感想一覧

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[良い点]
傷つけたのが誰か、理由は何か、が明かされない点。
[気になる点]
鏡の中の500円の、現実世界での両替方法。文字が反転しないのかな?重さによる機械での両替だとしても、回収されたら贋金事件になるのでは。
[一言]
鏡、さ迷う、理由は不明。このあたりは、個人的に大好きなホラー的テーマです。
とても楽しめました。

夏のホラー2020は、随分読み漁ったつもりでしたが、まだまだ見落としていた作品があるのだと解りました。暫く楽しみに読ませて頂きますね。
黒森 冬炎様、お読み頂きまして誠にありがとうございます。
お楽しみ頂けて何よりでございます。

この短編は、駅や図書館などの公共施設のトイレの鏡がイタズラで傷つけられている事件と、「ドラえもん」に登場する入り込みミラーという秘密道具から構想を得ました。
割れた入り込みミラーをセロテープで繋いでも、セロテープがつっかえて出入り出来ない描写があったので、「入り込みミラーの表面に引っ搔き傷をつけても、やっぱり傷が邪魔になって出られないのかな。」と考えた次第です。

ラストでトイレの鏡を傷つけたのは、多分イタズラ心を持った心無い利用客だと思います。
鏡を傷つけた利用客は、鏡面世界の存在にも気付いていない一般人を想定しました。
誰かの軽いイタズラ心が、別の誰かを思わぬ形で不幸にする。
この短編では、そうした隠しテーマを盛り込んでみました。
もっとも、主人公の男性も鏡面世界で散々好き勝手に遊びまくったので、あんまり同情出来ないかもしれませんね。

鏡面世界の物を持ち出して増やすのは、同じく「ドラえもん」のフエルミラーのイメージにインスパイアされているんです。
元々のフエルミラーだと、鏡面から取り出した物体の文字が裏返しになっていたですが、鏡面世界に閉じ込められた男性の自業自得感を演出するために豪遊させたかったので、「鏡面世界の事物は左右反転しているけど、現実世界に持ち出した時点で正常な向きになる。」という具合に改変いたしました。
「紙幣ではなくて500円玉なら、通し番号が無いのでコピーしてもバレない。」というアイデアは、「週刊ストーリーランド」の「謎の老婆」シリーズの1エピソードからインスパイアされています。
もっとも、本来の製造量以上に500円玉が現実世界に流通する事になるので、そのうち怪しまれていたかも知れませんね。
男が両替の手間を省くべく1万円記念金貨でも持ち出していたら、製造量が通常の硬貨以上に限られているため、早々と悪事が露見していたかも知れません。

数ある「夏のホラー2020」の参加作品の中で、本作をお読み頂きまして、誠にありがとうございます。
励みになる御感想、誠に感謝いたします。
[良い点]
お酒や鏡がこの世と他のどこかをつなぐと言われる不思議さ、不気味さが伝わってきました。それと人間の欲深さも(笑)
[一言]
鏡にまつわる怪談の中には、生きているのに向こう側へ引きずり込まれた人間が元になっているものも有るのでは、と思ってしまいました・・・怖い。
  • 投稿者: 猿戸柳
  • 2020年 09月13日 03時46分
猿戸柳様、お読み頂きまして誠にありがとうございます。
「お酒や鏡がこの世と他のどこかをつなぐと言われる不思議さ、不気味さ」との御評価、実に励みになりました。

主人公が初めて鏡面世界に入ったのが泥酔状態にあった時だったのは、アルコールによる一種のトランス状態にあったからかも知れないと、頂いたコメントを拝見した際に気付かされた次第です。
また、八咫鏡や浄玻璃の鏡など、鏡は神話や伝承では聖邪両面で機能する呪物として扱われていますね。

アルコール(御神酒の代用品?)でトランス状態になった上で呪物である鏡に向き合った男は、図らずも一種の神事を行ったため、鏡面世界と現世を行き来する力を得たものの、その力を欲望のままに行使したので、罰として鏡面世界に永遠に閉じ込められる。

頂いたご感想から、このような解釈に行き着く事が出来ました。
励みになる御感想、誠に感謝いたします。
[良い点]
これは、なんとも、切ない後味が残る恐怖です。『出られない』『戻れない』というのは、ある意味、幽霊や死に関わるより怖いものだと思いました。

