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[良い点]
潜水艦と潜水館をカケた名称が好きです。

とにかくシンプル✨ 必要最低限のものだけで、余分なものは一切省くというのは、そのぶん味気ない気もするけど、従来の館ものの雰囲気を零から塗り替える、まったく新しい雰囲気と試みの作品ですね。まさにシンプル イズ ザ ベスト✨

登場人物の数が少ないのも、五人の名前が漢数字で統一されているのも助かりました。物覚えの悪い私でも一発で覚えられ、ここでも推理に気が散らない工夫がされています。物理苦手なので最初は敬遠しがちだったのですが、一話あたりの分量がちょうど良く、とにかく分かりやすい中身で読みやすかったです。

五人の相続候補人、さらに連続殺人が起こるとなると、主人公を抜かせば、かなり容疑者が限られてしまいます。まさに1/2の確率。なのでフーダニットよりはハウダニットに重点を充てた作品で、推理に集中しやすいです。

正次郎の考え方、愛し方は野性的だと感じました。獅子は我が子を谷底に突き落とし、這い上がってきた子だけを育てると云いますから。危険な目に遇わせ、生き延びた子供にだけ相続させるは、理に敵っていると思います。正次郎なりの子供たちへの愛情だったのかな、と。

紅一点の真ん中っ娘には、何かありそうだなーと思っていたけれど。わたしは最後、二郎を殺してしまうのだと思っていました。けどまさかの、その手があったか……!でした。流石です、女性は頭良いー! ヤられました。
[一言]
まずは犯人もトリックも当てられませんでした。換気扇の風圧で、扉を開ける方向に水圧の向きを換えた……? とか考えていたので。風力が水圧に敵うはずないのに全くアホです。

ただ、トリックを実行するには、前もって館のカラクリを知っていないといけないので、生前の正次郎と示し合わせた共犯者が、兄弟の中に潜んでいるとは思っていました。

9時2分に浸水が始まった時、二郎と一緒にいた三枝を疑いました。もしも水溜めの仕掛けが手動であれば、二郎と話していたから遅れたのだとばかり。とにかく浅はかでした。

私が懸念したのは、最後の日に犯人は残りの標的ふたりを纏めて殺すのではないかということです。犯人とターゲットが一対一になった時点で、その人物に悟られますから。下手な抵抗される前に、纏めて始末するのではないかとハラハラしてました。

短編として良く纏まっていて、読みやすかったです。たまにはこんな、斬新で変わったクローズドサークルを読めたことは爽快でした。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2021年 01月05日 01時11分
管理
乾様

誠にお世話になっています。過去作たくさん読んでくださってありがとうございます!

タイトルは,0.5秒くらいで閃きました(笑) 他にないじゃないですか(笑) むしろこんなに安直過ぎていいのかな,とか,同名の作品がないかなとかハラハラしたのを覚えています。

多分これは僕の脳のキャパシティの問題なのですが,あまり余計なことを書くと頭が混乱してしまってイライラしてしまうんですよね(苦笑) この作品は,とにかくアイデア一本勝負で,裸のアイデアだけをみなさんに披露したかったので,とにかく早く書き上げなきゃという思いで,必要最小限のことだけを書きました。ネット小説だから許される手法かなとも思うのですが,この作品以降は,割とそういう感じで余計なことは省くということを徹底しているような気がします。それでいて,その部分はそれなりに評価いただいているので(電子書籍化したときも,編集担当者にそこを褒められたことを覚えています),余計なことは書かないスタイルを継続します。

それにしても,この作品は余計なことを省きすぎたとは思いますが。

むしろみなさんの作品を読んでいて,なぜこんなに登場人物をたくさん出せるのか,と驚き慄いたところです。脳のキャパシティが大きいのだな,と。しかもキャラまで書き分けててすごい,と。

