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[良い点]
競馬の世界の人間模様がよく書かれている。その上でミステリとしてのセオリーもきちんと踏襲してある本格的なものだ。また、終わり方も個人的にはとても好ましかった。
[気になる点]
もう少し真相に繋がる描写はぼかしてくれても良かった。
[一言]
私は元々本格ミステリ畑の人間なのですが、久しぶりに良いミステリを読めたと思いました。
新大宮様

ご感想ありがとうございます!
特に惹かれるところもそんなになかったであろうタイトルの作品をスコップしていただき、大変恐縮です(苦笑)

ミステリーしか読まない!って感じの人間で、特に好きなのが動機のメッセージ性が強い作品です。ですので、一部の作品を除いて、最初に動機から考えるようにしています。
本作はとりわけその色彩が強く、競馬をテーマにするとしたら、血統地図を崩さないこと、そして、特定のレースの騎乗機会を奪われたことへの復讐、この2つが動機として美しいなと思い、そこからストーリーを組み立てた感じです。

終わり方ですが、結構悩みました。
アイデアとして直前まで残ってたのは、姫野の方から積極的に自白記事を書いて寄稿するというものでしたが、それだと「探偵もの」としてはあまりにも受動的だなと思い、主人公に推理させてたところ、今回はお咎めなしの方がしっくりくるな、と思いました。
こうやって指摘されて考えてみると、僕の作品は原則がお咎めなしで、例外的に意味のあるときにだけ警察に通報するみたいです。。


気になる点でのご指摘、鋭いですね。本当にそこなんですよ。


僕からしても、本作の真相に繋がる描写は分かりやす過ぎるなと感じております。多分、昨年以前の自分であればこんな描写はしなかったはずです。
ただ、「殺人遺伝子」というちょっとだけバズった作品があったんですが、そのときに読者の方からいただいた否定的な感想が、真相の出し方が唐突だ、というもので、よくよく読んでみると「推理の手がかりが少ない」というものでした。
これは恥ずかしい話なのかもしれませんが、僕自身が推理小説を読むときに推理をしませんし、過程よりも最後の意外性やインパクトを重視するタイプなので、なんというか、そもそも作者の狙いと外れた指摘ではあったのですが、そうか、なろうだと推理の手がかりは増やした方がいいのか、というのが僕なりの教訓でした。

そして、今年に書いた「潜水館の殺人」という作品で、思いきって、「半分くらいの人がトリックを推理できるだろう」くらいの気持ちで真相に繋がる描写をしまくったところ、僕の肌感覚かもしれませんが、それなりに反響が良かったんですよね。
これは失礼な分析かもしれませんが、多分ネット小説の読者一般がそこまで注意深く文章を読まないので、多少露骨な手がかりを示した方が好まれるんじゃないか、というのがこの点の僕なりの結論めいたものでした。

ですので、僕本来のポリシーとしても、本作はもっと真相に繋がる描写をぼかすべきだと考えるものなのですが、なろうの雰囲気に染まった結果のこれなんですよね(苦笑)
次作品を書くときは、また改めてさじ加減を考えてみます。


長くなってしまいましたね。すみません。

とても勉強になりました。作品も拝読し、また勉強になりました。

最後の一言、とてもありがたく、励みになります。

今後ともよろしくお願いいたします。
[良い点]
 一気に読める短編ミステリ―ですね。とても楽しめました。ストーリー展開も段階が用意されていて、いいと思います。
 華やかな競馬界の裏側で、本当にこんなことが起こっているとしたら、正直怖いですね。
[気になる点]
 少しネタバレとなるかもしれませんので、未読の方はこれより先は読まないでください。



 レース直前の騎手のトラブルなどが伏線となっていて、面白いと思います。ただ、犯行自体は不確定要素が大きいものなので、実際に自分が犯人だった時に、こんな犯行を行うのかな、とまず感じました。
 でも、なるほど! と思ったのが、このレースがクレイメルタの引退レースであるということです。犯人にはあとがなかったわけですね。
 だとすると、引退レースであるということは、とても大事な伏線です。
 最初の『有馬記念の主役』章で、きちんと文中に引退レースであることは記載されているのですが、文章が『クレイメルタの引退レース』であることを強調するよりも、『G1の有馬記念である』という情報の方が、読み手に印象に残ってしまってしまう書き方になっているような気がするのです。

 サラブレッドの引退レースであった。その馬の名はクレイメルタ。

 の部分をもっと膨らませて書かれると効果的ではないでしょうか。例えばですが、クレイメルタのこれまでの戦績を説明して、競馬場にいるファンの全員が、名馬の引退を惜しんでいる。「辞めるなー」と叫んでいるファンもいた、などの記載をわざと挿入しておいて、読者にクレイメルタの引退試合なんだよ、と心の底に思わせておくと、最終章がよりインパクトが強くなるように思います。(細かすぎる指摘で申し訳ありません)
[一言]
 素敵なミステリーをありがとうございました。
  • 投稿者: iris Gabe
  • 2020年 04月16日 21時01分
irisu Gabe様

前回に引き続き、温かく、しかも為になるご感想ありがとうございます!!


