エピソード108の感想一覧

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[一言]
記憶は薄れても強制力は残るんですね。タチが悪い…
生焼け肉様、いつもありがとうございます☆
(〃´ω`〃)

仰る通りです!
゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜

強制的にやる伝言ゲームのようなものですね!
いくら血縁関係とはいえ別の生き物なわけですし、意志はどんどん曲解されていきます。

例えば初代が「追放された故郷に帰りたい。返り咲きたい」くらいのつもりで引き継いでも、意志は授けられた人間の私情によってどんどん歪められていきます。

セイドラントは大国(ラーヴァリエとゴドリック)に挟まれ、かつ信用ならない蝙蝠外交の小国に囲まれてかなり苦労した国です。
そこを束ねるブロキス家の重圧はかなり重く、真名の誓約はそれに対する恨み節が含まれていくようになりました。

そのせいでブロキスの頃には「我々を追放した憎いアシュバルを滅ぼす」といった意志に変わっています。

その感情が無意識のうちに自分の思想に介入していき、ふとした拍子に言動となって表れてしまうというわけです。

引き継いだ者は意志にとりつかれるか分裂する心に耐えられなくなって病みます。

ただ、翁社護も言っていましたがブロキスは10余年前にアシュバルの地を踏んでいます。
この時ブロキスは「ザニエ」ではなく「ゼナ」と愛称を名乗っていますが、真名の呪いは既に父王から引き継がれた後です。

ブロキスは翁社護らと共にラーヴァリエに反逆する勢力(かつて先祖を追放した者たちの子孫)を倒すことで初代の念願を果たしたはずなのですが真名の誓約が解けることはありませんでした。

前述のとおり、誓約が曲解されてしまっていたからです。

ちなみに誓約を解くことは理論上可能です。

真名を授けた子供に真名を教えないこと、子供の生殖能力を奪うことのどちらかをやればよいのです。

ブロキス家は子宝に恵まれず、真名を引き継がせる子と家を継がせる子を分けることが出来なかったので代々子供の生殖能力を奪うことが出来ませんでした。

ですが、愛称を用いてある程度抵抗しようとした形跡はあります。
それでも「近くに住んでいる」以上はふとした拍子に真名を呼んでしまいます。

こうして呪いには抗えず、ブロキスの代までずるずる続いてしまったのでした。

最後に。
この呪いは必死で抗うほどのものでもない、という点がたちが悪いですね。

「呪いだから」といって子供の生殖能力を奪うような真似をすれば自分が汚名を着ること間違いなしです。

「アシュバルを滅ぼす」という意志にも期限はないので、早く子供を作って真名の誓約を引き継がせれば自分は解放されます。

上手くいけば代をまたいででも大功をあげられますが、下手すると無責任が地味に連鎖する呪いですね。
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