フーダニットがあまり書けないんですよね(苦笑)そこまで気が回らないんです。。

獅子は我が子を谷底に落とす,っているのは,まさにそれだなと思いました。素晴らしい表現ですね。奇妙な建物を作る動機の部分はなかなか難しいところがあったので,「コロシアムを作る異常な父親」というところでなんとか押し切ろうとしました。遺言に基づく遺産争いというのも超シンプルですよね。とにかくそこは早く書ききるためにシンプルな設定にしました。

最後の三枝の展開は,最初のプロットにはなくて,書いてるうちにふと思いついたんですよね。正確にいうと,最終話だけを残して,皿洗いをしている最中ですが。
この最後の展開はこの作品でも評価をいただけている部分なのですが,偶然の産物という要素が強くて,部屋の位置関係とかからたまたま生き残ったのが三枝だっただけなので,もしも三枝が一枝とかだったらこの展開にはならなかったと思います。三枝が三枝でよかったです。

換気扇の風圧を使う……その発想は全然なかったです。丁寧に,色々と考えながら読んでいただいてありがたいです。

三枝を疑ったのはミステリー的に正解ですね。なるほど。勉強になります。そういう設定にした方が明らかにフェアでしたね。そこまで頭が回りませんでした。というか,フェアに推理していただくのも結構苦手なんです。読者への挑戦状とか夢のまた夢です。


「そして誰もいなくなった」系の作品だと,たしかに最後の日をどう持っていくのかは悩みますよね(ちょうど「メビウス館」で悩みまくりました)。合理的に考えたら,まとめて殺しますよね。ただ,それだと作品が成り立たないというか(苦笑)新本格の永遠の課題の一つかもしれません。


恥ずかしながら,本格ミステリを読み始めたのが最近なので,見よう見まねで書いているような部分もありますが,丁寧に読んでいただき,丁寧にご感想も残していただき大変ありがたいです。

今後ともよろしくお願いいたします。

[良い点]
~ネタバレがあるので、未読の方はご注意ください~







こんばんは、『潜水館の殺人』拝読させて頂きました。

水圧による密室を扱ったミステリは何作か読んだことがありますが、単に「水で扉が開かなかった」だけで終わらず、「どうやって開けたのか?」まで踏みこんでいる点が印象的でした。脱出トリックが秀逸です。

海水の痕跡が多少なりとも部屋に残るような気もしますが、極限状況なので登場人物たちが気づかなくても不自然ではないと思います。

最後のどんでん返しも綺麗でした。

沖野様

またまたご感想下さりありがとうございます!!心の支えです!!

水圧による密室って既出だったんですねwwめちゃくちゃ閃いた気でいましたww

というか、水圧による密室を扱うんだったら、本作以外の使い方はないような気もするんですが、脱出トリックは既出じゃないんですね。。それも不思議な話で。。。


それがですね、他の方からもご指摘いただいたことがあるのですが、実は僕的には海水じゃなくて真水なつもりなんですw
海沿いなので、海水っぽいですよね。。なんか使い回してるので、海水っぽいですよね。。ただ、真水のつもりでした。。。


最後はもう病気みたいなもので、すぐああいう感じのオチにしちゃうんですよねwハッピーエンドにしたいんですがw

ありがとうございます!!とても励みになりました!!
[良い点]
トリックとオチの二つがどちらも良かったです。
ずっとテンション上がってました。
[一言]
お久しぶりです!
復帰されて嬉しいです。

トリック……見破れませんでしたっ。
車の話があったので、本文で書かれるより前にドアに窓ついてるんだろうな~、ぐらいにはたどり着いたんですよ!!でも!!普通に窓割るのかと思っちゃいました……!

・部屋割り大事
・部屋にナンバーが振られているのは怪しい
・被害者の部屋は水で満たされていた
っていう割と答えが分かりそうなところに着目はしていたんですけど、残念ながら正解にはたどり着けず、無念です!!