もうひとりの自分と入れ代わるとかではなく、肉体を通してこっちと向こうの世界を行き来できること、持ち帰ったものが左右反転することが視覚や触覚から伝わってきて、現実味を感じます。今までにない怖さを、感じられるホラーでした。

味をしめるとは何と愚かで、欲をかいてはいけないのだと示唆する物語になっているのも良かったです。
[一言]
その節は、ありがとうございました。僭越ながらお邪魔させていただきました。

今年の参加作品を読んできた中で、なかなか怖い作品に会えなく……と思っている矢先に、御作に出会えたことに感謝です。楽しく読ませていただきました。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2020年 08月31日 23時28分
管理
乾レナ様、お越し頂きまして誠にありがとうございます。
楽しくお読み頂けたとは幸いでございます。
作者冥利に尽きる思いでございます。

乾レナ様がおっしゃるように、「足る事を知らない者の破滅」もまた、本作で描きたかった事の1つです。
鏡面世界で酒池肉林の限りを尽くしたり、持ち出した金塊や宝石を売りさばいて贅沢三昧をした報いという意味合いで、主人公の男には鏡面世界の住人になって貰いました。
私としては、無辜の善男善女には平穏な人生を全うして頂きたいので、今回の「夏のホラー2020」の参加作品内で破滅的な運命を辿ったのは、罪を犯した人間や分不相応に欲深な人間という形になっています。
もっとも、「駅広告の偶像」の女子大生に関しては同情の余地ありですが、帰りの時間と相談せずに羽目を外して飲みまくった点と、幻聴の件を心療内科に相談せずにアイドル殺害事件を企てた点から、危機管理意識の希薄さという事で、ここは一つ…

数ある「夏のホラー2020」の参加作品の中で、本作をお読み頂きまして、誠にありがとうございます。
そして励みになる御感想、誠に感謝いたします。
[良い点]
駅なんて・・・
壁や扉を隔てて
数メートルもすれば沢山の人が行き来しているのに
鏡の向こうに居る自分の事には誰も気付いてくれない
自力でも戻れないというのは、かなりの恐怖かもですね。
[一言]
場所や大きさに関わらず
妙な恐怖を感じる時があるのは
鏡特有の力なのでしょうか・・・(泣)

気にし始めると、余計に怖くなりますね
ぐすん・・・(泣)

某、テレビ画面から出てくる貞子さんの様に
好きな鏡から出られれば良いのですけども・・・(汗)

ただ、私の目の前で鏡から出てきたら
全力で叩き割りますけどねっ♪(粉になるまで!?)

ではではぁ
大浜英彰さんが、いつか鏡トラウマを
克服出来ますように願っております♪
  • 投稿者: 謎猫
  • 2020年 08月30日 23時42分
謎猫様、お読み頂きまして誠にありがとうございます。

すぐ近くには人が沢山いるのに、その人達は自分のことを認識してくれないし、助けてもくれない。
そんな本作の主人公が置かれた状況の孤独と恐怖を汲み取って頂けて、感謝の気持ちでいっぱいです。

左右が反転しながらも真実を映し出す鏡の中は、身近な異世界という感じがしますね。
現実世界と同様に無限に広がっているであろう鏡面世界には、恐怖と同時に引き付けられる魅力が感じられます。

数ある「夏のホラー2020」の参加作品の中で、本作をお読み頂きまして、誠にありがとうございます。
そして励みになる御感想、誠に感謝いたします。
[一言]
夜の駅でトイレに入るのは、緊急事態のときだけです。
昼間は利用しますが、過去二回ほど、なにかが、ちらりと鏡をよぎり……ああ、きっとストレスと疲れ目で目がチラついているのね、と自分を納得させました。霊感はない(と、信じたい)です。
でも、今後は鏡にも近づかないようにしないと。だって万が一、中から指や手が出てきたりしたら……引きずりこまれて、男と入れかわったりなんかしちゃったら……

どうしてくれるの! 昼間もトイレに行くのが怖いじゃないですか!(涙目)


ps 他のホラー短編の作品ですが……
登場人物、十二、三年前という共通項。もしかして、この先連作集になるのかな……なんて、ちょっとワクワクしています。(プレッシャーかけてるわけじゃないですよ(笑))

