感想一覧

▽感想を書く
1 2 Next >> 
[良い点]
最初は『渦潮』と聞いてもピーンと来なかったですが、大人になって、瀬戸内海の本物の渦潮を見た彼女の感性の表現の仕方が丁寧だと思いました。
言葉にするのがちょっと難しいけれど、大人になって感性が鈍るような感覚が私にもあったけれど、幼いころにした感動のエピソードはずっと心の中で眠っている。そう私は受け取りました。

とても繊細で綺麗な物語でした。
焦点もブレていなくて読みやすかったです。
[一言]
素敵な時間をありがとうございます!
お読みいただき、早速の感想ありがとうございます。

経験を重ねて相応の年齢になったしまったとき、
振り返ると、懐かしさや、さみしさと同時に、
それでも歩んできた自分を認めてあげたいような気持ちもあって。

そんな複雑に混ざり合ったところを、
短い中に刻めないかと書いてみた一作でした。

ネット小説大賞盛り上げ、頑張って下さい!
[良い点]
 学生時代、美術の授業が一番好きでした。もちろん一番好きな教科書も美術。なんの絵がどこに書いてあるのか、もう覚えているのに何度も何度も眺めておりました。

 あの頃の私の世界は今よりも狭く、考える範囲も目の前のことばかりでした。でも、今の私よりも世界は美しく見えていたし自分の中に熱いものがあったな、そんな事をこの作品を読んで思いました。

 恥ずかしながら仕事に疲れ、灰色がかった日常に慣れてきていた私には、この作品から見える景色は眩しく、胸に染みました。
[一言]
 美しい作品ですね。読むことができてとても嬉しく思います。こんなに何度も読み返したいと思った作品は初めてです。読ませていただきありがとうございました。
  • 投稿者: 鞠目
  • 23歳~29歳
  • 2020年 09月15日 12時16分
鞠目様、丁寧な感想、そしてレビューをありがとうございました。

学生時代の美術の教科書を見返した記憶。共感いただけて嬉しいです。
あの頃、を今から思えば、仰るとおり、何もわかってなくて、視野も狭くて。
……でも、「世界は美しく見えた」のも本当で。それはきっと無知の裏返しでもあったのでしょうけど。

実のところ、作者である私自身が、創作の世界から離れ、気がついたら、随分な年月が過ぎていたのでした。そして、とある事件(詳しくはエッセイに……)をきっかけに、もう一度筆をとり、小説を本気で書き始め、もう一度、あの頃に見た景色を見ようとしています。
その先は未知数ながら、まだ「終わったわけじゃない」何かを抱えている自分を投影した一作になりました。

また、ぜひ読み返しに。お時間あるときに、本作以外にも触れて頂ければ幸いです。
[良い点]
一枚の絵に引き込まれる事って、ありますよね。
昔、地下鉄の通路に展示されていた私の慎重と同じ大きさのキャンパスに描かれた絵画に、どうしようもなく惹かれた事があります。
一生懸命バイトして買ったものの、大きいキャンパスの為、持ち帰るのが大変だったのは良い思い出です。

年齢を重ねるごとに、自分の中の熱量が失われ、毎日のルーティンをこなす事に不満はないけれど、時々ポキリと折れてしまいそうな心境になる主人公に、我が身を重ね、美味しいおつまみでも手土産に持って、「充分頑張ってるよ」ってお話ししに行きたくなりながら読みました。


[気になる点]
いますよね!
無神経な事を言ってくる人って!!
損得勘定だけで付き合う人を選ぶ方って、ほんとに嫌いです><
[一言]
ラストで、アンテナからいろんな埃を落とせた主人公が、明日からまたちょっとだけ元気に日々を過ごせるようになっただんだろうな、と思えて、ほっこりしました。

  • 投稿者: ひるね
  • 2020年 08月30日 16時55分
とても丁寧な感想、嬉しく読みました。
ありがとうございます。

ひるねさんの惹かれた「一枚の絵」素敵な作品だったのでしょうね。バイトしてまで手に入れて、持ち帰るのに苦労されて……でも、それだけ刺さった一枚があるってうらやましいことです。
大切に飾られたのでしょうね。絵がある生活はいかがでしたか。