というか二郎を除いて四人全員が、軽度な人もいますが、ろくでもないですね。
一郎→下品
三枝→ラスト
四郎→言わずもがな
五郎→冷たい印象(早々に退場したのでイメージでしかないですが、残っていたら何かしでかしてそう)
なんというか、父親と血がつながってる感じがしてすごくいい感じです。


クローズドサークルのお話で、LOOP THE LOOPというスマホアプリをご存知でしょうか?
シリーズで出ていて、一番最初のお話は「飽食の館」なんですよ!
事件が起こるまでが長いですが、よろしければ、なろうで館シリーズがテンプレになるまで待ってる間に読んでみてください(笑)

そしてそして今回も!
面白いお話をありがとうございました。
次回作も楽しみに待っております!!!
月宮様

また月宮様とお話できて嬉しいです!!
今でもまだチシャ猫みたいな猫かうさぎのアイコンが脳裏に焼き付いてます!!

温かい言葉ありがとうございます!!
今、無駄に仕事で忙しくしている中で長編ミステリーを書いてるのですが、自分の思い通りに書かなくて挫折気味でしたが、勇気をもらえました!!ありがとうございます!!

もうほぼ正解だと思いますw正解でいいんじゃないですかww
部屋割りとかナンバーとかは実はとってつけたようなところがあり、書いてる途中にふと思いついて書いたところなんですが、案外効いてたのかもな、というところです。


マジでキャラ付けはしないで執筆開始してたので、登場キャラ全員がロクでなしなのだとすると、もはやそれは作者がロクでなしであることの証左でしかないですww
キャラ付けって難しいですよね。。
主人公は、どうしても自分自身の鏡になってしまいますし(作品によって書き分けられない)……今、彼氏視点と彼女視点が交互で現れる作品を書いてるのですが、めちゃくちゃ難しいなと思ってます。恋愛って独りよがりなものなので、うーん、という感じです。


L T L、早速ダウンロードしてみました!!
館には来たのですが、まだ全然事件起こらないです!!!!←
多分事件起こるより先に館シリーズがテンプレになってしまいます。。


次回作が難産すぎて泣いてますが、僕も月宮様の新作待ってます!!!
[良い点]
拝読しました。面白かったです。

~以下ネタバレあり~



2日で作ったとは思えない完成度でした! 短編にとどめるのは勿体ないくらいの大がかりなトリックも素敵です。

血痕の謎はなんとなく分かりましたが、密室への侵入方法は完全に盲点でした。手がかりの示し方も上手く、脱帽ものです。
また、部屋割りに重要な手がかりが隠されていたのには痺れました。パズルのような論理は読んでいて爽快でした。
そしてラストもにくいですね。あのキャラにちゃんと意味があったのは良かったと思います。終盤まで読んで、三郎にしなかったのは単なるキャラ付けだけかあ……と一瞬がっかりしてしまった自分を殴りたいです。ちゃんと意味がありました。

菱川様のどんでん返しを久しぶりに味わえて幸せです。素晴らしいミステリをありがとうございました!
みのり様

ありがた過ぎる、本当にありがた過ぎるご感想ありがとうございます!!
作品も作者もとても救われました!

個人的にも、トリックは長編向きだったかなと思ってます。みなさんからご意見をいただけた今となっては、長編とする場合こことここの展開を書き足せばいいんだなというイメージも沸きますし。書きませんがw


血痕の謎の気付いて、水圧に気付かないパターンがもしかすると作者的にはもっともしたり顔かもしれません(笑)
部屋割りは意外と気を遣ったので、評価していただいて嬉しいです!!人物描かなすぎたので、部屋割りくらいしかフーダニットの要素がなかったという事情もあり。


いやあ、三枝のキャラには意味ないんですよねww
男5人だとキモいなと思い、女子を一人入れなきゃと思ったときに、三くらいしか女子の名前がはまらなかったんですよ。。
単なるキャラ付けだったのですが、トリック全て書き終わった後に、うーん、なんか収まりが悪いな、と思い、無理やりひねり出したのが最後の一話でした。。


昔の自分の作品を見てるとどんでん返しばかりで、自分で読んでても驚きます(苦笑)
当時ほどどんでん返しへのこだわりは無くなってしまったかもしれませんが、最後はなんとか捻るよう頑張ります!!