岩礼ゆえん様、お読み頂きまして誠にありがとうございます。

私も、夜の駅の鏡はあんまり見たくないですね。
特に合わせ鏡になっている場合は、奥の方の鏡像が変な動きをしたり、気付いたら鏡の中に入ってしまいそうですので。

「昼間もトイレに行くのが怖い」ですか。
そのお言葉は作者冥利に尽きますが、それは申し訳ない事になってしまいましたね。
私も「ドラえもん」のフエルミラーの回や「仮面ライダー龍騎」における鏡面世界に引きずり込まれる描写がトラウマになっているタイプですので、心中お察し申し上げます(陳謝)

おっしゃる通り、今回のホラー短編集は世界観を共有した連作という形になっています。
各エピソードは独立しているのですが、同一世界内で近い時期(離れていても1年前後)に起きた事件という想定で書いています。
今後も同じ世界観で書きたいなと考えておりますが、整合性が取れなくなるレベルの大規模なカタストロフを描く場合は、別の世界観で書く事になるのかも知れませんね。

数ある「夏のホラー2020」の参加作品の中で、本作をお読み頂きまして、誠にありがとうございます。
そして励みになる御感想、誠に感謝いたします。
[一言]
只でさえ、ああいう所のトイレの鏡というのは、何とはなしに覗くのが怖いというのに…この話を見て余計に覗くのが怖くなりましたわ((( ;゜Д゜)))
鏡の向こうで声無き声で叫ぶその人の顔が目に浮かびます…。

涼をありがとうございます…。


  • 投稿者: 退会済み
  • 2020年 08月27日 20時22分
管理
徳田タクト様、こちらの短編もお読み頂きまして誠にありがとうございます。

私も、夜に駅のトイレに入る時は、あまり鏡を覗きたくないですね。
視界の片隅に、何か変な物が見えたら怖いですから。

必死で助けを求めているのに、その姿や声は認識されず、認識されたとしても怪現象として恐れられ、人々は遠ざかるばかり。
主人公みたいに鏡面世界に閉じ込められたら、私なら孤独の果てに発狂しそうです。
そんな恐怖が表現出来ていたなら、私としては喜ばしい限りです。
ありがとうございます。
[一言]
仮面ライダー龍騎の一場面を思い出した

いつまでも鏡面世界を孤独に彷徨うなら、いっそのこと消滅するのも救いなのかもしれない
ヤタガミ様、お読み頂き、そしてご感想を頂きまして、誠にありがとうございます。
ヤタガミ様のご指摘に御座いますように、鏡面世界に取り残された男には、「仮面ライダー龍騎」に登場した仮面ライダーインペラー/佐野満のイメージが、多分に反映されています。
インペラーのカードデッキを破壊された佐野満は、ミラーワールドでの制限時間が尽きたタイミングで消滅しましたが、本作の男は出口を探して鏡面世界を永遠に彷徨い続けて貰おうと考えています。
子供の時に見た「ドラえもん」の「地平線テープ」や「入り込みミラー」の回における、無人の異世界に取り残されたのび太君の姿が印象的でしたので、そのまま死ぬ事も脱出する事も出来なかった場合のIFを想像した結果、こんなお話になりました。

数ある「夏のホラー2020」の参加作品の中で、本作をお読み頂きまして、誠にありがとうございます。
[良い点]
最後の読者への問いかけがゾクッとしました!
もし鏡に誰か写っていたら、、と考えると怖いですね。
もしかしたらその人かもしれませんね……!
[一言]
読みやすく、そしてリアルでも想像してしまうような怖さがありました。
これからも応援しています!!
  • 投稿者: 瑞樹凛
  • 女性
  • 2020年 08月23日 22時57分
瑞樹凛様、お読み頂き、そしてご感想を頂きまして、誠にありがとうございます。
「読みやすく、そしてリアルでも想像してしまうような怖さ」との御評価、実に励みになりました。
ラストの問い掛けは、「鏡を見ていて妙な気配がした時に、この話を思い出して頂けたらなぁ…」という思いを込めて書きましたので、狙い通りの御感想が頂けて、喜ばしい限りでございます。
私も、瑞樹凛様の御活躍を応援させて頂きます。
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