感想一覧
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苦しい、切ない、一言では伝えることができないもどかしさ。同じ女性だからでしょうか、まったく異なるように見えて、恐らくは同様の壁にぶつかったであろうふたりの心の痛みが、ひりひりと感じられるようです。
壁を乗り越えるために、最後は「自由になるための自由」を振り回すことは幸福なのか。
それとも壁を乗り越えることなど諦め、壁など見えないと静かに暮らすことは不幸なのか。
それぞれカードの表裏のような彼女たちの姿を見ていると、いつの時代もそれぞれ男女における「区別」「差別」が純然と存在しており、それがゆえに同性同士でいがみ合う(あるいはいがみ合うように仕向けられる)事態が発生することに胸が痛くなります。
私たちの当たり前はいつから当たり前になったのか。私たちが彼女たちの姿を見て不自由さを感じるように、未来の人々もまた我々を見て、馬の前に飛び出すようなありえなさを感じるのかもしれませんね。
苦しい、切ない、一言では伝えることができないもどかしさ。同じ女性だからでしょうか、まったく異なるように見えて、恐らくは同様の壁にぶつかったであろうふたりの心の痛みが、ひりひりと感じられるようです。
壁を乗り越えるために、最後は「自由になるための自由」を振り回すことは幸福なのか。
それとも壁を乗り越えることなど諦め、壁など見えないと静かに暮らすことは不幸なのか。
それぞれカードの表裏のような彼女たちの姿を見ていると、いつの時代もそれぞれ男女における「区別」「差別」が純然と存在しており、それがゆえに同性同士でいがみ合う(あるいはいがみ合うように仕向けられる)事態が発生することに胸が痛くなります。
私たちの当たり前はいつから当たり前になったのか。私たちが彼女たちの姿を見て不自由さを感じるように、未来の人々もまた我々を見て、馬の前に飛び出すようなありえなさを感じるのかもしれませんね。
- 投稿者: 石河 翠@「運命の番を嫌う訳あり娘は拒めない」配信中
- 2020年 07月14日 21時53分
「ガラスの天井」の言葉は残っています。
外出や仕事で、「主婦なのに」とか、「旦那さんや子どもは?」と言われて、家族に後ろめたくなるのは、文化の刷り込みからなのか、愛情からなのか、区別がつかなくなる時があります。
男性の庇護さえあれば、何の権利がなくても安穏と生きていけるだろう、と言われても、突然未亡人になったり孤児になったり、頼りとした男性がロクデナシだったりしたら、目も当てられません。
たとえそうでなくても、アダムのあばら骨から創造されたからといって、下に見られるいわれはありません。
親の世代と自分とでのジェンダーに関する意識の違いにを感じるのですから、社会に出たばかりの人が天井や壁に突き当たるのは、いつでもあるのでしょう。
どうしたら生きやすく、暮らしやすくなるのか、心掛け次第なのか、権利の問題なのか、生きている限り出てくる課題です。きちんと考えていきたいです。
感想感謝でございます。
外出や仕事で、「主婦なのに」とか、「旦那さんや子どもは?」と言われて、家族に後ろめたくなるのは、文化の刷り込みからなのか、愛情からなのか、区別がつかなくなる時があります。
男性の庇護さえあれば、何の権利がなくても安穏と生きていけるだろう、と言われても、突然未亡人になったり孤児になったり、頼りとした男性がロクデナシだったりしたら、目も当てられません。
たとえそうでなくても、アダムのあばら骨から創造されたからといって、下に見られるいわれはありません。
親の世代と自分とでのジェンダーに関する意識の違いにを感じるのですから、社会に出たばかりの人が天井や壁に突き当たるのは、いつでもあるのでしょう。
どうしたら生きやすく、暮らしやすくなるのか、心掛け次第なのか、権利の問題なのか、生きている限り出てくる課題です。きちんと考えていきたいです。