ありがとうございました!!
[一言]
(若干のネタバレありです。ご注意ください)

最後まで楽しませていただきました。
短時間で書き上げた作品と云うことですが、物理的なトリック、大掛かりな仕掛けと、意欲作だと感心しながら拝読しておりました。
2分のズレから共犯者の存在を疑っていましたが、どうしてあの人物が選ばれたのか、理由が弱かったので、少し納得がいかないところもありました。
換気扇の形状をハッキリ説明しなかったのは、フェイクだったのですか。ちょっと、ズルい。w
最後のどんでん返しですが、あれはアリだと思います。この兄弟でしたら、最初はその気が無くとも、チャンス到来とみればあのくらいの変わり身はやりそうな気がします。
そのくらいの毒を盛っていた方が、ミステリって面白いと思うのですが。

次回作も期待しています。
  • 投稿者: 澳 加純 
  • 女性
  • 2020年 02月27日 18時54分
加純様

読破していただきありがとうございます!!
わずか数日前ですが、もうあの日には戻れないなと思うくらいの集中力で書きました。。評価していただけて嬉しいです!!

人物が選ばれる理由というのは、盲点でした。。たしかに、真面目に分量を割いて書くんだとすると、そのあたりのエピソードは必須かもしれませんね。正次郎と子供たちの交流関係ですね。ご指摘ありがとうございます。
まあ、基本的なイメージとしてはファンがむき出しな感じをイメージして描いてましたが、描写力もないのでw

イヤミス部分を評価してくださりありがとうございます!!
ミステリ好きにはこういう展開の方がウケますよね!なろうの一般的な読者層だと逆なんですがw過去にイヤミスになりそうなところを無理やりハッピーエンドに変えたことが何度あったか……

次回作書きたいんですが、今週仕事忙し過ぎるので書けるか微妙です。。構想は常に練っていたいです!

このたびは色々とお世話になりました!!!
[一言]
~若干ネタバレ有りなので未読の方はご注意を~



菱川さんの『館』訪問させていただきました!仰っていた通り、真っ向から物理トリックに挑んだ意欲作でしたね!
淡々とした文章と、テンポの良い展開のため気づいたら最後まで読み終わっておりました(笑)やっぱり女性は恐ろしいですね~。異母兄弟だから恋愛展開にはならないだろうと思っていましたが、まさか……!って感じでしたね。

肝心のトリックに関しましては、お恥ずかしながら全然わかりませんでした。水で扉が開かないっていうのが実は嘘で、何か別の仕掛けがあるのかな―とか。ウォーターカッターで首を切り裂いてるのかなーと考えていたのですが、全然違いましたね(笑)犯人だけが持っているアイテムはちょっと卑怯かなという気がしないでもないですが、そもそもこの館を建て、彼らに試練を下した正治郎の動機を考えれば納得のいくトリックでした。

しかししかし、このクオリティでこの長さの作品を構想一日、執筆一日で書き上げるとは、菱川さんは本当に凄いです。まだまだ執筆の構想もあるようですし、これからの活動も期待して待ってますね!
  • 投稿者: 天草一樹
  • 23歳~29歳 男性
  • 2020年 02月26日 18時32分
天草様

 一番読んでいただきたかった方に読んでいただけて嬉しいです!!

 人生で最初で最後の物理トリックかもしれません。

 文章表現で悩んでいると1日では書ききれないので,表現には一切こだわらず,とにかくトリックが伝われ,という気持ちで書きました。

 最後の1話は直前まで全然考えていなくて,ただ,なんとなく相続人2人で終わるのが座りが悪いな,と思っていて,かつ,二郎が四郎の服を着ているというミステリ的に大変美味しい状況を使わなくて良いのかという気持ちがあって(京極夏彦の「天狗」なんかを思い出しました),雑かもしれないけれども女性を最終的に悪者にしました。
 なので,三枝のキャラクターは,当初は悪者設定ではなく,純粋な人というイメージで描いていたのですが,最終的にその純粋な人っぽさが悪者設定にハマったなと思っています。意図せずできたのが最終話です。

