感想一覧

[一言]
こんにちは。企画より参りました。

悪人は悪人のまま改心せず、密やかに生きている善良な人々を結局脅かしてしまうのですね。変わる機会はいくらでもあったでしょうに変わることができないのも悲しいですし、それによってうまくいっていたはずの主人公家族までバラバラになってしまったのが切ないですね。

せめて村から離れることになっても、また家族一緒に過ごすことができたらいいなあと思います。

[良い点]
残酷で人のエゴを洗い出す、訓話的な雰囲気が好きです。何度もひっくり返る物語に何度も驚かされ、またどのキャラクターも魅力的でした。悪役側が勝手に瓦解していて、バラバラで襲ってくるというのが面白かったですね。緊迫感が段階ごとに増していく、完成度の高い構成でした。
[気になる点]
小説というよりは、そのあらすじを読んでいる感覚でした。台詞や情景描写がほとんどないため、没入感は低く、せっかく魅力的な空気を脳内で映像化できなかったのが非常に残念です。
児童向けの訓話としても「そこはもうちょっとくわしく、ちゃんと教えて」というところが多々ありました。たとえば序盤、エリヤが兄弟の機嫌を損ね置いて行かれたというところ。続く「色と欲にめがくらんだ兄弟には何を言っても無駄」とあるところから、色と欲についてエリヤが諭したことで諍いになったのだろうと察しはしますが、その具体的な会話によって印象がかなり違います。
「あの女を犯してから売り飛ばそう」「やめろよ！」だったのか「女の子がパーティにいたら華やかでいいよな、俺たちで護っていこう」「足手まといは御免だ」だったのか、なんだか。

淡々とした訓話風なのは作品の個性だと思いますが、情報面はもう少し……文字数、シメキリともにかなり余裕があるので、強化してもらいたいところです。
[一言]
企画への寄稿ありがとうございました！