感想感謝でございます。
- 惠美子
- 2020年 07月15日 15時01分
[良い点]
「雨の中、傘を差さずに踊る人間がいてもいい。自由とは、そういうことだ」
出典のよく分からない言葉ですが、まさにそういうことだと実感できる短編でした。
雨の中、傘を差さずに踊ったら。風邪を引くかもしれません。こじらせて肺炎で死ぬかもしれない。
参政権を与えられる層は拡大し続けています。多くの人が支持する政策を誤れば、その代償は非常に大きなものとなるでしょう。そんな結果まで含めての自由。
[一言]
女性の社会進出は、便利な道具が男女の差異を埋めることによって起こったのだ、と思っています。
同じことができるなら、同じ立場に立つべきだと。
能力の拡張は生産に限った話ではありません。戦うという行為も道具に依存するようになった結果、女も戦場に立つようになりました。
何年前だったか、中国の女性パイロットが訓練中の事故で死亡したというニュースを聞いたことがあります。
その辺をはっきり隔てるであろうローレンス卿が現代のこの有り様を、男と女を隔てる壁があいまいなものになった現状を知れば、どう思うか。
現状男と女を隔てる一番大きな壁は「生殖機能」。
現状男女が一組いなければ人は生まれない訳ですが、そんな壁すら技術の発展により取り払われてしまったら。
私たちがそんな世界を想像したときと、似たような感情を覚えるのでは、と思うのです。
変わるということも、自由であるということも、容易いことではない。
「雨の中、傘を差さずに踊る人間がいてもいい。自由とは、そういうことだ」
出典のよく分からない言葉ですが、まさにそういうことだと実感できる短編でした。
雨の中、傘を差さずに踊ったら。風邪を引くかもしれません。こじらせて肺炎で死ぬかもしれない。
参政権を与えられる層は拡大し続けています。多くの人が支持する政策を誤れば、その代償は非常に大きなものとなるでしょう。そんな結果まで含めての自由。
[一言]
女性の社会進出は、便利な道具が男女の差異を埋めることによって起こったのだ、と思っています。
同じことができるなら、同じ立場に立つべきだと。
能力の拡張は生産に限った話ではありません。戦うという行為も道具に依存するようになった結果、女も戦場に立つようになりました。
何年前だったか、中国の女性パイロットが訓練中の事故で死亡したというニュースを聞いたことがあります。
その辺をはっきり隔てるであろうローレンス卿が現代のこの有り様を、男と女を隔てる壁があいまいなものになった現状を知れば、どう思うか。
現状男と女を隔てる一番大きな壁は「生殖機能」。
現状男女が一組いなければ人は生まれない訳ですが、そんな壁すら技術の発展により取り払われてしまったら。
私たちがそんな世界を想像したときと、似たような感情を覚えるのでは、と思うのです。
変わるということも、自由であるということも、容易いことではない。
LE-389さん、こんにちは。
子どもが買ってきたコミック版の『戦争は女の顔をしていない』を前に読んでみて(共産主義国は男女平等をいち早く進めていましたから)、戦士としての女性の生活に、下着一枚取り換えに苦労すると、なぜ兵站で気付かない、と感じました。
大学の医学部の試験での差別についても、逆に看護師や介護士だって拘束時間や職責は重いのに、もっと男性を増やしてほしい、試験で優遇しようと声があるのか、寡聞にして知らないのですが、あったのだろうかと、疑問でした。
農業が発展して、女性が金属製の農機具を使いこなせないから、男性優位が始まったという歴史の仮説が正しいのなら、道具によって腕力の差が問題にならなくなっても、それは一つの歴史の経過点です。