 ウォーターカッターは考えませんでしたwwなるほどそんなミステリー向きな凶器があるんですねww
 犯人だけが持っているアイテムはたしかに卑怯ですよね。。ただ,それがないとトリックが全く成り立たないので,この小説の本質なんですよね。悩ましいです。
 なんとなく,フェアっぽくするために,ナンバープレートを貼り,ナンバープレート通りに客室を割り振ったのは四郎だ,というような記述を加えました。


 twitterではつぶやいているのですが,今書くなら「ダイヤモンド・プリンセス号の殺人」しかないと思っています。あまりニュースを見ないので詳しくないのですが,いろいろ調べて書けそうなら買います。無理そうなら心理ミステリーに逃げます。そのときはダイヤモンド・プリンス号の殺人は任せました。経験上,かなりPV数はいくと思います←
[一言]
なんとなくトリックはわかったような気なします。

館の構造を上手く利用した、かなり大胆不敵な兇器だと思うのですが。
ネタバレになりそうなので、これ以上は言えませんよね。
解決編を楽しみにしています。
  • 投稿者: 澳 加純 
  • 女性
  • 2020年 02月26日 15時52分
加純様

 ご感想ありがとうございます!!

 トリックが分かっていただけたならば,それは作者冥利に尽きます。それだけフェアな作品が書けたということになりますので。
 館の構造の一点に絞ったミステリーなので,そこが印象に残ってもらえれば嬉しいです。

 解決編をお読みいただいてから,またご感想をいただけると嬉しいです。

 よろしくお願いします!
[良い点]
 はじめまして。

 大胆な構想と、読みやすい文章の作品で、楽しませていただきました。
[気になる点]
以下、ネタバレとなる文章ですので、未読の方は、これ以降の感想を読まないでください。


フィクションで楽しむだけなら『あり』かなというトリックですが、現実にはいろいろな面で、やや厳しいトリックだと思います。

 まず、天井の換気扇(ドライヤーのイメージでしょうか?)による、乾燥パワーがすさまじいことが気になります。お風呂場の換気扇を30分かけて、風呂場がカラカラに乾燥するかあやしいと思いますが、潜水館の部屋は、換気扇がまわっていたからすぐに乾いた、とあっさり説明されています。そのような換気扇が天井で常時まわっていたら、強風と熱風で、相当に居心地が悪い部屋になりそうですし、石の壁が渇くのはまあ許せるとしても、被害者の髪の毛や服が渇くとなると、洗濯乾燥機の中でも完全に乾くのに時間がかかるのに、4畳の大きさを持つ部屋の中では、かなり無理がありそうに思われます。

 次に、毎晩供給される真水(濁っている)の保管場所も、現実問題としては、説明が必要ですが、この真水は2夜に渡って血で汚されていることを考えると、その相違に参加者が気付かないのかなということも、気になります。
 さらには、水をいったん注ぎこんでから、その水を抜く、そして、その水を再利用して翌日も注ぎ込む。簡単そうで、ものすごいパワーのポンプが必要となります。

 最後に、殺人が起こって血で汚された部屋が、解決編の説明で見事に説明されるわけですが、そこらじゅうが血だらけになっている状況を、痕跡を残さないまできれいに掃除することも、現実的にはなかなか難しいことなので、そのあたりも結構簡単に説明されてしまっている感じを受けます。
[一言]
 『大胆な構想』と、『現実路線』は、両立を目指して平凡なイメージの作品にしてしまうか、多少現実路線に目をつぶってもらって、『大胆な構想』を堪能するのか、という観点において、本作は後者を意図的に書かれている作品だな感じました。
 とにかく面白かったです。次回作も楽しみにしています。
  • 投稿者: iris Gabe
  • 2020年 02月25日 23時11分
iris Gabe様