主人公のように年齢を重ねてきたときに感じる、単純な不満とは違う、ポキリと折れそうな瞬間……共感いただけて嬉しいです。美味しいおつまみと、お酒と、遠慮無しに話せる友達……誰かと時間を過ごして、少しずつ元気を分け合って。たっぷり話せるネタがある何年かぶりの友達なんかだと、なおよし、という感じでしょうか。

あと無神経だったり、損得勘定だったりでしか人を見られない人っていますけど、そういう方って自分では見えない透明な檻に自分から入った人達かな、とも思います。
ある意味ブレないので世間的に成功する人もいますが、読書を楽しんだり、会話を楽しんだりするとき共感性が低い分、どこかズレたままになるような……そう思うと、ちょっと可哀相かな、なんて。
[良い点]
こんばんは、瀬川様。

瀬川様の描く純文学の世界。味わい深くて、染みました。特にラストが良かったです。こちらの想像力が刺激させられる、力強く、爽やか、ふくよかな余韻。語り過ぎては野暮になり、その加減が素晴らしく絶妙なのです。

人生は思ったより長い。そして、予想だにしない事だらけだなーと。
15歳だろうが37歳だろうが、42歳だろうがわたしは私で、変わらないところはいつまで経っても可笑しいくらい変わらない。でも、確実に1日1日積み重ねがあって、進化し続けて変わってゆく何かがある。
歩き続けるとその変化に気づかず、もったいないかも。ちょっと立ち止まって、振り返ってみようかなぁ。この作品を拝読して、そんな気分になりました。

教科書に載ってた渦潮は奥村土牛かしら。(早々にググりましたw)緑がかったくすみパステルの灰水色が最高に瑞々しい海のうねりですね。実物の作品を見てみたくなりました。恵比寿の山種美術館が所蔵しているみたいです。展示してるかどうかは分からないけど、見に行ってみようかな。鳴門海峡は遠過ぎて…コロナが明けたらの、旅先の候補にしちゃおうかな。

  • 投稿者: 風佳
  • 2020年 08月30日 00時25分
とても丁寧な感想をありがとうございます。

ラストはご指摘の通り、語りすぎては野暮、の思いでした。
読む方に彼女の目線に重なって欲しい、同じように鮮烈な風のように何かを感じて欲しい、と。書き手としては意図をしっかり汲んで読んで頂いてとても嬉しいです。

人生は思ったより長い……ほんとにそう思います。私自身も例の病気などがなければこんなに積極的に創作の世界に戻ってはこなかったでしょうし、なろうの皆さんにも巡り会わなかった。10年前、20年前の自分を振り返ってみたら、その頃には予想外だったことばかり……。でも、だから面白い、とも思うのです。

なお、教科書の渦潮は、ン十年前の自分の経験そのままです。
一枚の絵に引き込まれてしまった記憶があって、その記憶から紡がれたのが「渦潮」です。でも、今回書くにあたり、誰のどの作品、というのはあえてはっきりさせない形にしたい、と思ってこのような形になりました。
[一言]
>「……別れなかったら、ああならなかったと思うよ」
確かにプロになれる人となれない人の間には、それこそ断層のようなものがあるなと感じています。
だからこそ一般人が手軽に最強になれる話が受けているのかもしれませんw
でもこのお話を読んでいると、年を取ることも悪いことばかりじゃないと思えました!
名作をありがとうございました!
感想ありがとうございます。
きっと、いろんな断層があるのですよね……
才能、努力、チャンス、巡り合わせ、そして時間。

その向こうに行けた人も、行けなかった人も、
それぞれに尊い人生なのではないかと。
まだ行けるのかな、ってもう一度振り返るのも、
あんなときもあったな、と遠くから愛おしむのも。

子供の頃、ガンダムに乗りたかったのに、
この歳になると、量産型ザクに乗るドラマを見たくなる、みたいな感覚、
歳を取ると出てきますね(・ω・)
[良い点]
描写されている年代当時に引き戻されるような感覚がありました。
学校や飲み会の空気感も、まるで自分がそこに居合わせているかのようで引き込まれます。

年代ごとの変化をしっかり表現されていて、結末が余計に引き立つように思いました。
[一言]
別れたこその今。確かにな、と思います。
二人の関係を終わらせることが、彼にとっては転機になったのでしょうか。

どのような結末を迎えるのかはらはらしながら読んだのですが、希望のある綺麗な結末だと感じました。
感想ありがとうございます!