生物学的にオスとメスは違い、オスは生殖的に、負担が少ないのでより多くメスと交渉を得ようとし、また哺乳類の宿命ととして、メスが妊娠した子が自分の種である確信の為に独占しようとする。オスはなぜ暴力的なのかを生物学的に説く生物学者さんもいます。
現代の生殖医療で代理出産が可能になって、母親は卵子提供者か、実際妊娠・出産した女性かなんて、今まであり得なかった難しい問題さえあります。
さて、女子高卒のわたしにとって、社会的な役割なら、女性と男性、入れ替わっても問題ない職種が多いんじゃないというのが、一つの意見です。
示唆に富んだ感想を有難うございます。
子どもが買ってきたコミック版の『戦争は女の顔をしていない』を前に読んでみて(共産主義国は男女平等をいち早く進めていましたから)、戦士としての女性の生活に、下着一枚取り換えに苦労すると、なぜ兵站で気付かない、と感じました。
大学の医学部の試験での差別についても、逆に看護師や介護士だって拘束時間や職責は重いのに、もっと男性を増やしてほしい、試験で優遇しようと声があるのか、寡聞にして知らないのですが、あったのだろうかと、疑問でした。
農業が発展して、女性が金属製の農機具を使いこなせないから、男性優位が始まったという歴史の仮説が正しいのなら、道具によって腕力の差が問題にならなくなっても、それは一つの歴史の経過点です。
生物学的にオスとメスは違い、オスは生殖的に、負担が少ないのでより多くメスと交渉を得ようとし、また哺乳類の宿命ととして、メスが妊娠した子が自分の種である確信の為に独占しようとする。オスはなぜ暴力的なのかを生物学的に説く生物学者さんもいます。
現代の生殖医療で代理出産が可能になって、母親は卵子提供者か、実際妊娠・出産した女性かなんて、今まであり得なかった難しい問題さえあります。
さて、女子高卒のわたしにとって、社会的な役割なら、女性と男性、入れ替わっても問題ない職種が多いんじゃないというのが、一つの意見です。
示唆に富んだ感想を有難うございます。
- 惠美子
- 2020年 07月07日 09時05分
[一言]
理不尽はなくならないものです。現状を疑うことをしない現状主義者にはうんざりします。
現状主義者を黙らせるには、能力と実績でしめすほかないんだと思います。
理不尽はなくならないものです。現状を疑うことをしない現状主義者にはうんざりします。
現状主義者を黙らせるには、能力と実績でしめすほかないんだと思います。
理不尽に対抗するに証拠を突き付けても、謝らない、逆切れする人がいるのがまた理不尽で、草臥れること多し、です。
世界大戦で戦争に行った男性に代わって女性たちが社会を支えたから、選挙権を認める方向になったは、能力と実績ではあります。
希望は無くさないでいきたいです。
感想感謝でございます。
世界大戦で戦争に行った男性に代わって女性たちが社会を支えたから、選挙権を認める方向になったは、能力と実績ではあります。
希望は無くさないでいきたいです。
感想感謝でございます。
- 惠美子
- 2020年 07月04日 20時07分
[一言]
これは難しい、けど面白い事を考えされられます色々と。さあどっちに共感する?自分だったらどちらを選ぶ?(好意と支持が別れたら卑怯と思う?)自分の場合、最初はまっとうに主人公夫人です、理解できます。ただ羨望するかと言われるといやいやいやそれ重いって仰ってますよね、無理矢理食わされるってのもそうとうハードですなめたらあかん。と思うし、仲間内でも批判、そりゃするでしょうってかしたいですD嬢は間違っています。のですが結果的には彼女の情熱が夫人を動かす契機になったとは、なんて間違いだらけの権利への道。血塗られた犠牲の上の権利、そうでもしなければ得られなかった権利。だから大切にしなくてはならない、んだが……一周回ってやっぱり主人公なんでしょうか、仮に失う日が来たら諦めるほうが楽だと思うからです。そしてD嬢は何度でも現われるんでは?