 返信が遅れてしまい,申し訳ございません。
 
 大雑把な性格の問題なのですが,僕は現実路線よりは大胆な構想を常に意識しますね。もちろん世の中には現実路線と大胆な構想が両立している作品もわずかに存在していて,東野圭吾の「容疑者Xの献身」なんかは両立しているなと感じるのですが,そのレベルの作品はこのミスも直木賞も取ってしまうわけで,一生に一つくらいそういう作品を生み出せるか出せないかのレベルだと思っています。
 あと,これは完全に性格の問題なのですが,正確性よりも分かりやすさを取ってしまうんですよね。完全無欠で正確な描写を心がけようとすると,文章としてめちゃくちゃ退屈になってしまうと思うんです。理解されなければ執筆する意味もないと思うので。

 という考え方を前提に,iris様のご指摘ですが,至極ごもっともだなと思いますし,分かりやすさと両立した上で修正可能な気がしましたので,修正しました。


 まず,館の壁の色を黒灰色にしました。そして,客室の水は血で染まっていただろうが,相当に水で薄まっており,黒灰色の壁では目立たない。匂いもわずかで,その場に死体があることから死体が発しているものだろう,というような記述を加えました。
 まあ,それでも部屋がきれいにできるかという問題は残るのですが,そこは目をつぶってもらうしかないかと思っています。

 
 そして,換気扇のパワーの問題なんですけど,実はこれはトリックと直接関係しないので,乾くまで1時間でも2時間にしてもトリックは成立するのですが(密室になっている時間は約12時間であり,たとえば午前1時か2時に犯行が行われたとすると乾く時間は十分にある),考えたところ,この換気扇のパワーが「異様」であることが,本作の推理に役立つ気がするので,変な話「異様」な乾燥力を持っている方が探偵小説としてはフェアな気がしています。
 そこで,ちょっとだけ乾燥力を落としました。乾くまで数分はかかるかな,って具合で。

 換気扇がドライヤーなのかファンなのかという問題ですが,ここはあえて記述しないで,読者の想像にお任せするというズルい形式をとっています。換気扇犯人説というフェイクを入れたかったので……

 
 工学的に水が行き来する館が作れるのかという話については,僕は作れないと思っています(断言)。まず,ドアノブタイプでは水密扉が作れないと思っていますし…(原発の建屋などにある水密扉は,ハンドルのようなものが付いていて,それを回すことによって密着させるというようなシステムだったと思います)
 なので,あまり厳密には考えてなかったのですが,僕の頭の中では,水は循環するのではなく,使い捨てのイメージでした。
 ここは工学的な知識がない僕にとってはなかなか叙述が難しいところなので,完全にケアはできなかったのですが,「水は地下水から引いているだろう」という記述を追加しました。


 
 今作は,執筆期間が短かったこともあり,短い時間でどこまで論理的整合性をケアできるかという自分への試練のようなところもありました。読者の方からご指摘をいただくことにより,自分の弱点とか思考のクセを見極めようという気持ちで,えいやでアップしました。

 iris様のご指摘はごもっともで,私が求めていたご指摘でしたので,大変ありがたいです。


 iris様もミステリー書きのようですので,今度お邪魔します。

 今後ともよろしくお願いします。
[一言]
綾辻行人の「館シリーズ」を彷彿させるような、大掛かりでダイナミックな舞台に集められた5人の兄弟。
「潜水館」の名前の由来は明らかにされましたが、これからどうなっていくのか楽しみに読ませていただきます。
  • 投稿者: 澳 加純 
  • 女性
  • 2020年 02月25日 16時22分
加純様

ご感想お寄せくださり、ありがとうございます!!

なろうをしばらく離れていたので、話ごとに感想を入れられる機能があることを今知り、驚いています!!笑


彷彿、というか、完全にオマージュなんですよねww
仕掛けのダイナミックさだけでいえば、綾辻先生の時計館くらいに匹敵するかもしれませんね←

作品を読んでいただいてる僕の方がワクワクしているかもしれません(笑)

ぜひとも解決パートを読む前に、推理していただきたいです!!
あっけなく当てらてしまうかもしれませんがw
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