引き込まれる、との評価、嬉しいです。
学校の空気や、飲み会での会話の空気、
年齢によって変わってくる言葉の選び方や、配慮の仕方……
リアルを外さないよう、ディテールに気を使って書いた甲斐がありました。

古い恋、一度は考えた別の形の人生……
そういったものをたくさん重ねて、それでも今を生きる。
回り道に見えたものがあっても、きっと彼女にも、彼にもそれは欠かせない時間や経験で、今に繋がっているのだと思います。

彼女と彼の、そして読んでくださった方の、これまでとこれからに乾杯、という一作でした。
[良い点]
読みやすく、すーっと入り込めました
教科書の匂いだとか、描写の節々に自身の記憶を揺り動かされ、ノスタルジーを感じました

緩やかに進みつつ、確かに変化していく心理描写も美しいです


[一言]
それだけに、終盤の展開はもう一歩、深く味わいたい
というのはわがままでしょうか

『名残惜しい』という感じです
  • 投稿者: pai-poi
  • 男性
  • 2020年 08月29日 07時30分
感想ありがとうございます!

お楽しみいただけたようで何よりです。

終盤の展開、たしかにスッパリ、ですね。
今作では鮮烈さとドラマ性を強く出して、
読み終わったあとに余韻を残したいと思いました。

ーー彼女が何を、どう選択してここから先の人生を紡ぐのか。
それは読み手の方にそのまま返ってくる問いでもあると。
彼女の上に読んでくださった方が自身を重ねて、思いを巡らせていただくことが
この作品のゴールだと思っています。

よろしければ、他作品も楽しんでいってください。
[一言]
淡々とした語りの中のどこかに、ずっと燻る熱みたいなものを感じました。
美術の教科書に乗った印刷の絵画に圧倒された記憶、私にもあります。その方面に大なり小なり才を持った主人公だから、より鮮明にダイナミックに何かを感じたんでしょうね。
断層の向こう側に来たことを自覚して、同じ毎日に焦りすらなくなった彼女が、ここからどんな熱量で動き出すのか。応援したくなるラストでした。
ありがとうございました。
ツイッターでも応援いただきありがとうございました。
美人のおねえさん系美術教師の瀬川です。うふふ。

美術教科書に圧倒された記憶、海栗さんもあるのですね。
共感いただけて嬉しい^^
するどい感性をもった人ほど、力をもった作品へも
強く共鳴するのだろう、と思うのです。

その先で、自分の表現で生きていこうとして……
でも、夢だけを追うのもまたしんどくて。
断層のこちらにある日常の重さに、ふぅ、と息をついて。

……仕事や創作に悩んだり、手を止めたり、また動かしてみたり。
それなりの年輪を重ねた方に共感いただける一作になったかなと思っています。




[良い点]
新しい教科書の匂いは新学期を引き立てますね。

断層はネバーランドを思い浮かべました。
もう、ネバーランドから追い出されてしまったんですね。

渦潮を見て泣いた気持ち、とてもよくわかります。
静まり冷え固まっていたものが溶け出す感じ。
目頭が熱くなります。
  • 投稿者: ぼるてん
  • 男性
  • 2020年 08月29日 01時08分
教科書の匂い、いいですよね。
これからはじまるんだー感が。
ネバーランドは、原作だとピーターパンに殺されるのですよね。
彼女は大人なので、ネバーランドにいられない、と気付けてしまうのでした。

冷え固まっていたものが溶け出す……見事に表現していただいて感謝です。
ぼるてんさんも、そう感じた瞬間があったのですね。
きっとそれは今の創作に繋がっているようにもお見受けします。

アンテナの埃を落として、前へ、ですね(・ω・)
[良い点]
面白かったです。
お褒めの言葉、ありがとうございます!
よろしかったら、いろいろ読んでいってください。
1 2 Next >> 
↑ページトップへ