感想一覧

[一言]
先に魔法の砂時計の方を読んでから。
色々な人の思惑があるでしょうけど、自分は翔の願いを叶えて萌香と内村が演技しちゃったところから間違ってたと思う。
こういう嘘はいつかずっと後に何かの拍子で知られて、より大きな傷を生むもので。
このお話でもそうなりました。
余命が僅かであれば、皆でその時間を大事に過ごすのが正解で、この嘘のせいで成美は自分を浮気性だの醜いだのと責め、耐えながら生きていく羽目になるわけで……
翔は優しかったかもしれないけれど、最後にしたことは結局遺された人達に重たいものを背負わせてしまっただけなのです。
安心して死にたいなら、皆でよく話し合っていれば時間がかかってもそうなったでしょうに。

ただ、それも含めて人間というのはこういうものだなと思います。
例えばもっと年長者が関わっていれば止めたでしょうけど。
三十そこそこ以下の未婚の若者だけでは、こういう選択しちゃったのは仕方ない、人間らしいと思いました。

[良い点]
内村は親友の望みを叶えた上で好きだった女性と一緒になれる。辻本はやや独善的ではあるが自分の信念を貫き、好きだった女性の幸せを見届けて死にゆくことができる。成美は何も知らないが故に幸せになれた。一番深刻な当事者が全員幸せなのだから、よい落としどころです。
[気になる点]
辻本妹は納得はしていないが兄の頼みを受けて偽彼女役を務めたのだから、成美に対し思うところがあってもそれを表に出してはいけない、と思う私は情が無いかな。
[一言]
個人的には、成美が事実を知る必要性を感じません。また、死にゆく人の頼みを叶え、成美を幸せにしているのだから、内村も何ら恥ずべきことは無いと思ってしまいます。別に不幸になってまで、事実とか裏事情を知る必要って無いと思うんですが、ちょっと普通じゃないですかね。

[良い点]
乱雑量産される「なろう婚約破棄」に一石を投じる考えさせられる話なところ
[気になる点]
誰も悪人ではないけど、誰も責任がないとは言えないかなぁ、と悩まされるところ
[一言]
今すぐは『妊婦への精神ストレス（による堕胎や出産後の育児放棄等）』の可能性があるので無理だけど、どっかのタイミング（例えば四年後の七回忌にあわせて）内村は言うべきかなぁ、と。

まぁ、最良は結婚式前に伝えることで、そこで知った主人公が見舞いに行って「貴女のためにも幸せになるわ」と伝えたところでここまでやった翔さんにとっては寂しさを覚えても満足は覚えて、主人公一人の最善な結果（彼女だけが何も知らず幸せだけど他の人は傷を持ってしまった）ではないけど、関係者全員にとっての次善な結果となったかなぁ。

そのタイミング逃しての今更では「友人でもある辻本の一生の頼み」「言って楽になるのは自分だけ」と言う中では踏ん切りつかないかもしれないけど、他所から漏れた場合に大変なことになる気がします（会社に残ってた場合の、翔さんの元上司筋から漏らされるという線は、幸か不幸か退職によってなくなっているけど、友人のレストランが近く＝同じ寺の氏子か近所付き合いの中で噂聞く可能性と言う別のリスクが出てきた）。

妹さんはあそこで飲み込めたので、漏らすことはないだろうけど、「あの人はもう関係ない！」とふんぎってもらいたいなぁ　

と書いた所で、それぞれへの呼称に翔さんにだいぶ偏向した読みかたをしてたと気づきました。
こう言えるのも第三者目線だからで、見方によれば「元彼が妙な独善心を出さずに素直に言えばよかっただけじゃん。知らない主人公にはどうしようもないし、妹も旦那も末期患者の末期の願いを蹴破る勇気は持てないって。下手に漏らして最期なのに関係悪化させたくないでしょ」とも言えると思うので

[良い点]
誰も悪くなかった。
強いて言うならなら運命が悪かった。
ただ、それだけ。
[一言]
酷かもしれませんが、成美さんに全てを知ってほしい。
翔の両親か、その他の第三者か、もしくは偶然の積み重ねか、どれでもいいから真実を知ってほしい。
そりゃ始めは後悔して苦しんで自分を攻めて内村さんに八つ当たりするかもしれません。
でも萌香さんの口から翔の心を知って、抱き合って泣きながら、翔の墓前でありったけのごめんなさいとありがとうを伝えて欲しい。
そんでもって内村と仲直りしてその後お盆の日あたりに家族でお墓まいりに来るぐらいになってあげてほしい。
そしていつか成美が死んで翔と再会したら一発ぶっ叩いた後にありがとうと伝えて欲しい。
もしくは、お互い転生して記憶があろうとなかろうと今度こそ幸せに結ばれてほしい。
己よりも恋人の幸せを願った翔に幸あれ。
成美も内村と幸せに天寿を全うして、いつか翔と幸せに。
そして全てを知りながらもあえて口をつぐんだ萌香さんも末永くお幸せに。

[一言]
正直内村を好きに成れない。