょうか? 新聞を読みながら「これだから現実世界は」とか、項垂れながら「会社に行きたくない」とか、重い病気の薬を隠して飲みながら「死にたい」とか、そういうそぶり、モーションを彼女に対してしていたのでしょうか?あるいは、そういうモーションを彼女にわざと隠していたのでしょうか? 彼女がなぜ、彼が自殺を志してしまったのか、そういう背景が見せません。あるいはその「重い病気」が「精神的な病気」なのでしょうか。敬愛する芥川龍之介センセが言うところの「ぼんやりとした不安」が「重い病気」つまり「死に至らしめる」ような「重い病気」だったのでしょうか。だから「重い病気」というのを、「どんな病気?」という質問に対して「答えない」というモーション、態度をとったのでしょうか。仮にそうだったとしたら、これからその重い病気が発症する=自殺をする。ということでしょうか。それならば彼が供述する「引用/「この世にある全ての歯車から、僕は取り残されてしまったように感じるんだ」」というのが完全に物語から「浮いた」セリフになって、意味がなさない、作用しない、本当に厨2的なセリフになってしまうんですが、そういう解釈でいいのでしょうか。

読めば読むほどよくわからない散文詩ですね。背景が欲しいです。隣に寝ていれば恋人なのか。(まだ言うかお前)
あと「引用/そしてそこには置き手紙が置いてあった。」お気づきかと思いますが重言ですね。頭痛が痛いと同じで、「手紙が置いてあった」あるいは「置き手紙があった」が読みやすいと思います。

総括するとよくわかりませんでした。
わからない理由を自分なりに書いて感想と〆させていただきます。


[一言]
面白かったです。
  • 投稿者: 朱雀
  • 23歳~29歳
  • 2019年 12月28日 21時38分
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