これは難しい、けど面白い事を考えされられます色々と。さあどっちに共感する?自分だったらどちらを選ぶ?(好意と支持が別れたら卑怯と思う?)自分の場合、最初はまっとうに主人公夫人です、理解できます。ただ羨望するかと言われるといやいやいやそれ重いって仰ってますよね、無理矢理食わされるってのもそうとうハードですなめたらあかん。と思うし、仲間内でも批判、そりゃするでしょうってかしたいですD嬢は間違っています。のですが結果的には彼女の情熱が夫人を動かす契機になったとは、なんて間違いだらけの権利への道。血塗られた犠牲の上の権利、そうでもしなければ得られなかった権利。だから大切にしなくてはならない、んだが……一周回ってやっぱり主人公なんでしょうか、仮に失う日が来たら諦めるほうが楽だと思うからです。そしてD嬢は何度でも現われるんでは?
きっとエミリー・デイヴィソンのような人物は繰り返し現れるでしょう。ジェラルディンのような人を動かし、夫のローレンス卿のような人の考えを改めさせようと。
ハンガーストライキをする女性を縛り付けて、口をこじ開けさせ、チューブを入れて流動食を流し込んだ、なんてありました。嫌がるのに挿入するとは〇〇と同じと、参考にした本にもありまして、事故だって起きたそうです。
イギリスの女性の参政権は、世界大戦で銃後の女性が社会を支えた事実を認めての結果。日本が一等国に認められたのが日露戦争が契機とか、なんだか、歴史はそんな皮肉の繰り返しです。でも得られた権利は義務を果たしつつ、不断の努力で守らなければなりません。
感想感謝座ございます。
ハンガーストライキをする女性を縛り付けて、口をこじ開けさせ、チューブを入れて流動食を流し込んだ、なんてありました。嫌がるのに挿入するとは〇〇と同じと、参考にした本にもありまして、事故だって起きたそうです。
イギリスの女性の参政権は、世界大戦で銃後の女性が社会を支えた事実を認めての結果。日本が一等国に認められたのが日露戦争が契機とか、なんだか、歴史はそんな皮肉の繰り返しです。でも得られた権利は義務を果たしつつ、不断の努力で守らなければなりません。
感想感謝座ございます。
- 惠美子
- 2020年 07月04日 17時33分
[一言]
競走馬の前に立ち塞がるのは、かなりの勇気というか覚悟が必要。馬ってとにかくデカいですから。無謀にも思える行動ですが、思いはバトンとなって主人公にひきつがれた気もします。
同じような行動は無理であっても(まったくタイプの違う女性ですから)疑問をもてた事は大きかったと思います。
しかし親から引き継いだ財産まで夫のものとなるなんて! 数多くの女性たちの悔しさと努力あっての、今なんですね。
競走馬の前に立ち塞がるのは、かなりの勇気というか覚悟が必要。馬ってとにかくデカいですから。無謀にも思える行動ですが、思いはバトンとなって主人公にひきつがれた気もします。
同じような行動は無理であっても(まったくタイプの違う女性ですから)疑問をもてた事は大きかったと思います。
しかし親から引き継いだ財産まで夫のものとなるなんて! 数多くの女性たちの悔しさと努力あっての、今なんですね。
大昔にNHKの『映像の世紀』で当時の映像が流れて、あれはかなりびっくりでした。状況証拠から、自殺ではなくて、馬を止めようとした、活動団体の旗を馬に付けようとしたと諸説ありますが、あの映像を観たら、えええ~となります。いくら現在より馬が身近な時代だったとはいえ、無茶ですよ。世の男性ばかりか、女性の内でも選挙権無くてもいいっていう時代ですし、女性作家が男名を筆名にして活動していたのが、イマイチ信じられない国ではあります。
結婚も財産横領の手段の一つですし、まあ、男性がこれは有利になっちゃうと言いましょうか……。ジェラルディンがせめて持参金はわたしの自由にするからね、と夫と交渉して勝ち取るくらいは、して欲しいです。
感想感謝でございます。