ご指摘がごもっとも過ぎて感心してしまったので、早速以下の文章を追記しました


ダービーを勝って以降、クレイメルタは一度も負けることなく、まさに無敵の強さを誇っていた。その実力だけでなく、人気も凄まじく、ぬいぐるみやキーホルダーといったグッズが飛ぶように売れているという。

 クレイメルタはまだ4歳であり、しかもまだ底を見せてもいなかったから、能力的にまだまだ現役を続けることはできたはずである。ゆえに有馬記念を引退レースとすることを発表したときは、阿鼻叫喚だった。
 クレイメルタの馬主の元には、引退の撤回を求めるファンからの署名まで届いたらしい。


なんというか、有馬記念=引退みたいなイメージが僕の中で強過ぎて、丁寧に書くことを忘れてしまっていたようです。失態でした。競馬ファンからすると、有馬で全盛期の馬が引退することは常識ですが、普通に考えるとしっくりこないですよね。。


 いや、馬殺したいと思っても、わざわざレース中には殺さんでしょ、というのは僕の中でも最初から引っかかっていることでした。とはいえ、エンタメ的にはやっぱりレース中に殺さないと面白くないんですよね。。鋭いご指摘でした。



 温かいご感想ありがとうございます。iris様のように本格的な探偵小説を書いてらっしゃる方に見ていただけて本当にありがたいです!!


[一言]
連載&完結お疲れさまでした。
今回も楽しませて頂きました。なるほど、たしかにダービーへの執念ですね。ダービーを巡って各々が人生の歯車を狂わせて行く感じ、好きです。
また二重底なミステリー堪能させてもらいました。なんだかもう二重底じゃないと、「まだ実は真相が隠されてるんじゃないか?」なんて気分になる体になってしまったので満足ですw

また次作を楽しみに待たせていただきます(・ω・)ノシ
新藤様

いつもいつも本当にありがとうございます。

そして、このご感想には笑わせてもらいました。

たしかに殺人遺伝子以降、菱川の作品はほぼ二重底構造みたいな感じですよねwプロットを考える際の癖になってしまっているようですww

二重底じゃないと満たされない新藤様の期待を裏切るべき、三重底、四重底にまで挑戦していただきたいですが、多分何書いているか分からなくなりそうですねww


新藤様の文章が一番落ち着きます。読むのがなかなか追いつかないですが、楽しませてもらってます!!
[良い点]
各々の「ダービーへの執念」について語るところとか特に面白かったです!
[一言]
これからも頑張ってください!
山田祭様

たしか以前もご感想いただいたことありますよね?いつもありがとうございます!

もっとなろうっぽい分かりやすいタイトルを付けようかとも思ったのですが、今回の話を括るとすれば「ダービーへの執念」しかないな、と思い、読んでいただけた方に沁みればいいなと思いこのタイトルにしました!!
マイナーかもしれませんが、東野圭吾さんの「魔球」「眠りの森」といった作品が好きで、一回の試合や公演が人の人生を変えたりミステリーを生み出すという展開を好みます!!本作もたった一度のダービーのために人が狂っていく感じを出したかったので、そこを読み取っていただけてとても嬉しいです!!


ご感想いただけてとても嬉しかったです!!
今後ともよろしくお願いします!!!
[良い点]
競馬をほとんど知らないのですが、それでも引き込まれちゃいます!
本当に観客として見ているかのような臨場感がありました。
[一言]
その緊張感からのあとがきが本当にもうw
犬童様

 競馬をほとんど知らないのに、こんなマニアックで渋い作品に目を通していただきありがとうございます。ポイントもいただけたみたいで本当に感謝しています。支えられました。
 
 犬童様のようにアクションを描く才能がなく、レースシーンは鬼門中の鬼門で、サイレンススズカの昔話なんかを導入してごまかしてたのですが、犬堂様に臨場感があると言っていただけたことは僕にとって本当に財産です。ありがとうございます。


 自分で言うのも難ですが、多分なろう作家の中で僕が一番プライベートがクズな人間なんですよね(苦笑)あとがきでプライベートを晒そうと思うとロクでもない内容しか思いつかないんですよ。。あんまりあとがきは書かないようにしているのですが、欄があるとどうしても書いちゃうんですよね。病気みたいなもので。。。
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