結婚も財産横領の手段の一つですし、まあ、男性がこれは有利になっちゃうと言いましょうか……。ジェラルディンがせめて持参金はわたしの自由にするからね、と夫と交渉して勝ち取るくらいは、して欲しいです。
感想感謝でございます。
- 惠美子
- 2020年 07月04日 17時25分
[良い点]
おお、自由。あなたはなぜ自由なの……。主人公ジェラルディンが悩んだり、疑問に思ったり、最後にふと視界が開ける様子が美しく綴られているなあと思いました。古今東西、活動家のエネルギー量には圧倒されます。ミス・ディヴィソンしかり。彼女のとった行動は賛否両論あるだろうけれど、こうしてジェラルディンが気付いてしまうのだから、やはりそれは意味があったのかな。なんて考えたり。
おお、自由。あなたはなぜ自由なの……。主人公ジェラルディンが悩んだり、疑問に思ったり、最後にふと視界が開ける様子が美しく綴られているなあと思いました。古今東西、活動家のエネルギー量には圧倒されます。ミス・ディヴィソンしかり。彼女のとった行動は賛否両論あるだろうけれど、こうしてジェラルディンが気付いてしまうのだから、やはりそれは意味があったのかな。なんて考えたり。
自由って一体何でしょう? それを得ることで何かいいことがあるのかしら? 思想家やら活動家から教えられてもだいたいチンプンカンプンで、自分が困ったことに直面してから、ああ、そうか! なんて納得して行動し始めるのが、凡なる輩です。
深窓育ちの奥様のジェラルディンに何ができるでもないのですが、気付くと気付かないままとでは違います。
旦那さんに自分名義の財産がどうのこうのと、まず始めてもらいたいです。
感想感謝でございます。
深窓育ちの奥様のジェラルディンに何ができるでもないのですが、気付くと気付かないままとでは違います。
旦那さんに自分名義の財産がどうのこうのと、まず始めてもらいたいです。
感想感謝でございます。
- 惠美子
- 2020年 07月04日 14時31分
[良い点]
やっぱり映像の世紀でしたか。
あれは白黒でもショッキングなシーンでした。
中国の纏足を野蛮と責めながら、自分の嫁はコルセットでギリギリに絞る矛盾の時代。
女性の社会進出は男たちが戦争にとられた第一次世界大戦まで待たなければなりません。
デイヴィソン女史が『自由』を求めるということに強烈に囚われて、取りうる選択肢を激減させ、悲劇的な最期を迎えたことは切なくもあり、『自由』そのものに自由を奪われた結末のようにも思えます。
しかし、デイヴィソン女史がローレンス卿のように『自由』になりたかったのかと言うと、また違う気もします。
彼は一見、『自由』ですが、その挙措動作全てが彼の属する階級から逸脱しないことで保証されているに過ぎません。妻がいるのにひとりで競馬場に行くことは逸脱であり、妻同伴にこだわらないといけない。本人は自分を束縛するものなんてないと思い込んでいても、実際は『自由』に届かない場所で安息しているに過ぎません。
女性参政権は大事ですが、自らを馬蹄にかけるほどの価値はありません。なぜなら、参政権が叶っても、女性が自由になりませんでした。
それゆえにデイヴィソン女史にはその人生をかけて求めるべき『自由』を追い続けてほしかったなと思うのです。
やっぱり映像の世紀でしたか。
あれは白黒でもショッキングなシーンでした。
中国の纏足を野蛮と責めながら、自分の嫁はコルセットでギリギリに絞る矛盾の時代。
女性の社会進出は男たちが戦争にとられた第一次世界大戦まで待たなければなりません。
デイヴィソン女史が『自由』を求めるということに強烈に囚われて、取りうる選択肢を激減させ、悲劇的な最期を迎えたことは切なくもあり、『自由』そのものに自由を奪われた結末のようにも思えます。
しかし、デイヴィソン女史がローレンス卿のように『自由』になりたかったのかと言うと、また違う気もします。
彼は一見、『自由』ですが、その挙措動作全てが彼の属する階級から逸脱しないことで保証されているに過ぎません。妻がいるのにひとりで競馬場に行くことは逸脱であり、妻同伴にこだわらないといけない。本人は自分を束縛するものなんてないと思い込んでいても、実際は『自由』に届かない場所で安息しているに過ぎません。
女性参政権は大事ですが、自らを馬蹄にかけるほどの価値はありません。なぜなら、参政権が叶っても、女性が自由になりませんでした。
それゆえにデイヴィソン女史にはその人生をかけて求めるべき『自由』を追い続けてほしかったなと思うのです。
あの映像、録画していたので観直しました。交通安全教室なんてもんじゃありませんよね。エミリー・デイヴィソンの行動は自殺だった、いや違うと、今でも様々意見があるそうですが、競走馬の疾走しているところに飛び出すのは、いくら何でも……、と足が竦む思いです。
ローレンス卿、俗物っぽく描写しました。今いる場所を信じ切って安住している姿。
夫婦同伴で出掛けるから、子どもはナニーかシッターに任せよう、家庭から解放されよう、もいいかも知れませんが、そうじゃない女性、或いは男性もいるかも知れない。留守番をする人たち、労働者たちは? 国によって違う慣習はおかしくない? とどんどん続きます。
デイヴィソン、しまいには欲することを欲していったようにもみえた亡くなり方です。
第一次世界大戦は目前に迫り、貴族階級は没落していくでしょう。その時より前にジェラルディンに一種の気付きがあったは、巡り合わせです。
感想感謝でございます。
ローレンス卿、俗物っぽく描写しました。今いる場所を信じ切って安住している姿。
夫婦同伴で出掛けるから、子どもはナニーかシッターに任せよう、家庭から解放されよう、もいいかも知れませんが、そうじゃない女性、或いは男性もいるかも知れない。留守番をする人たち、労働者たちは? 国によって違う慣習はおかしくない? とどんどん続きます。
デイヴィソン、しまいには欲することを欲していったようにもみえた亡くなり方です。
第一次世界大戦は目前に迫り、貴族階級は没落していくでしょう。その時より前にジェラルディンに一種の気付きがあったは、巡り合わせです。
感想感謝でございます。
- 惠美子
- 2020年 07月04日 14時26分
[良い点]
競馬場の事件で自分の立ち位置に目をやった女性の気持ちが、流れるように伝わってきました。
疑問に思わなければそのまま生きていられたこの女性が、温室の外を思う姿が印象的でした。
彼女はなにか行動を起こすのか、あるいはなにもせずただ心の奥にくすぶらせるのか。
どちらにしろ、その疑問の火が着いたのなら、馬の前に立ちはだかった彼女の行動は意味があったのでは、と思います。
競馬場の事件で自分の立ち位置に目をやった女性の気持ちが、流れるように伝わってきました。
疑問に思わなければそのまま生きていられたこの女性が、温室の外を思う姿が印象的でした。
彼女はなにか行動を起こすのか、あるいはなにもせずただ心の奥にくすぶらせるのか。
どちらにしろ、その疑問の火が着いたのなら、馬の前に立ちはだかった彼女の行動は意味があったのでは、と思います。
- 投稿者: exa(疋田あたる)
- 2020年 07月04日 07時02分
女性が物申すのに制限があった時代ですから、衆目を集めるのに過激な行動をしていたそうです。それでも果敢に挑戦し、応援する男性たちもいたといいます。
人間がいつ大切なことに気付か、それで行動に移していけるか、誰にも解りません。ジェラルディンは行動できないかも知れません。でも考えるようになりました。それだけでも大きな事件でした。
感想感謝でございます。
人間がいつ大切なことに気付か、それで行動に移していけるか、誰にも解りません。ジェラルディンは行動できないかも知れません。でも考えるようになりました。それだけでも大きな事件でした。
感想感謝でございます。
- 惠美子
- 2020年 07月04日 14時08分
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